テスラがすでにアナウンスしていた300万円以下で購入することのできる、コンパクトカーサイズの電気自動車の販売を一時凍結してしまいました。
テスラ製コンパクトカーの生産準備は順調に見えていたが、、
まず、今回のテスラの新型電気自動車に関してですが、
すでに本メディアにおいては1年以上も前から取り上げつつ、
現状の自動車業界に大きかゲームチェンジをもたらす可能性があると考えていた車種となっていて、
というのも、2020年の9月に発表された、
その新型電気自動車というのは、現在発売されている同セグメントの内燃機関車の値段設定を超える、25000ドル、
つまり日本円に換算して、概ね290万円程度から購入することができてしまうという、圧倒的な価格競争力を有しているということで、
したがって、現在我々日本市場において発売されている多くの乗用車セグメントの車種、
少なくとも、特に現在日本メーカーが得意としているハイブリッド車と比較してみても、
ただでさえランニングコストが安い電気自動車が、イニシャルコストという観点でも、より安く購入することができてしまう、
よって、今までとは異なるスケール感で、電気自動車を多くのユーザーに訴求するポテンシャルに期待することができていた、
ということなのです。
そして、実際にその300万円弱から購入することができると発表されていた、テスラ製コンパクトカーの発売時期に関しては、
その生産予定と目されていた中国国内から、様々な情報が飛び出していたわけであり、
特に、多くのメディアの情報を総合すれば、
2022年中、もしくは2023年の早い時期にも、実際に発売がスタートするのではないかと推測することができており、
実際問題として、すでにテスラの中国上海工場のすぐ近くにも、
そのテスラと強固なパートナーシップを締結している中国CATLのバッテリー生産工場が稼働しながら、
そのCATLとの契約を2025年まで延長してきてもいたわけで、
したがって、こちらもアナウンス通り、
安価なバッテリーセルであるLFPを大量に調達する準備が着々と進められているというように捉えることができていた、
したがって、テスラ製コンパクトカーを大量生産する上で最もボトルネックとなるであろう、
その大量のバッテリーの調達体制も問題ないのではないかと推測でいていた、
という背景すらあったのです。
そして、そのような背景において今回新たに明らかになってきたことというのが、
テスラが2021年通しでの販売台数や利益率などの事業成果を発表するイベントを1月末に開催してきたということで、
特にその中では、今後テスラが展開していく新型車両の続報について、大きなアップデートがなされていますので、
今回は、すでに発売が待望されているピックアップセグメントのサイバートラックや、大型配送トラックのセミ、
そして、今回フォーカスしている300万円以下で購入可能なコンパクトカーの最新動向についてを、
一挙に紹介していきたいと思います。
テスラの新型車は全て「早くても2023年以降」へ順延
まずはじめにサイバートラックに関してですが、
そもそもサイバートラックについては、2021年中にも納車第一号が誕生すると発表されていたわけですが、
すでに2022年に突入しているわけですから、この目標は達成することができなかった格好となり、
さらに、今回の発表の中において、
このサイバートラックを含めた、今後テスラが発売する新型車両については、
全て、早くても2023年以降の発売スタートになると正式にアナウンスしてきてしまいましたので、
2019年に発表されたサイバートラックについては、
その発表から4年間程度は発売されることがなくなってしまった、
そして、元々の発売開始時期からも2年ほど遅れる公算である、ということですね。
次に、乗用車セグメントではないながら、
商用車セグメントの電動化のゲームチェンジャー的な車種になると目されている、
大型配送トレーラーのセミに関してですが、
こちらは先ほどのサイバートラックよりもだいぶ前である、2017年中にも、すでにワールドプレミアが開催されていたわけで、
しかも、ようやく最新型のバッテリーセルの種類である4680セルの量産体制が整ったということもあり、
2021年中にも、その第一弾を納車させるとしていたわけですが、
残念ながらすでに2022年に突入してる状況においても、今だに1台も納車がスタートしていないわけですし、
全く同様に、2023年以降の納車スタートと、大幅に順延してしまいましたから、
この商用車セグメントの電動化については、
テスラ以外の自動車メーカーが、そのシェアを拡大するチャンスが回ってきたようにも見えます。
そして、今回フォーカスしているコンパクトカーに関してですが、
なんと現時点においては、その開発を一旦中断しているという、
ある種、度肝を抜かれる発言が飛び出してしまったということであり、
したがって、本メディアに限らず、今までテスラに興味のなかった層でさえ注目せずにはいられなかった、
この200万円台で購入することのできるテスラ製コンパクトカーを、
この数年以内に購入できるという可能性は、まず消滅してしまった、
ある種の大悲報となってしまった、ということですね。
モデル3とモデルYが売れすぎ問題
しかしながら、イーロンマスクについては、
このコンパクトカーの開発中止についての理由も同時に説明しているわけで、
それが、やはり2022年現時点においても、すでにラインナップしている車種の需要が、供給体制を大きく超えてしまっている状況であり、
したがって、新たなモデルを市場に投入するというよりも、
今だに捌ききることのできていない既存モデル、
特に、より安価なミッドサイズ級のモデル3とモデルYの生産体制を強化する方に経営リソースを割くべきであると説明、
したがって、新たに操業をスタートするドイツベルリン、そしてアメリカテキサスの工場についても、
まずは、世界的に売れ筋のモデルYの生産からスタートするわけですから、
結果として、コンパクトカーを含めた全ての新規モデルの発売スタートが、大幅に順延する事になってしまった、という事なのです。
2022年テスラ最も注目の「テスラボット」とは?
そして、イーロンマスクに関しては、
今回の大衆車価格帯のコンパクトカーをはじめとする様々な新型車両よりも、極めて重要なプロダクトが存在していると主張しているという事で、
それが、テスラボットと言われる、ヒューマノイドロボットの存在であり、
実際に2022年において、テスラが最も注力していくプロダクトになると明言しているのです。
こちらのテスラボットに関してですが、
昨年である2021年の8月に開催された、
特にテスラのAI技術に関する最新テクノロジーを発表するAI DAYにおいて発表された、ヒューマノイドロボットであり、
まさに近未来SF映画に出てくるような、人の形をしたロボットであり、
人間が行うには危険な作業などを代替することができ、
したがって、現在多くの国が直面している労働力不足の問題を解決することに期待されているのです。
そして、このテスラボットのプロトタイプを、実際に今年である2022年中にも発表するとアナウンスしていたわけであり、
したがって、これらのイーロンマスクの一連の発言内容を総合していただくとお分かりの通り、
実はイーロンマスクについては、すでに電気自動車というカテゴリーに対して、
本質的な興味を失いかけているのではないかと推測することができるのです。
というのも、このイーロンマスクの立ち上げたテスラという企業というのは、
電気自動車を通して世界ナンバーワンのシェアを獲得することなど一切目標にしておらず、
電気自動車という1プロダクトを通して、
持続可能な社会の推進を加速させることを経営理念としているわけであり、
イーロンマスク自身も、別に既存の自動車メーカーであったり、テスラと同じような電気自動車専門のスタートアップなどが立ち上がり、
テスラを超えるような電気自動車が開発されて、
結果としてテスラという企業が駆逐されてしまっても、それはそれで構わない、
なぜなら電気自動車の普及を加速させることができたから、
と主張しているくらいなわけなのです。
つまり何が言いたいのかといえば、
すでに本メディアが一貫して取り上げている、
世界が自動車メーカー単位などではなく、国単位で電気自動車へと一気に舵を切り始めている状況において、
究極的にいえば、イーロンマスクの作り上げたテスラのミッションは達成してしまったように見えるわけで、
したがって、特に今回フォーカスしていた300万円以下で買えるような、より大衆車セグメントの電気自動車については、
もはやテスラ以外の企業が発売することも可能な時代となってきている、
よって、別にテスラが大衆車セグメントの電気自動車を、トッププライオリティとして開発する必然性がなくなってしまったのではないか、
ということなのです。
テスラボットと自動運転で「持続可能な社会推進の加速」へ
そして、その理念という観点以外にも、なぜ電気自動車ではなく、
テスラボットの開発にフォーカスしていく姿勢を示してきているのかに関する理由を、いくつか考えていきたいわけですが、
やはり最も大きいポイントであるのが、自動運転という観点なのではないかということであり、
そもそも論として、なぜ大衆車セグメントの電気自動車を開発・販売しなければならないのかという理由を本質的に考えてみると、
それはひとえに、持続可能な社会を実現するためには、あらゆる所得層のユーザーにも、電気自動車を乗って貰う必要性があるわけであり、
だからこそ、より安い電気自動車を開発・販売する必要があるわけなのです。
要するに、あらゆるユーザーに対して、電気自動車を利用することのできる環境を整えればいいということであり、
裏を返せば、そもそも安い電気自動車を購入してもらう必要はない、
つまり何が言いたいのかといえば、
完全自動運転を開発することができてしまえば、
まさにこれまでの概念であった、車を所有する必然性がなくなっていくわけで、
特に、自動運転機能を有したロボタクシーが街中を走り始めることができれば、
間違いなく車を所有するよりも、より安価に車を利用することができるようになる、
したがって、イーロンマスク率いるテスラとしては、
安価な電気自動車を開発するというよりも、
完全自動運転の開発にリソースを割いてしまい、いち早く完全自動運転を実現させてしまった方が、
より多くのユーザーに、電気自動車を利用してもらうことができる、
しかも、今までの所有という形よりも、より安価に車を利用することもできてしまうという、
まさに、より持続可能な社会の実現という目標に近づくアプローチなのではないか、
ということなのです。
イーロンマスクの興味はEVから自動運転・テスラボットへ
よって、テスラとしては、現在日本でも発売されている、
479万円から購入することのできるモデル3という電気自動車を最安値として、
これ以上安価な電気自動車の開発は一時中断して、
そのモデル3であったり、モデルYを販売することによって得られた収益を、
本質的に持続買おうな社会の実現を加速させるアプローチである、完全自動運転であったり、
電気自動車というアプローチでは実現することのできないであろう、人手不足という社会課題を解決する方法として、
テスラボットの開発に注力するという考えにシフトしているのではないか、ということですね。
このようにして、本メディアのみならず、日本市場、そして世界の多くのユーザーが待望していた、
300万円以下で購入することのできる、テスラ製コンパクトカーの開発の一時中断という、ある種の大悲報についてを開設してきたわけですが、
こちらに関しては、テスラの経営理念を正確に読み解いていくと、
本質的には至極当然の決断であることがお分かりいただけると思いますし、
一応イーロンマスクについては、開発終了というわけではなく、
あくまでも一時中断ということですから、
実際の発売までかなりの時間を要することになるものの、まだ皆さんが購入を諦める必要はないとは思います。
しかしながらそれ以上に重要なことというのは、
テスラという企業というのは、ただ電気自動車を販売することが目的なのではなく、
あくまでも持続可能な社会の実現を、1日でも早く実現するということが経営理念なわけであり、
だからこそ、すでに競合他社が生産する見込みの安価な電気自動車を開発するのではなく、
テスラの強みである自動運転開発に経営リソースを集中投下することによって、
いち早く、どんなユーザーでも電気自動車を利用することができる社会を実現しようとしているわけですし、
さらに電動化や自動運転という枠組みすらも超えて、
さらなる持続可能な社会の実現に向けて必須となる、人手不足という社会課題を解決するべく、
テスラボットの開発に注力しようともしている、
まさにこの流れこそ、
持続可能な社会の実現を加速させようとするテスラを体現する動くであり、
それとともに、イーロンマスク自身の、今最も興味のある分野となっているのかもしれません。
From: Tesla
Author: EVネイティブ
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