フォードが間も無く発売をスタートする、2022年北米市場で最も注目の電気自動車であるF-150 Lightningに関して、
車両から電力を外部に供給することのできる、V2X機能のより詳細な情報が公開されました。
全米ベストセラー車がEVになって発売へ!
まず、今回のF-150 Lightningに関してですが、
フォードがこの春に発売をスタートする、完全電気自動車であり、
こちらは北米市場で特に人気のセグメントであるピックアップトラックであるわけで、
やはり電費性能という観点で厳しいピックアップトラックセグメントの電気自動車は、
非常に待望されながら、今だに車種が限られてしまっているわけですから、
特に全米のベストセラーモデルであるF-150の電気自動車バージョンとして、
まさに2022年全米が最も注目している電気自動車の1つ、ということなのです。
そして、そのF-150 Lightningに関しての、特に電気自動車としての質については、
すでに本メディアにおいては、
昨年である2021年二回さされたワールドプレミアの直後に解説していたわけですが、
その中でも特に注目であった機能というのが、
大容量のバッテリーに貯められた電力を、ただ走行のために使用するのではなく、
それ以外の電化製品に供給することができたり、
特にアメリカ国内で発生する可能性がある、停電時におけるバックアップ電源として、
電気自動車から家に、電力を供給することができる機能が実装されていると説明されていたわけで、
したがって、こちらの機能に関しては、まさに電気自動車だからこそ可能な機能であるわけですから、
その動向に注目していた、という背景があったのです。
そして、そのような背景において今回新たに明らかになってきたことというのが、
その電力の取り出しが可能な、いわゆるV2X機能に関する詳細がアナウンスされたということで、
それが、ドイツの電子機器メーカーであるシーメンスとタッグを組んで、専用の充電器を開発してきたということで、
その名も、Ford Charge Station Proという充電器であり、
こちらに関しては、北米市場において最高の普通充電出力である、
最大19.2kWという充電出力を発揮することが可能であり、
すると、概ね130kWh級というバッテリー容量を搭載している、F-150 LightingのExtended Rangeグレードを、
充電残量15%から100%状態にするまで、たったの8時間で充電を完了させることが可能となります。
そして何と言っても、今回のFord Charge Station Proに関しては、
F-150 Lightningに充電ケーブルを差し込んでおくと、
仮にその間に停電が発生してしまった場合は、自動的に、
充電していた電気の流れを、逆に車両から自宅に電気を供給するという、逆向きの流れに変更して、
停電状態になったとしても、これまで通り電力を使用することが可能になるという、
いわゆるV2Home機能を装備してきているのです。
ちなみに、こちらのV2Home機能だけではなく、
Bluetooth、およびwi-fiへの接続も可能となっており、
しかもそれによって、無線アップデートにも対応可能、
したがって、この充電器を共同開発したシーメンスによれば、
今後追加の機能を、無線アップデートのみによって実装することすら可能であるとも説明してきていますので、
何れにしても、上級グレードには標準で装備されている、
この高性能な充電器は、今回のF-150 Lightningの性能を最大限生かすためには、
まさに必須の装備内容と言えそうです。
チャデモだからできること?そんなこと、もう何もありません
そして、この間も無く発売がスタートするF-150 Lightningの登場によって、
日本市場でよく言われている、ある神話が完全終焉を迎えるという点が、我々日本市場にとって重要であり、
それが、我らが日本発の充電規格であるチャデモ規格の専売特許でもあった、V2Home機能については、
すでにアメリカ市場で採用されているCCSタイプ1という充電規格でも、実装することができるということが証明され、
今だに多くの方が、この情報をアップデートせずに、
やれ、チャデモ規格は充電出力という観点で遅れてはいるが、
その他の充電規格ではできない、V2Home機能を実装することができるので、ガラパゴス規格などというのは失礼であるのだー、
という主張というのは、
残念ながら、そのようなトンチンカンな主張こそが、
このチャデモ規格を甘やかして、充電規格レースから脱落させた、
ガラパゴス規格にさせた、最大の要因であることを自覚しなければならない、
ということなのです。
ちなみにですが、すでに欧州市場で採用されているCCSタイプ2に関しても、
フォルクスワーゲングループが、2022年中にも、自宅への電力供給をはじめとする双方向充放電機能を実装できるように、
現在発売中のID.3やID.4などというIDシリーズに対して、
無線アップデートを行えるように開発を進めている状況ですので、
すでにV2Home機能というのは、チャデモ規格の専売特許でもなんでもない、
この現実を直視せずに、甘やかしている間は、
いつまでたっても、チャデモ規格がグローバルスタンダードの充電性能を達成できる日は訪れない、
電気自動車ガラパゴスを脱出できずに、永遠と自分たちの首を絞め続けることになる、
ということですね。
Author: EVネイティブ
コメント
先日はIONIQ 5の1000kmチャレンジお疲れさまでした。
2本出し90kw充電器での充電出力(57kw)は私も非常に残念に感じ、調べてみました。
新電元工業のSDQC2F90シリーズ
https://www.shindengen.co.jp/products/eco_energy/ev_quick/sdqc2f/
特長として、CHAdeMO 1.2「ダイナミックコントロール」に対応しているものの、車両側も対応している必要があり、非対応車両をマルチアウトレット機種で充電利用した場合、最大出力電流は140Aが上限。CHAdeMO 0.9以下の車両は前記によらず125Aが上限となっているようです。
今回の検証結果、充電出力(57kw)はIONIQ 5側がCHAdeMO 0.9以下で125A上限となったならつじつまが合いますが、
ヒョンデ側からの「今後CHAdeMO方式で350kW/800Vの急速充電器が採用された場合は対応可能です」との正式回答に疑問が残ります。
IONIQ 5のCHAdeMO対応バージョンは把握されておりますでしょうか。