中国市場における電気自動車の販売台数が急上昇中でありながら、
極めて質の高い中国製EVが一挙に納車ラッシュも迎えています。
中国のEV販売台数上昇が止まらない
まず、この中国市場における、最新のデータが存在する10月度の電気自動車の販売台数、
および、どのような電気自動車が人気となっているのかを、
データとともに一挙に紹介していきたいと思いますが、
まずはじめに、電気自動車の販売台数の合計が、32万5000台以上という、
中国数千年の歴史上、9月度に迫る2番目の販売台数を記録したということで、
さらに、内燃機関車も全て含めた、新車販売全体に占める電気自動車の販売比率を示した電動化率はというと、
こちらも歴史上2番目となる16%を記録、
つまり、10月度に売れた全ての車の中で、
6台に1台はすでに電気自動車であった、
というようにイメージしていただければ、
その圧倒的な人気の高さを伺うことができると思います。
また、年単位における電気自動車の販売台数を示したグラフを見てみても、
2021年度については、まだ10ヶ月間分の販売台数しか合計されていないのにも関わらず、
すでに昨年である2020年に発売された電気自動車の累計を大幅に超えている、
おそらく、あと2ヶ月間分の販売台数を追加すると、
衝撃の2倍もの成長を達成する公算である、ということなのです。
EV先進国中国で人気の最新EV
それでは、そのような電気自動車先進国家である中国市場において、
どのような電気自動車が人気があるのかをみていきたいと思いますが、
まず、第10位にランクインしているのが、
フォルクスワーゲンが発売しているミッドサイズSUVのID.4となっていて、
こちらはすでに欧米でも発売がスタートしているわけですが、
やはり当初は、競争の激しい中国国内では、
フォルクスワーゲンなんていうLegacy Automakerの電気自動車など売れるわけはないんだー、という、
トンチンカンな揶揄も”一部の自動車メーカーの信者”から聞こえてはいましたが、
このフォルクスワーゲンについては、電気自動車を本気で売れるように、
その販売体制からシフトさせていくなど、本気でコミットしたことによって、
ようやくではありますが、並み居る強豪を押しのけて、トップ10に食い込むことに成功したわけですから、
残念ながら、そのような揶揄がトンチンカンであることが証明されてしまった、ということですね。
また、8位にランクインしてきたのが、
Great Wall MotorのORA Good Catというコンパクトハッチバックの電気自動車であり、
ちょうど発売がスタートしてからほぼ一年が経過した中において、
ようやく販売台数が伸びてきているわけで、
本メディアが2020年に行った、2021年度の販売台数ランキング予想で、第5位に食い込んでくるのではないかとし、
残念ながらトップ5とまではいかない公算ながら、
それでも、この競合の中、しかもコンパクトカーセグメントという、
中国国内でそこまで人気の高くないセグメントで、これほどの人気を獲得しているということは、
電気自動車としての質の高さ、およびデザインの質の高さによって、
それだけ、このGood Catが評価されていると言えそうです。
また、3位にはテスラモデルYがランクインし、
そして1位には、いつもの通り、超格安小型EVであるHong Guang Mini EVが鎮座しているわけですが、
それでは、そのテスラ全体の販売台数を見てみると、
なんと10月度は販売台数が激減してしまっている一方で、
中国国外に出荷した台数も含めた、Wholesaleの台数を見てみると、
歴代最高に迫る台数を記録している、
つまり10月度に関しては、中国国内の販売台数は少なかったものの、
その分我々日本市場など、海外市場に対して輸出を強化していたということになりますから、
この販売台数の落ち込みについては、特段心配する必要はない、ということですね。
テスラを超えるEV販売台数を記録する中華メーカーとは
しかしながら、このテスラを大幅に超える電気自動車の数を販売してしまった、
中国最強の自動車メーカーが存在するということで、
それが、中国のBYDとなっていて、
その販売台数というのが、81000台オーバーと、テスラのWholesale台数すらも大きく凌ぎながら、
さらに、最直近である11月度の販売台数については、なんと衝撃の91000台オーバーと、
このように、2021年に突入してから、正真正銘中国最大の電気自動車メーカーとして、
とんでもないレベルで販売台数を伸ばしていることが、お分りいただけるのではないでしょうか?
また、そのBYDとテスラに追いつこうと爆速の成長を見せている、
中国の電気自動車スタートアップなどの販売台数の動向を見ていくと、
これらは最直近の11月度の販売台数の速報値がすでに公開済みであり、
まず、直近でも紹介したXpengに関しては15000台オーバー、
NIOに関しても10000台オーバー、
さらに、先ほどのID.4をはじめとする、
フォルクスワーゲンの電気自動車専門シリーズであるID.Familyについては14000台オーバー、
また、本メディアにおいては、
充電時間10分以内、航続距離1000kmの初の達成など、その実力を度々取り上げている、
GACグループの電気自動車専門ブランドであるAionについても、14500台オーバーと、
このように、BYDやテスラなどのリーディングカンパニーに続く形で、
新興メーカーや新興ブランドが、一気に販売台数を伸ばしてきていることもお分りいただけると思います。
2022年爆売れ確定のEVは、ズバリこの2つ!
そして最後に、先ほどの人気車種ランキングトップ20にランクインしていないながらも、
おそらく今後トップ20に間違いなく食い込んでくるであろう、
ちょうど直近で発売がスタートしている、期待の新型EVの動向もみていきたいと思いますが、
まずはじめに、BYDのコンパクトハッチバックであるDolphinについては、
最直近である11月度において、なんと8809台と、
一気に販売台数を伸ばしてきていることが見て取れ、
やはり当初からの推測通り、
このDolphinは、トップ10などではなく、トップ5にすら食い込んでくるような、
記録的な販売台数を、年末年始にかけて達成してくるのかもしれません。
また、航続距離が競合車種であるテスラモデルYをも上回る、最長712kmを達成してきている、
Zeekr 001に関しても、発売開始たったの2ヶ月ですでに2012台という販売台数を記録しているわけで、
こちらのZeekr 001については、11月度の平均販売価格が33万5000元程度、
つまり日本円に換算して、600万円弱と、
中国市場においては、かなりのプレミアムセグメントの車種であるということ、
さらには、すでに今年の生産分である1万台程度は完全完売、
来年である2022年に関しても、すでに納車待ち数ヶ月状態であるということを勘案すれば、
このZeekr 001についても、生産体制が拡充した年明け以降は、トップ20を余裕で突破して、
プレミアムセグメントとしては異例の、トップ10にすらランクインしてくるのかもしれない、ということですね。
何れにしても、すでにこの通り、あらゆる自動車メーカーから、
バケモノ級の電気自動車が投入され、乱立状態であるわけで、
しかしながら、そのパイを食い合うのではなく、
電気自動車市場の急拡大とともに、本命電気自動車たちの販売台数もそれぞれ急拡大しているわけですから、
これらの中国勢の電気自動車が、中国国内を飛び出し、
我々日本市場に襲いかかってきたらと考えるだけで、夜も眠れないのは私だけでしょうか?
From: Clean Technica
Author: EVネイティブ
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