【航続距離1000km越え!】中国NIO製黒船EVが日本進出確定の衝撃 《NIO DAY 2021》の注目ポイントを徹底解説

NIO

中国の電気自動車スタートアップであるNIOが、NIO DAYというイベントを開催し、

航続距離1000kmオーバーを達成した新型電気自動車の詳細、

そして何よりも、我々日本市場にも参入を表明してきたという、日本EV業界における今年最大の衝撃となりました。

中国EVスタートアップの筆頭格

まず、今回のNIOに関してですが、2014年に立ち上がった中国の電気自動車スタートアップであり、

すでに3車種もの電気自動車を中国国内に展開しながら、

さらに直近である2021年の10月中には、

いよいよ中国国内を飛び出して、初の海外マーケットとして、

電気自動車最先進国家である北欧のノルウェー市場に参入を果たすなど、

実際に、直近である2021年11月度の販売台数というのが、1万台オーバーと、

すでに電気自動車スタートアップとしてかなりの成熟を見せています。

さらに、このNIOというのは、これまでの自動車メーカーとは異なり、

ただ自動車を販売する事業形態だけではなく、

様々な付加価値を提供しているという点が特筆すべきポイントであり、

まず、現状の電気自動車の運用において、どうしても障壁となってしまっている充電という問題を解消するために、

独自にバッテリー交換ステーションの建設を進め、

それによって、これまでであれば、充電時間に数十分を要していたものを、

ものの数分間という、これまでのガソリン車の運用方法と全く同じような運用を行うことができるわけですから、

まずは、NIOを選んでもらうために、

電気自動車であるという障壁をなくそうと努力をしている

ということになります。

さらに、NIO HOUSEと名付けられた、NIOオーナーのみが利用することのできる専用の施設が存在し、

そこには、カフェやラウンジが併設されながら、

子どもが自由に遊べる空間であったり、会議にも利用することができる空間など、

NIOのオーナーのコミュニティづくりという観点でも注力することによって、

先ほど紹介した、バッテリー交換ステーションなどの普及によって、NIOのコミュニティに参画してもらいながら、

その後のコミュニティ内のアクティビティを豊富に用意することで、

一度参画したNIOのコミュニティからの離脱を防ぐという、NIOコミュニティによる囲い込みという戦略が、

少なくとも現状までは非常に機能している、ということなのです。

NIO DAY 2021が開催されました

そして、そのような独自の戦略を採用して、世界を代表とする電気自動車スタートアップのNIOに関して、

今回新たに明らかになってきたことというのが、

NIOが毎年開催している、様々な最新情報を発信しながら、NIOオーナーとの交流を深めるイベントとして、

NIO DAYが開催されたということで、

こちらは毎年開催されていると説明していましたが、

その直近のNIO DAY2020に関しては、

Covid 19をはじめとする外的要因によって、2021年の1月初旬に開催していましたので、

2021年については変則的に、NIO DAY 2020とNIO DAY 2021という、

2回ものNIO DAYが開催された、ということにはなりました。

そして、今回のNIO DAY 2021においては、

来年である2022年中にNIOが計画している様々な戦略、

特に、NIO独自のバッテリー交換ステーションの設置計画を始め、

NIOの4車種目となる新型電気自動車の納車スタートのタイムライン、

および、5車種目の新型電気自動車のワールドプレミア、

そして中期的に、世界25箇所にも上る国や地域に対して、一気に事業を広げていくという、

衝撃的な発表が矢継ぎ早に発表されましたので、

今回のNIO DAY 2021において押さえておかなければならない重要なポイントについてを、一挙に解説していきたいと思います。

バッテリー交換ステーションを中国国内1300箇所へ

まず、NIOが独自に設置を進めているバッテリー交換ステーションの最新動向に関してですが、

2021年12月17日現時点において、

すでにグローバルで732箇所に、バッテリー交換ステーションが建設されたということで、

したがって、ちょうど2021年初頭に開催されたNIO DAY 2020において、公表していた目標設置台数であった700箇所という数値を、

なんとすでに大幅に超えてしまっている、ということですので、

NIOとしては、そのNIOの電気自動車オーナーが、いかにして利便性高く運用することができるのかを第一に考えて、

インフラ投資にコミットしているということが、お分りいただけるのではないでしょうか?

そして、現時点では、グローバルで4.2秒に一回というペースでバッテリー交換が行われている状況となっているそうですから、

今後もNIOの販売台数の増加とともに、

さらにバッテリー交換ステーションに対する投資を加速させようという方針も明らかにし、

それが、2022年中までに、中国国内だけで、バッテリー交換ステーションを1300箇所以上にまで、ほぼ倍増する計画を表明してきたということであり、

したがって、2022年に関しては、2021年の設置速度よりもさらにスピード感を高めて、インフラ投資を加速しようとしているわけであり、

さらに、そのバッテリー交換ステーションに併設して、同時に設置が進められてもいる、

通常の急速充電器についても、さらに6000器という膨大な数を設置したり、

さらにその上、観光スポットを中心として、目的地に対して比較的低速な充電器を設置することによって、

そこで滞在している間に充電を行うことができるデスティネーションチャージャーについても、

さらに1万器追加で設置していくことが表明されましたので、

何れにしても、2022年にNIOの電気自動車が増えていったとしても、

今までのNIOオーナーが不便を被らないように、しっかりと充電インフラを拡充しようとしている、ということですね。

ET7は計画通り2022年3月中の納車スタート

次に、注目すべきポイントであるのが、

NIO DAY 2020においてワールドプレミアが開催されていた、

NIO第四の電気自動車である、フラグシップセダンのET7に関する最新動向であり、

すでに、2022年の第一四半期中の納車スタートをアナウンスしていたわけですが、

今回、そのタイムラインをしっかりと堅持して、

2022年の第一四半期中に、実際の納車をスタートさせることを再度表明し、

特に、2022年の1月20日から、正式な受注をスタートして、

第一四半期の終わりである、3月28日から実際の納車をスタートするという、より細かいタイムラインも示してきましたから、

いよいよNIO初となる、セダンタイプの電気自動車、

しかも、その電気自動車としての質に関しても、最大100kWhという大容量バッテリーを搭載しながら、

中国市場で一般的に採用されている、NEDCサイクルにおいて700kmを達成する見込み、

さらに最終的には、2022年末までに導入がスタートする、

150kWhの固体電池を、バッテリー交換ステーションにおいてリプレイスすると、

なんと航続距離1000kmという、地球上でも最高性能を達成した電気自動車に化ける、

2022年最も注目すべき電気自動車として、

その確定した詳細なスペックがわかり次第、情報をアップデートしていきたいとは思います。

最新型EV「ET5」は2022年9月納車スタート

しかしながら、今回のNIO DAY 2021においては、

そのET7に続く、NIOの第5車種目となる新型電気自動車がさらにお披露目されたということで、

それが、ET5と名付けられた、ET7と同じくセダンタイプの車種ということであり、

ET7よりも一回り小さい、ミッドサイズ級のセグメントとなりますので、

こちらはまさに、現在テスラが発売している、ミッドサイズセダンのモデル3

さらには、同じく中国の電気自動車スタートアップであるXpengが発売を始めた、

ミッドサイズセダンのP5と、ガチンコの競合車種ということになり、

2022年の中国の電気自動車最前線という観点では、むしろET7よりも注目しなければならない、

NIOにとって極めて重要な車種となる、

ということなのです。

それでは、今回ワールドプレミアが開催されたET5の、特に電気自動車としての質を、

ガチンコの競合車種となるテスラモデル3とともに、一挙に比較していきたいと思いますが、

はじめにグレード設定については、

まずは75kWhと、100kWhという2種類のバッテリーサイズをラインナップして、

それによる満充電あたりの航続距離については、

中国市場で一般的に採用されているCLTC-Pサイクルにおいて、最長700km以上を達成する見込みであると発表されましたが、

こちらを、高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルに変換してみると、

概算値とはなりますが、最長でも500kmオーバー程度、というようなイメージとなりそうですが、

それでも、より高効率を達成可能なSiCインバーターを採用した、新世代のアーキテクチャーを採用するなど、

これまでの車種よりも、より効率を高めてきてもいるわけですから、

こちらの実際の航続距離については、

今後の実証実験も参考に、改めて詳細な数値を概算していきたいとは思います。

ちなみにですが、エントリーグレードに搭載されている75kWhのバッテリーについては、

NIOとCATLが独自に開発したバッテリーの種類を採用していて、

それが、現在多くの電気自動車に採用されているNMCという種類と、

安さと耐久性に強みを持つLFPを組み合わせた、ハイブリッドバッテリーであり、

こちらはすでにNIOが発売している車種に導入がスタートしていたわけですが、

このハイブリッドバッテリーによって、

LFPの強みでもある、安全性や耐久性、そして何よりもコスト低減に期待することができるのと同時に、

そのLFPの弱点でもある、冬場におけるバッテリー性能の低下という問題を、

既存のNMCも同時に採用することによって、うまくカバーすることができていると説明されていますので、

特に安さが重要となるエントリーグレードにおいて、

この75kWhのバッテリーを採用するというのは、非常に合理的である、ということですね。

また、加速性能についても、前後に2つのモーターを搭載したAWDシステムによって、

最高出力が360kW、最大トルクが700ニュートン

それによる時速100kmまで加速するのにかかる時間も、最短4.3秒という、俊敏な加速性能を達成し、

さらに車両サイズについては、

全長4790ミリ、全幅1960ミリ、そして全高が1499ミリという、

モデル3よりも、やや大きいサイズ感ということになりそうです。

バッテリーサブスクでモデル3とガチンコの競争へ

そして、最も気になる値段設定に関してですが、

エントリーグレードにおいて32万8000元

日本円に換算して、およそ585万円からということになりますので、

競合車種と目されていたモデル3と比較しても、かなり割高感が否めず、

これではいくらバッテリー交換ステーションを筆頭に、

NIO Houseなどという付加価値があったとしても、なかなか手が出しにくい、

競合にはならないのではないか、と思われた方も多いと思いますが、

それを見越して、今回NIOが発表してきたのが、

NIOがすでに提供している、バッテリーと車両を切り離して販売し、

バッテリーはサブスクリプションとして、毎月定額で料金を支払うことによって、

最初の車両の本体価格を大幅に抑制することができる制度を、ET5においても導入し、

したがって、そのバッテリーのサブスクリプション制度を採用することによって、

今回のET5に関しては、258000元から、

日本円に換算して、なんと460万円から購入することが可能となり、

バッテリーについては、75kWhが毎月1万7000円程度でサブスク出来ますから、

このように比較検討してみると、

より多くの層が手を出しやすくなる値段設定となる、ということなのです。

さらにその上、そのバッテリーのサブスク制度を活用することによって、本体の値段設定が30万元を切る、

よって、中国政府が提供している、電気自動車購入に対する補助金を適用することができるという裏技が可能となり、

したがって、補助金を適用した場合、

日本円に換算して、なんと442万円程度から、今回のET5を購入することができてしまい、

競合であるモデル3の、補助金適用後の値段設定である456万円と比較しても、

極めて競争力のある値段設定を実現してきている、ということなのです。

しかも、さらにだめ押しで付け足すと、今回のET5にはさらなる最上級グレードとして、

2022年第四四半期中に展開がスタートする、

固体電池を搭載した150kWhバッテリーが、

グローバルのバッテリー交換ステーションに配備がスタートし、

もちろんこの150kWhバッテリーについては、これまで発売してきたNIOの3車種、

および先ほど紹介したET7、

そして今回のET5という、すべての車種に搭載することができてしまい、

特に今回のET5に搭載した場合、その航続距離というのは、驚愕の1000kmオーバーを達成、

もちろん例によって、最も信用に値するEPAサイクルに変換してみると、

現状800km以上程度に落ち着く見込みなものの、

それでも、3分程度で満充電状態の個体電池バッテリーに交換して、

さらに高速道路を800km以上走行することができてしまう、というようにイメージしていただければ、

すでにこの時点において、NIOの電気自動車オーナーが、

エネルギー補給という観点で、大きな不便を被るということは金輪際なくなるであろう、

ということですね。

Dolby Atmos・1016TOPS・AR/VR対応の圧倒的先進性

ちなみに、今回のET5に関しては、

全部で9種類のカラーリングをラインナップしながら、

業界最大級の広さを確保した、一面のガラスルーフを標準で搭載

さらに、音響関係については、

私を含めて、映画をよくご覧になる方であれば詳しい方もいるかもしれない、Dolby Atmos7.1.4を標準で搭載し、

合計して1000Wという、世界最高クラスのサウンドを提供することができますので、

特に音質にこだわるという方でしたら、このDolby Atmosという点だけでも、非常に興味がそそられるのではないでしょうか?

また、フレームレスウィンドウ、

車両に近づくとドアハンドルが飛び出すフラッシュドアハンドル、

そして、ソフトクローズドアすら、すべて標準で採用してしまうという驚きの装備の充実ぶりですし、

さらに、このET5については、開発当初から、中国国内だけではなくグローバルへの展開を想定している車種となりますので、

ヨーロッパ市場で採用されているEuro-NCAPという安全性能テストにおいても5つ星を獲得する見込み、

さらに、米国基準であるNHTSAの行う、車両の横転リスクを評価する数値についても、

5つ星を獲得することのできる1.45という数値を大きく上回る、

1.7という圧倒的な評価を獲得、

つまり、それだけ車両の安全性が確保されているということになり、

その上、ET7と全く同様に、最新のLiDARを搭載しながら、

将来の自動運転にも完全対応するというハードを備え、

そのために、このET5に搭載されている自動運転用のチップの演算能力も、驚愕の1016兆回という、

業界最高性能の演算能力を兼ね備えてもいるという、

何れにしても、

これを実質442万円程度から購入することができてしまう、というようにイメージしていただければ、

お買い得すぎるやしないか、ということですね。

また、それと同時に、NIOはArgumented Reality、Virtual Reality、

AR・VR技術についても、その専門のスタートアップに対して巨額の投資を実施し、

ようやく、その技術が搭載されたメガネを発表してもきたわけで、

これによって、6メートル離れた場所に、201インチという、特大級の画面が映し出されるような映像を映し出すことができると説明されていますので、

実はこれこそが、

なぜNIOが、テスラなどのように、車両に大型のディスプレイを搭載してこないのか、

つまり、大型のディスプレイなどを搭載せずとも、

VR技術を使うことによって、より大画面を、より臨場感のある形で映像などのエンタメを楽しむことができるからである、

ということなのです。

中国EVスタートアップNIOが日本に上陸確定の衝撃

そして最後に紹介したい、NIO DAY 2021における特筆すべき内容についてですが、

それが、ノルウェーのみであった海外進出の流れを、

いよいよそれ以外の国についても、一気に広げていくという戦略であり、

まず、2022年中にも、

北欧のスウェーデン、デンマーク、さらにはオランダ、

そして欧州最大のマーケットでもあるドイツ市場という、

4つのマーケットにまで海外侵略を拡大するということになりますので、

それに準じてNIOの販売台数も、今後爆発的に伸びていくことに期待することができるでしょう。

そして、それとともに、中期的な視点として、

4年後である2025年までには、なんとそれらの国以外にも範囲を拡大し、

グローバルで25の国や地域に展開するという、かなりアグレッシブな海外戦略を発表してもきたということで、

このマップにもある通り、ヨーロッパはかなりの範囲にまで拡大しながら、

何と言っても、アメリカ市場への参入を計画しているわけですから、

果たしてNIOの電気自動車がアメリカで受け入れられるのかにも注目ですし、

さらに、オーストラリアやニュージーランドという右ハンドル市場、

しかも、韓国市場にまで、その展開を想定していることが見て取れると思います。

しかしながら、今回の発表において最も度肝を抜かれた点であるのが、

なんとなんと、

我々日本列島についても、展開予定であることを示すマーキングが行われている

つまり、中国の電気自動車スタートアップであるNIOが、

ついに我々電気自動車発展途上国家である日本市場に参入する計画であるということが判明した、

まさにこれは、2021年の日本EV市場にとって、

最大の衝撃といってもいいくらいの大ニュースであるということで、

したがって、遅くとも4年後までには、NIOの電気自動車たちを、

我々日本市場でも購入することができるようになるとイメージしていただければ、

明日から、NIO貯金を始める方が、出てきているのではないでしょうか?

このように、今回中国の電気自動車スタートアップであるNIOが開催してきた、NIO DAY 2021に関しては、

特に最新の電気自動車として、ET5のワールドプレミアを中心に、

今後の中国国外の展開についての最新動向をアップデートしてきたわけですが、

個体電池を搭載し、航続距離1000kmオーバーという新型電気自動車の衝撃を、軽く吹き飛ばすかのごとく発表された、

我々日本市場への参入表明というのが、

今回のNIO DAY 2021の最大の衝撃であると思いますので、

とにかく、この日本市場への参入に関する最新動向については、

わかり次第爆速で情報をアップデートしていきたいと思いますし、

明日から本メディアとともにNIO貯金を始めてみませんか?

From: NIONIO DAY 2021

Author: EVネイティブ