ホンダが、今後の電気自動車時代を見据えて、
より電動化技術に優れた自動車メーカーと、パートナーシップを結ぶ可能性についてを言及してきました。
ホンダは内燃機関車を捨てます
まず、今回のホンダに関してですが、
すでに今年の4月中にも、今後の電動化戦略を発表していて、
それが、2040年までにグローバルで発売する全ての車両を、完全な電気自動車、もしくは水素燃料電池車というゼロエミッションカーのみにするという大方針を示し、
さらに、中国市場専用の電気自動車専用ブランドであるe:Nシリーズを立ち上げながら、
中国市場限定の電気自動車専用プラットフォームである、e:N Architectureも開発し、
そして、新型電気自動車としてe:NP1、e:NS1という2車種の電気自動車SUVのワールドプレミアを行ってきたのです。
ちなみに、新型電気自動車であるe:NP1とe:NS1に関する詳細については、
中国市場で一般的に採用されているNEDCサイクルにおいて、満充電あたりの航続距離が500kmを超えてくる、
したがって、高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルに変換してみると、
概算値で、おおよそ400km程度というようなスペックを達成する見込みとなっていたり、
その搭載バッテリーの調達先についてが、
ホンダが2020年中に1%の株式を保有し、包括的戦略アライアンス契約を締結済みである、
中国最大のバッテリーサプライヤーのCATLであるという点から、
ある程度のバッテリー量の確保、
および、一定程度競争力のあるコスト低減を実現することができていると推測することもできそうです。
そして、ホンダに関しては中国市場で電気自動車の販売台数を、本質的に促進させていくために、販売体制の改善もアナウンスし、
まずは、中国全土1200ものディーラーにおいて、今回のe:Nシリーズの電気自動車をただラインナップするだけでなく、
そのe:Nシリーズのみを取り扱うという電気自動車専門のディーラーを、中国の主要都市ごとに立ち上げることによって、
電気自動車を理解したスタッフやメカニックが集まることで、
よりユーザーが安心して電気自動車を購入できる体制を構築、
さらに、e:Nシリーズの電気自動車を体感できるようなイベントも随時開催することで、
より幅広いユーザーに向けて、まずは電気自動車に触れる機会を提供し、
潜在的なe:Nシリーズのオーナーを増やそう、という試みも伺えると思います。
さらにダメ押しすると、
その電気自動車の量産体制についても、ホンダはさらに動きを進め、
Dongfeng、およびGACと立ち上げた合弁会社は、
それぞれ、今後の電気自動車専門ブランドである、e:Nシリーズ用の電気自動車専用の生産工場の建設をスタートし、
2024年から、そのe:Nシリーズに最適化された専用の生産工場の操業もスタートさせて、
そして、今後5年間、つまりおそらく2026年ごろまでに、
合計して10車種もの完全な電気自動車を生産していくということになりましたので、
何れにしても、この直近の半年間ほど、
つまり、今年である2021年の4月に新たにトップに就任した三部社長によって、
ホンダが極めてスピード感を持って、
完全電気自動車100%時代への対応を進めてきていたということが、おわかりいただけるのではないでしょうか?
世界の自動車メーカーは生き残りを賭けて協業を進める
そして、そのような電気自動車への移行を粛々と進めてきているホンダに関して、今回新たに明らかになってきたことというのが、
海外の自動車メディアが、ホンダのトップである三部社長に対して行なったインタビューの中において、
今後さらに電動化戦略を加速するために、新たなパートナーシップを模索している最中であるという、
自動車業界にとってみれば、ある種驚きの発言してきたということで、
というのも、すでに世界の自動車メーカーに関しては、
電動化、自動運転、コネクティッド、そしてそれらを統合するソフトウェアといったように、
あらゆる分野における開発を同時並行、かつ爆速で進めていかなければならず、
既存メーカーのトップたちであったとしても、全てを一人で開発しきることができないため、
既存メーカー同士、もしくはソフトウェアカンパニーなどとパートナーシップを提携するのが、
現在の自動車業界の流れとなっているのです。
例えば、日本、そして世界最大級のトヨタについては、オールジャパン体制という名の下に、
スズキやマツダ、スバル、そして日野などとタッグを組んで、
そのパートナーが強みを持っている部分でそれぞれ提携関係を結んでいたり、
同じく世界最大級のフォルクスワーゲングループに関しても、
電気自動車専用プラットフォームであるMEBプラットフォーム、および自動運転技術をフォードに提供し、
フォードは商用車セグメントの電気自動車のプラットフォームを、フォルクスワーゲン側に融通し合うというパートナーシップを締結、
さらにそのフォルクスワーゲングループについては、
自動運転とソフトウェアの領域で、マイクロソフトとパートナーシップを締結していたりと、
何れにしても、パートナーシップを結ぶことで、よく言えば、自社の専門分野に特化、
しかしながら、うがった見方をすれば、
特にトヨタやフォルクスワーゲンなどのトップ企業以外は、
もはや今後の完全電気自動車・完全自動運転時代において、
自分たちの力だけでは生き残ることができなくなる、ということなのです。
そして、グローバルにおいて500万台規模の販売台数を誇るホンダに関しても、
すでにアメリカ最大の自動車メーカーであるGMと、特に電動化の分野でパートナーシップを締結済みであり、
特に、GMが電気自動車の開発に経営リソースを集中させながら、
ホンダは、既存の内燃機関車技術、特にハイブリッド技術に経営リソースを集中させて、
両社の技術をお互いが享受するというような関係性でしたので、
こちらについては、
ホンダ側からしてみれば、今後確実にレガシーとなる技術を押し付けられたようにも、側から見えてしまうわけで、
その関係性に懸念を表明していたわけです。
よって、そのようなことも影響してかしないか、
ホンダについては、電動化技術に対する開発で、ただGMだけと協業関係を続けるのではなく、
さらに、そのほかのパートナーも模索中であるということであり、
特に三部社長が指摘している点というのが、
電動化技術で、ホンダ自身よりも優れた技術力を有している自動車メーカーと、
パートナーシップを締結したいということであり、
つまり、GMだけではなく、さらに電気自動車の分野において精通している自動車メーカーから、
そのノウハウを習得したいと考えている、ということなのです。
ホンダと協業するのは○○?
今回のインタビューにおいては、具体的な自動車メーカーの名前はもちろん明かされることはなかったものの、
そもそも論として、現状ホンダよりも電動化技術で大きくリードしている自動車メーカーなど、
実際問題として、特に既存の自動車メーカーの中では、指を数えるほどであると考えられるわけですし、
それとともに、それでは電気自動車スタートアップとタッグを組むのかといえば、それも考えにくい、
したがって、既存メーカーの中で、ホンダよりも優れた電動化技術を有しているどこかの自動車メーカーと、
何れにしてもパートナーシップを前向きに検討している、ということですね。
このように、今後電動化に積極的な三部社長によって、
ホンダのより詳細な電動化戦略が次々と明らかにされていくことでしょうし、
何よりも、ホンダと新たに電気自動車の開発においてパートナーシップを締結するのはどこになるのか、
仮に同じ日本の自動車メーカーという枠組みで言えば、
おそらくあの一社しか存在しない、
ということになるかとは思われますが、
何れにしても、今後のホンダの電動化戦略については、さらに注視していく必要がありそうです。
From: Automotive News, via InsideEVs
Author: EVネイティブ
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