【トヨタ本気EVに世界が驚いた!】 トヨタが満を持して新型EV「bZ4X」のスペックを公開&注目ポイントを徹底解説

bZ4X

トヨタの新型電気自動車であるbZ4Xのスペックが正式に公開されたことを受けて、

果たして一体、トヨタの威信をかけた電気自動車が,どれほどのスペックを達成することができているのか、

電動車の王者として、競合車種たちにその質で上回ることができているのかを徹底解説します。

電動車のリーダートヨタは電気自動車で遅れている?

まず、今回のトヨタに関してですが、すでに世界最多の電動車を発売している自動車メーカーであり、

この電動化という分野においてはリーディングカンパニーであると言われているわけですが、

このトヨタ自身がよく使用している電動車という定義というのは、

いわゆる日産リーフやテスラなどの、搭載された大容量のバッテリーに充電して貯められた電力のみで走行する完全な電気自動車

および、ガソリンエンジンを搭載しながらも、外部電力を充電して走行することができるプラグインハイブリッド車とともに、

自身を始め、日本メーカーが強みとしているハイブリッド車も、その電動車という定義に含まれ、

こちらに関しては、すでにヨーロッパ、中国、そしてアメリカという列強が軒並み、

次世代電動車の定義から外し、通常のガソリン車と同列に扱ってしまったのです。

すると、トヨタが発売している電気自動車、特に完全な電気自動車というのは、

中国国内においては内燃機関車をベースに電気自動車にリプレイスしたコンプライアンスカーが2種類あるものの、

グローバルで見ると、レクサスブランドから発売されているUX300e

そして、日本市場において発売されている、超小型モビリティであるC+podしか存在していない、ということになり、

この点を取り上げて、実はトヨタの、グローバルスタンダードにおける電動化戦略で、

世界から遅れをとっているのではないかという指摘が相次いでいた、というわけなのです。

25年までにBEVを15車種も発売へ

そして、そのような背景において今年の4月に公開してきたのが、

その完全な電気自動車の販売を、今後一気に拡大していくという方針であり、

あと4年後である2025年までには、完全な電気自動車をグローバルで15車種も投入していくという大方針を発表しながら、

さらに、トヨタの電気自動車専門ブランドとしてbZシリーズを立ち上げて、

その15車種のラインナップのうち7車種が、このbZシリーズから発売されるということですので、

何れにしても、この4年間で、毎年3車種以上もの完全な電気自動車がトヨタから発売されるということは、

世界の電動化をさらに進めていくために極めて重要でありますので、

早くそのトヨタ製電気自動車が、我々日本市場においても発売されることに期待することができると思います。

そして、その電気自動車専門ブランドであるbZシリーズに関して、

そのシリーズ第一弾としてトヨタが公開してきたのが、bZ4Xと名付けられたミッドサイズ級のSUVとなっていて、

こちらのミッドサイズSUVセグメントの電気自動車というのは、

現在自動車メーカー各社がこぞってラインナップを強化している最中であり、

例えば、特に電気自動車の激戦区であるヨーロッパ市場においては、

韓国ヒョンデのIONIQ5や、同じく韓国キアのEV6がすでに納車をスタートしながら、

フォルクスワーゲンも大衆電気自動車SUVとしてID.4をラインナップし、

傘下のアウディも、ID.4と同様のプラットフォームであるMEBプラットフォームを採用したQ4 e-tron

および、同じく傘下のスコーダブランドからもENYAQの発売をスタートさせています。

さらには、フォードに関しても、往年の名車であるマスタングの電気自動車SUVバージョンであるマスタングマックEをラインナップし、非常に人気が高かったり、

そして、テスラがちょうど8月から納車をスタートさせ始めたモデルY

また、我々日本勢として日産アリアも存在しているわけですので、

このように、電気自動車マーケットの中でも、ミッドサイズ級のSUVセグメントというのは、

まさに、電気自動車マーケットのレッドオーシャンなわけであり、

まずは、このミッドサイズSUVとして、どれほどの質を達成した電気自動車を市場に投入することができるのかが、

各社の技術力を見極める一つの判断材料となっている、

故に、今回のトヨタbZ4Xについても、日本のみならず世界が注目していた、ということなのです。

そして、ついにトヨタが公式に、bZ4Xの詳細な電気自動車としてのスペックを公開してきましたので、

今回はそのトヨタの本気の電気自動車第一弾であるbZ4Xの電気自動車としての質を、

すでに本メディアにおいて推測していた予測スペックの答え合せとともに、より詳細に紐解いていきたいと思います。

バッテリー容量は一本化

まずはじめに、ラインナップに関してですが、

前輪側にモーターを搭載したFWDグレードと、

後輪側にもモーターを追加したAWDグレードの、全部で2種類のラインナップとなり、

その搭載バッテリー容量が71.4kWhということにもなりましたので、

こちらは私の予測していた、搭載バッテリー容量を2種類用意することで、

航続距離という観点で、より多くのバリエーションを用意するのではないかという予測とは異なる結果となりました。

ただし、この71.4kWhというバッテリー容量に関しては、個人的には極めてバランスのとれたバッテリー容量であると考えていて、

実際に、その他競合車種を見てみても、概ね70kWhから80kWh程度を、ロングレンジ用のバッテリーサイズとしてラインナップしているわけですので、

こちらの容量自体は問題ないと考えられますが、

一点注意しなければならないのが、このバッテリー容量の数値は、

おそらく今回の発表元である、日本市場用のスペックということから、搭載バッテリーの総量を示すグロス値である可能性が極めて高く、

したがって、実際に使用可能なバッテリー容量を示すネット値というのは、60kWh台となると考えられますので、

より詳細な数値についても、今後注目すべき点であるとは感じます。

EPA航続距離は最大400km程度?

次に、気になる満充電あたりの航続距離に関してですが、

日本市場で一般的に採用されている日本WLTCモードにおいて、

前輪駆動グレードが500km、AWDグレードが460kmというまずまずの航続距離を達成しているわけですが、

実は今回bZ4Xの発表とともに自動車関連のメディアが一斉に報道している内容には、重大な誤りが存在しているという点が非常に重要であり、

このあと比較していくアリアやモデルY、および海外勢の電気自動車で採用されている航続距離の基準というのが、

欧州で一般的に採用されている欧州のWLTCモードであるのです。

したがって、今回は詳しく解説しませんが、

結論から申し上げて、欧州市場用に発表され、日本メディアが採用しているWLTPという基準と、日本市場で採用されているWLTCという基準は明確に異なる

したがって、例えば日経のように、

日本市場における、WLTPサイクルを基にしたWLTCモードと、

欧州市場における、WLTPサイクルを基にしたWLTCモードをごっちゃにして、あたかも同じような基準のように記載、

しかも、そのタイトルが、

「EVの航続距離で日産やテスラに迫る」

なんて記載するのは、極めてトンチンカンであると言わざるを得ない、ということなのです。

From: 日本経済新聞

何れにしても今回発表されたのが、日本市場で採用されるWLTCモードという、欧州市場のWLTCモードよりも甘い基準となりますので、

北米市場用のスペックは11月中旬

そして欧州市場用のスペックは、12月2日にワールドプレミアが開催させる中において明らかとなってくるでしょうから、

その続報とともにアップデートしていきますが、

現状から推定できる予測値としては、

特に、高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルにおいて、

概ね400km程度を達成してくる公算となりそうです。

bZ4Xはパナソニック&CATL製バッテリー?

次に、充電性能に関してですが、

今回のbZ4Xは最大150kWという充電出力を許容することができるとし、

80%充電するまでにかかる時間が30分ということでもありますので、

こちらのスペックを見る限り、非常に充電性能が高いことがうかがえるわけですが、

こちらも一点注意しなければならないのが、

果たして今回の80%充電するまでという表記が、どれほどの充電残量から充電をスタートしたものなのかが明記されていませんので、

おそらく業界標準の充電残量10%程度からのスタートということにはなりそうですが、

今後の追加の情報にも、注視していく必要がありそうです。

そして、今回のbZ4Xの電気自動車としての質を担保する上で重要なのが、

電気自動車専用プラットフォームであるe-TNGAプラットフォームを採用してきたということで、

よって、例えば内燃機関車のように、センタートンネルが必要になることで生まれる後席部分の段差がなくなったり、

車内スペースの最大化を達成することによって、

ワンランク上の車内スペースを確保することができていたりなど、

やはり世界で戦える電気自動車として、現在では必須条件でもある電気自動車専用プラットフォームを採用しているのかという点では、

今回のbZ4Xはしっかりと対応することができている、ということになります。

また、今回のbZ4Xに搭載されているバッテリーセルの調達先に関してですが、

おそらくパナソニックと合弁で運営しているバッテリーサプライヤーである、

プライムプラネットエナジー&ソリューションズ、略してPPES

そして、中国のCATLの2つなのではないか、ということで、

すでに以前も解説した通り、このPPESは、完全な電気自動車用のバッテリー生産体制を拡充し、

日本の姫路工場において、完全電気自動車8万台分の生産規模に達しているということ、

および、今回のbZ4Xというのは、日本と中国の2箇所において生産されるということを勘案すると、

日本国内で生産するbZ4Xについては、PPESが生産した角形バッテリーを搭載し、

中国国内で生産される分については、現地調達という観点から、

すでにバッテリーの供給体制でパートナーシップを締結しているCATLになるのではないかと推測していますが、

こちらに関しても、さらなる情報が待たれるところであるとは思います。

10年後のバッテリー劣化率は10%以下!

また、今回のbZ4Xの特筆すべき強みとして、

何と言っても、そのバッテリー劣化率を極めて抑制することができるという点であり、

トヨタ側の主張によれば、bZ4Xを10年間使用し続けたとしても、

その10年後のバッテリー劣化率は、10%以下に抑えることができるという、極めて長寿命なバッテリーを開発することに成功しているわけであり、

したがって、bZ4Xの使用期間を10年または24万kmと設定している、

つまり、今回のbZ4Xのバッテリー保証に関しても、おそらく10年24万km保証となってくる見込みでもありますので、

こちらは競合と比較しても、間違いなく強みと言える部分ですし、

まさにトヨタの得意としている、高品質なバッテリーを体現している、ということになってきそうです。

ちなみにこの長寿命バッテリーに関しては、

トヨタとおそらくパナソニックという黄金タッグによる技術力の高さだけではなく、

トヨタの電気自動車として初採用してきた、バッテリーパック内に水冷式の管を張り巡らせることによって、

バッテリーセルの温度を常に管理することができるという、強制水冷機構を採用していることが、

そのバッテリーの寿命を最大限伸ばすことに寄与しているのではないか、ということで、

先ほど挙げた競合車種については、すべて例外なく強制水冷機構が搭載されているわけですので、

果たしてトヨタの主張する、驚異的なバッテリー劣化率の低さを本当に達成することができるのかにも、

今後数年というタイムスパンとともに注目していきたいとは思います。

輻射式ヒーターで冬場の航続距離を改善へ

また、今回のbZ4Xに関しては、効率性を重要視してきていると主張し、

特に冬場における航続距離の悪化を防ぐために、まずは、ヒートポンプを採用することによって、

暖房を使用したとしても、従来のPTCヒーターと比較して電力消費量を抑えることが可能であり、

すでに日産がリーフにおいて2013年から、

テスラは2019年に発売がスタートした、競合のモデルYから採用している技術でもあります。

さらに、そのヒートポンプに加えて、輻射式のヒーターを初採用してきたということで、

こちらの輻射ヒーターに関しては、車内空間すべてを温めるという従来のヒーターとは異なり、

空気を直接温めるのではなく、赤外線を照射し、それに当たった対象物、

つまり今回で言えばドライバーにフォーカスして温めることができるという仕組みですので、

これによって、乗員が存在していない後席など無駄に温めることがなくなり、

その分だけ、消費電力量を抑制することができるのです。

何れにしても、来シーズンの冬にも、実際にbZ4Xを使用して、

特に電気自動車懐疑論者が主張している、電気自動車で雪山に行ったら凍死するので使い物にならないだろーガー、

という主張が本当であるのか、

トヨタの電気自動車でも凍死してしまうのかを、私自身が実証実験を行っていきたいと思います。

太陽光発電で年間1800km分の電気をゲット

さらに、今回のbZ4Xには、オプション設定として、ルーフ部分にソーラーパネルを搭載することが可能であり、

仮に、青空駐車することができる場合は、

年間航続距離に換算して1800km分もの航続距離を発電することができ、

この効率に関しては、以前も解説した、トヨタがすでに発売していたプリウスPHVのソーラーパネルの発電効率である、

年間およそ1000km分という効率の、倍近い高効率を発揮するということになりました。

ただし、この航続距離を1日平均に換算すると、おおよそ5km弱

さらに、こちらの航続距離の基準は日本WLTCモードとなりますので、

最も信用に値するEPAサイクルに変換すると、1日あたり概ね4km程度

よって、今回は公開されなかったものの、プリウスPHVでも指摘していた同様の問題点として、

そのソーラーパネルのオプションを購入したとして、一体何年間でペイすることができるのかという点は、

やはり懸念点としては避けることができませんので、

このコストパフォーマンスという観点についても、今後アップデートしていきたいと思います。

加速性能が遅い以上のbZ4Xの弱点とは

また、車両性能についても補足していくと、

加速性能に関しては、パフォーマンスモデルであるAWDグレードに関しては、160kW、336ニュートンを発揮し、

時速100kmまで加速するのに7.7秒ということになりましたが、

こちらは後で比較していく、競合車種と比較しても極めて遅い、

というより、最も遅い部類に該当するわけで、

個人的には、別にAWDグレードであっても、その加速性能が悪いからといって特に問題視する必要はないという立場ですが、

一点ポイントであるのが、やはり最大出力を引き上げればあげるほど、その分効率性はトレードオフの関係になるということで、

要するに、加速性能を抑えてきているのであれば、

その電費性能は、競合よりも高効率でなければならないわけです。

しかしながら、今回のbZ4XのAWDグレードについては、

加速性能で圧倒的に優れているアリアの前輪駆動グレードとAWDグレードとの電費性能の差と、大して変わっていない、

つまり、加速性能を抑えているのにも関わらず、AWDグレードはアリアと同程度に悪化してしまっているわけですので、

この点は、ただ単にAWDグレードの加速性能が低いという点より、大きな弱点であると言えるのではないでしょうか?

ちなみに、こちらは推測とはなりますが、

より出力をアップグレードしたハイパフォーマンスAWDグレードに関しては、

bZシリーズではなく、高級車ブランドであるレクサスから兄弟車としてラインナップすることで、

うまく棲み分けてくるのではないかと、個人的には推測していますので、

アリアやモデルYを初めとする、よりハイパフォーマンスなAWDグレードが、トヨタグループから出てくることにも期待していきたいと思います。

スバルとの共同開発によって、コスパは高いかも?

また、車両サイズに関してですが、

全長4680ミリ、全幅1860ミリ、そして全高が1650ミリと、

実は想像以上に大きいサイズ感であり、

比較対象でもあるアリアよりも大きいサイズ感となり、むしろモデルYに近しいサイズ感となりそう、ということであり、

しかも全幅に関しても1860ミリと、例えば機械式の駐車場の上限である1850ミリという制限を超えてきてしまってもいますので、

このサイズ感に関しては、実は競合車種と比較検討する際に、一つの大きな判断指標となってくるのかもしれません。

そして最後に、値段設定に関してですが、

今回トヨタ側は、一切情報を公開してきませんでしたので、

最も気になる値段設定は、今後の続報待ちとなるわけですが、

特に、11月中旬から12月にかけて開催される、日本市場以外におけるワールドプレミアの際に、

その市場ごとの値段設定が明らかになってくる可能性はありますので、

果たして競合と比較してどれほどのコストパフォーマンスを達成しているのか、などに関しては、極めて注目に値すると思います。

ただし、今回のbZ4Xというのは、

同じくe-TNGAを採用した兄弟車として、スバルと共同してSolterraという電気自動車の開発も行っており、

そのワールドプレミアに関しても11月11日に行われるということであり、

つまり、bZ4Xと共同で開発することによる、開発費を抑制することができていたり、

bZ4Xとかなりの割合で、コンポーネントを共有することができているはずですので、

したがって、その規模の経済による量産効果も相まって、

もしかしたら想像以上のコストパフォーマンスを実現することができているのかもしれません。

Subaru Solterra

それでは実際に、

今回のトヨタの威信をかけた本気の電気自動車第一弾であるbZ4Xが、

日本で発売されるガチンコの競合車種である、日産のフラグシップクロスオーバーEVであるアリア、

そしてテスラのミッドサイズSUVであるモデルYと比較して、どれほどの競争力を達成することができているのか、

果たして今回のbZ4Xを、本当にオススメすることはできるのか、

2022年最も買うべき電気自動車SUVはどれであるのかを、徹底的に比較していきたいと思います。

(To be Continued…)

From: Toyota

Author: EVネイティブ

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