【河野大臣の一言に自動車業界が震えた?】河野大臣が豊田会長のEV戦略に物申す!
日本自動車工業会のトップである豊田会長の、電気自動車一辺倒という考えは間違っているという主張に対して、
自民党総裁選に立候補中の河野大臣が、電動化戦略が誤ったものにならないように努力すべきだという、
その豊田会長の発言への、一定の反論を含んだような発言を行いました。
河野大臣が豊田会長に物申す?
まず、今回の河野大臣に関してですが、ワクチン担当大臣かつ規制改革担当大臣として活躍していたのですが、
直近になって自民党総裁選に立候補し、
現在様々なメディア内において、自らの政策や政治信条をアピールしている最中となっていて、
特に本メディアにおいては、その河野大臣をはじめとして、総裁候補者の環境政策、
および、それと連動してくる、電気自動車などの自動車産業に対する電動化を、どこまで積極的に推進してくるのかについて、興味深くウォッチしていました。

そして、そのような背景において今回新たに明らかになってきたことというのが、
その河野大臣が、総裁選の出馬会見の中において、
特に自動車産業の電動化に関する現状認識を、ピンポイントで共有してきたということで、
自動車メーカーの将来の成功を祈りながらも、
今後の電動化戦略が誤ったものにならないように努力するべきであるという、ある種の懸念を表明してきているということで、
そもそもこの質問とは一体どのような背景から質問しているのかというと、
実はこの総裁選のすぐ前に開催された、自動車工業会の記者会見の中において、
その自工会トップである豊田会長が、
全部電気自動車にすればいいという主張は間違っていると反論していたという背景があり、
その反論に対する見解を、河野大臣が質問されていた、ということなのです。
つまり、河野大臣の見解が、現状の自動車産業に対する一般的な見解などではなく、
豊田会長の発言に対する見解であるという認識で聞いてみると、
やはり、豊田会長率いる自動車工業会、
つまり、自動車産業全体に対して、名指しで警鐘を鳴らしているように捉えることができるのです。
EVの部品点数はガソリン車よりも圧倒的に少ない
それでは、なぜ今回河野大臣が、電気自動車に対して、より各メーカーが戦略を慎重に検討すべき、
つまり、電気自動車を中心とする電動化をさらに進めていくべきであると主張しているのかに関してですが、
実は河野大臣は政治家になる前に、トヨタなどの自動車メーカーに対して部品を下ろす自動車部品メーカーに従事していたという経歴を持ち、
その経歴から、いかに自動車、特に工業製品の中でも極めて複雑に構成されている、内燃機関車のサプライチェーンの巨大さ、
もっと言えば、その複雑さを身をもって体感しているわけなのです。

そして、電気自動車であれば、その部品点数が少なくなることによって、
内燃機関車よりも、明らかに構成をシンプルにすることができ、
したがって、シンプルな構造を有する電気自動車は、
より複雑な構造を有する内燃機関車よりも、コストが下がる可能性があるとも指摘しています。

まず、この河野大臣の指摘に関しては、極めて鋭い指摘を行なっているということで、
まさに河野大臣の説明通り、電気自動車というのは既存の内燃機関車よりも部品点数が半分程度も少ない、
特に現在日本の自動車メーカーが強力に推進しているハイブリッド車であれば、
通常の内燃エンジンに加えてさらに多くのパーツを搭載している、
つまり、より部品点数が多いので、
何れにしても、電気自動車よりも明らかに部品点数が増えてしまうわけなのです。

したがって、その搭載パーツが少なくなることによって、その自動車に関わる人も減ることにつながり、
電気自動車というのは、原理的には内燃機関車よりも安価に発売することができる、ということなのです。
バッテリーコストは大幅下落&今後もさらに安価に
そして、河野大臣の主張する電気自動車のコスト大幅低減の可能性について、さらに補足してみると、
特に現在、その車両コストが高くなってしまっている最大の要因というのが、
電気自動車のみに搭載される、大容量のリチウムイオンバッテリーのコストであり、
この大容量のリチウムイオンバッテリーは、電気自動車のコストの最も大きなウェイトを占めてもいるわけですが、
そもそも論として、すでに電気自動車に搭載されるリチウムイオンバッテリーについては、
世界初の本格量産電気自動車である日産リーフが発売された2010年付近から、
たったの10年間で、なんと10分に1程度にまで、そのコストが抑制されている、
つまり、そのバッテリーが安くなった分だけ車両コストを下げたり、
航続距離を稼ぐために、より多くのバッテリーを搭載することができるようになったのです。

さらに、すでに複数のシンクタンクなどの調査結果から、
そのバッテリーのコストは、今後もさらに下がり続けるという試算が出されてもいて、
こちらに関しては、現在世界で勃発している電気自動車戦争によって、各社が今までとは別次元のスケールで、バッテリーの大量生産をスタートしていて、
したがって、そのスケールメリットによって、
このたった10年間で10分の1程度にまで下がったバッテリーコストが、今後もさらに下がり続ける、
つまり、今後も電気自動車のコストに関しても、そのバッテリーのコスト低減によってさらに安くなることが想定できる、ということなのです。

トヨタ「バッテリーコストは大幅に低減できます」
ちなみにですが、こちらのコスト低減予測について、それは電気自動車を強力に推進している自動車メーカー、
および、そこに投資している投資家などのポジショントークであるのだー、と主張している方が散見されるのですが、
例えば、現在電気自動車のラインナップが極めて乏しく、世界の各地で電気自動車の推進に待ったをかけるロビー活動を展開している、
日本最大の自動車メーカーであるトヨタについても、
パナソニックとの合弁会社であるPPESというバッテリーメーカーのトップが、
来年である2022年にも、バッテリー原価を最大で半減、
そして、たったの4年後である2025年までには、そのバッテリー原価を最大で7割も低減すると主張しているくらいですので、
何れにしても、電気自動車に搭載されるリチウムイオンバッテリーの値段が、今後もさらに安くなっていくということは、
どの立場のメーカーやシンクタンクなどから、同様に言われていることでありますし、
そのバッテリーのコストが大きくかさんでいる電気自動車の値段も、それに応じて今後引き下げられると考えるのは、
至って自然な考え方である、ということなのです。

EVは環境政策、その認識甘すぎです
つまり、今回の一連の河野大臣の発言、
特に、電気自動車は部品点数の減少などによって、今後コストが安くなっていくという点から、いったい何が言えるのかということなのですが、
結論から申し上げて、電気自動車戦争というのは、脱炭素化などの環境面における競争は、特に本質ではなく、
そのコストの安さという経済性という観点で競争が起き始めてしまっているということであり、
いくら1メーカー、それこそ日本メーカー勢が結束して、電気自動車以外の選択肢を世界にアピールしていったところで、
世界は、よりコストの安い電気自動車を発売する方がよっぽど競争力があり、
逆に、いつまでの内燃機関車を生産していたところで、
電気自動車のコストの安さをはじめとする、トータルの優位性で内燃機関車が負けること、
そして、このビジネスチャンスを千載一遇のチャンスと捉え、異業種が次々と電気自動車市場に参戦してくるがわかっているからこそ、
世界は電気自動車へと大きく舵を切り始めていますので、
何れにしても環境問題というのは、一営利企業からすれば、それで経営方針を、
今まで利益を出すことができていた内燃機関車から、巨額の投資が求められる電気自動車への移行など、本気でするわけがなく、
つまり、電気自動車をやらないと、想像よりも早い段階で、経営状態が一気に厳しくなるという焦燥感に駆られているからこそ、
自動車メーカーの現経営陣たちが、揃って電気自動車に舵を切ってきているという、生きるか死ぬかの問題である、
ということですね。

このように、現状車両コストの高い電気自動車ではありますが、今後その価格は下がっていき、
最終的には、内燃機関車と同等、そして内燃機関車よりも安くなっていく未来すら見通すことができますので、
果たして河野大臣が言うように、
その未来を見据えて、今から電気自動車に対して積極的な姿勢を見せながら、
その部品点数が減ってしまうことによる雇用の問題を、国とともに議論していこうとする、
つまり、体に病気を抱えていたとしても、いち早く手術することによって、大きな出血を伴いながらも、命を繋ごうとするのか、
それとも、グローバルにおける競争力を失うであろう内燃機関車を発売するために、電気自動車への移行を遅らせ、
現状の雇用を死守することができても、その競争力を失った自動車メーカーごと、一気に雇用の消失へと突き進む、
つまり、進行中の病気を発見しているのにも関わらず、医者とも相談せずに、今楽に体が動くので適切な手術を行わないというような、長期的な存続を諦めるのか、
日本の基幹産業でもある自動車メーカー各社が、未来に渡って成功することを祈るばかりとなっています。
From: 河野大臣総裁選出馬演説、JAMA
Author: EVネイティブ