【2021年最高の電気自動車SUVだが、、】中国製モデルYのスペックが期待を下回ってしまった件
テスラのミッドサイズSUVであり、特に我々日本市場にも導入される予定である中国製のモデルYの、実際のオーナーによる検証が行われ、
その実用的な航続距離や充電性能がついに明らかになりました。
モデルYの実際のスペックがついに明らかに!
まず、今回の中国製のモデルYに関してですが、
今年である2021年の1月から、ようやく中国市場においても納車がスタートし、その販売台数を一気に伸ばしている最中なのですが、
その中国製のモデルYについてを、ついに海外にも輸出していくことが発表され、
元々の予定にはなかった、ヨーロッパ市場に関しても、まずは中国市場からの輸出分を納車するという方針となり、
実際にこの直近の8月中から、ヨーロッパ市場で納車がスタートしている状況となっています。
そして、今回新たに明らかになったのが、その中国製のモデルYロングレンジの、実際のオーナーによる航続距離や充電性能を検証したテスト結果となっていて、
こちらに関しては、電気自動車YouTuberのBjorn氏による、恒例の実証実験となっていますので、
果たして我々日本市場にも導入される見込みである中国製モデルYが、スペック通りの数値を達成することができているのか、
そして、競合車種と比較してどれほどのスペックを達成することができているのかを、一気に紹介していきたいと思います。
レンジテストでEPA航続距離を達成できず
まずはじめに、満充電あたりの航続距離テストですが、全部で6種類のシチュエーションをテストしていて、
まずは、18インチの格安タイヤでの時速90kmの巡行というレンジテスト、
そして時速120kmの巡行というハイスピードテストであり、
さらには、純正タイヤのの19インチを装着した場合のレンジテストとハイスピードテスト、
および、空気抵抗の最大化を図るための、ホイールキャップを装着した場合と外した場合のそれぞれを検証しています。
そして、特に我々日本市場において現実的な数値であり、
高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値する、
EPA航続距離の数値と酷似する、レンジテストの結果を見てみると、
18インチ装着の場合が473km、
さらには、純正タイヤである19インチ装着の場合が、ホイールキャップ無しで479km、
そしてホイールキャップありが493kmという結果となりましたが、
そのモデルYロングレンジのEPA航続距離が525kmですので、
そのEPAサイクルの航続距離に、やや達していないという結果となってしまいました。
しかしながら、今回の中国製モデルYについてはいくつか注意しなければならない点が存在するということで、
まずは、そのEPAサイクルの数値というのは、アメリカ市場で生産されているモデルYロングレンジの数値であり、
したがって、そもそも中国製モデルYロングレンジのEPA航続距離が525kmであるとは限らないという点、
さらに、特にテスラ車全般に言えることではあるのですが、
テスラ車のEPAサイクルの数値というのは、他社と比較しても幾分甘めに設定されているということであり、
テスラ車に関しては、ディスプレイ上の航続可能距離が0kmを示したとしても、さらに数十キロ走行を続けることができ、
完全に車両が停止するまで走り続けて、ようやくEPA航続距離に達すると説明していますので、
実際に今回の検証においても、そのディスプレイ上充電が空になってから、さらに数kwh残っている、
したがって、確かにギリギリEPA航続距離に達する可能性がある、ということなのです。
充電性能もトップクラスだけれど、、
ちなみにですが、例えばモデルYのガチンコの競合車種であり、
すでにヨーロッパ市場において大人気のミッドサイズ電気自動車SUVである、
フォードのマスタングマックE、Extended Range後輪駆動グレードのレンジテストの結果を比較してみると、
そのテスト結果は535kmと、今回のモデルYよりも長い航続距離を達成しているばかりか、
最も重要な点というのは、そのマックEのEPAサイクルにおける航続距離の数値というのは483kmであり、
したがってマックEに関しては、EPA航続距離を余裕を持って達成しているのにも関わらず、
モデルYについては、同じテスト方法でありながら達成することができていない、ということになるのです。
また、航続距離とともに、充電性能を検証するテストも行われたということで、
充電残量10%から80%まで充電するのに、いったいどれほどの時間でもって充電を完了させることができるのかというテスト内容ですが、
例えば私の所有しているモデル3スタンダードレンジ+が概ね23分という、圧倒的な充電時間を達成していたり、
それこそ今回のテストにおいて比較対象として示されている、
パナソニック製のバッテリーセルを搭載した、アメリカ製モデル3ロングレンジの充電時間が、おおよそ30分で充電を完了できているのにも関わらず、
中国製のモデルYロングレンジの充電時間は33分弱と、
同じロングレンジグレードであるのにも関わらず、その充電時間がやや遅いという結果に留まってしまっていて、
こちらに関してはおそらくですが、その充電性能という指標において、
中国製ロングレンジで採用している、韓国LGエナジーソリューション製のバッテリーよりも、
アメリカ製ロングレンジで採用している、パナソニック製のバッテリーの方が質が高いということが示唆されていると思いますので、
何れにしても、こちらは例えば競合車種である韓国のクロスオーバーEVのIONIQ5が記録している18分という時間と比較しても、
かなり遅い充電時間ということにはなってしまいました。
それでも現状最もおすすめできる電気自動車SUVの1つです
このように、今回の実際のオーナーによる検証によって、
確かに期待されていたスペック、特に私自身が期待していた、レンジテストで500km越えという結果に届いていない点は残念な部分ではありますが、
それでも競合車種と比較しても、航続距離と充電性能両方の観点で、しっかりとまとめることができている電気自動車であることには変わりなく、
したがって、やはり現在電気自動車戦争が勃発しているヨーロッパ市場においてでも、
ミッドサイズSUVセグメントとして、お勧めできる電気自動車の一台であるということには変わらない、ということですね。
何れにしても、この質の高い電気自動車であることが証明されたモデルYについての最新動向、
特に我々日本市場において、一体いつ発売がスタートするのか、
繰り返しとはなりますが、本メディアにおいては一貫して2021年の10月中の発売開始、
そしてその実際の納車スタートは、おそらく2021年末、つまり12月中のスタートとなるのではないかという推測が、現状の第一候補でもありますので、
この予測が当たるのかについても、わかり次第情報をアップデートしていきたいと思います。
From: Bjorn Nyland(Range Test)、 Bjorn Nyland(Charging Test)
Author: EVネイティブ