【リーフを超えて日本で最も売れるEVになります】日産100万円台軽EVが2022年度初頭の発売決定

Imk

日産と三菱が共同で開発中である軽自動車セグメントの電気自動車が、なんと来年である2022年度初頭にも発売されることが正式にアナウンスされ、

グレードによってはアリアの納車よりも早く納車をスタートさせるような、想像を大幅に上回る爆速のタイムラインによって、

軽セグメントの電気自動車マーケットのシェアを制圧する可能性について、その最新情報をまとめながら徹底的に解説します。

日産赤字脱出&軽EV発売決定!

まず、今回の日産と三菱についてですが、そのどちらもこの直近で、2021年度第一四半期の決算発表を行い、

特に日産に関しては、第一四半期の営業利益率が3.8%、中国市場の合弁会社も含めた連結決算においては4.5%と、完全に赤字からの脱却を果たし、

この好結果によって、2021年度の業績見通しも、純利益で600億円となる見込みと大幅な上方修正を行い、

年間を通した営業利益率も2%と、日産が昨年提示してきた中期経営戦略を計画通り達成する見通しともなりましたので、

すでに日産についてはどん底時代を脱し、急速に回復を進めているということが明らかとなった、ということですね。

From: Nissan

そして、その決算発表において、日産と三菱の両者が揃ってアナウンスしてきたことというのが、

新型電気自動車として、軽自動車セグメントの車両の、実際の発売時期となっていて、

実はすでに両メーカーは、岡山県に位置する三菱の水島製作所において、今回の軽自動車EVの生産ラインの建設をすでに進めていて、

その設備改修に80億円という規模を投じながら、その増設した新ラインによって、今回の軽EVを日産と三菱の合計で6万台生産する考えを示し、

こちらの6万台という数値というのは、国産車の月間販売台数ランキングでも20位から30位程度にランクインするような数値となる、

つまり、電気自動車としては、リーフの販売台数の5倍程度の規模感という、かなり挑戦的な目標にも感じますので、

果たしてこの日産と三菱が共同で開発した、日産初の軽自動車EVが、この年間6万台という生産台数を売り切ることができるのかに、非常に注目していきたいとは思います。

軽EVのコンセプトモデル「Imk」

そして今回アナウンスされた実際の発売時期というのが、2022年度初頭というタイムラインとなっていて、

つまり、2022年の4月以降、

初頭という表現を常識的に解釈すれば、おそらく第一四半期中にも発売されるであろうと考えられますので、

したがって、今回の軽自動車EVの正式な発売開始時期は、おそらく2022年の6月ごろとなるのではないかと推測することができるのです。

よって、あと10ヶ月ほどで、なんと軽自動車EVが発売スタートとなりますが、

今回の決算発表において、特に日産側が懸念を表明していた半導体不足の影響によって、今後の日産の業績に変化が起こるかもしれないという類の主張ですが、

この半導体の供給不足の懸念の説明の後に、軽自動車EVの発売時期のタイムラインの説明があった、

つまりおそらくですが、今回の軽自動車EVに関する発売のタイムラインというのは、

今後よっぽど深刻な供給不足問題に出くわさない限りは、現状遅れる心配は、特段なさそうな情勢なのではないかと推測できるのではないでしょうか?

搭載バッテリーは、やっぱりLFP?

また、以前も解説してはいますが、その気になる電気自動車としての質についても、

現時点において報道ベースからの情報など、わかっているスペックを一挙に紹介していくと、

まずはじめに搭載バッテリーに関してですが、

やはり軽自動車セグメントとして、全長が3.4メートル以下という制限がありますので、その分搭載バッテリー容量の制約が存在し、

おそらくどんなに多くても30kWh程度と、2010年末から発売をスタートさせていた日産リーフが、

2015年にマイナーチェンジを行なった後期世代の30kWhバージョンと同じようなサイズ感となってきそうです。

そしてこちらの搭載バッテリーに関しては、以前から私が独自に推測している、コバルトフリーのLFPバッテリーを搭載してくるのではないかということで、

実は以前、アライアンスを組んでいるルノーの電動化戦略を発表した際に、

そのルノーは、基本的にはリーフなどで採用され続けている、三元系のバッテリーセルの種類のみを採用していくと発表していて、

したがって、アライアンスを組んでいる日産に関しても、今後は基本的には現行の三元系のバッテリーセルを採用し続けるのかもしれないと、

従来のLFPバッテリーの採用の推測を変更しかけていたのですが、

直近の内田CEOに対するインタビュー、および今回の決算発表における、同じく内田CEOからの発言によって、

現在日産については、コバルトフリーのバッテリーを開発中であることが明言されていますので、

もしかしたら、今回のような車両価格がより重要となる軽サイズEVにおいて、

そのより安価なバッテリーセルであるコバルトフリーのバッテリーセルを初採用してくるのには、絶好の機会なのではないか、ということなのです。

グプタCOOと内田CEO

LFP搭載のセカンドカーEVは最強のコンビ

ちなみに、今回の軽自動車EVの主要ターゲット層というのは、

すでにファーストカーとして長距離走行が可能な車両を所有し、日常の通勤や買い物などで利用するセカンドカーとしての運用方法が想定されますので、

したがって、自宅でやそれに準ずる場所で充電することができる、いわゆる基礎充電環境を用意することができる方のみが、

基本的には今回の軽EVの購入を真剣に検討するべきであると想定できますが、

実は、もしかりにコバルトフリーのLFPバッテリーが採用された場合、その自宅充電環境がある方にとっては、より好材料となる可能性すら存在し、

というのも、こちらは私自身も所有し、LFPバッテリーを搭載しているテスラモデル3スタンダードレンジ+グレードの、特にバッテリーに関する説明なのですが、

特に注目なのが、LFPバッテリー搭載車両の場合は、

充電制限は100%を維持し、少なくとも週一回はフル充電して、100%にしておくことを推奨しています

Tesla

という点であるのです。

というのも、電気自動車にかかわらず、リチウムイオンバッテリーの特性上、満充電状態で放置しすぎてしまうと、バッテリーの劣化が早まるという特徴が存在し、

したがって、例えばみなさんが今手に持ってこの記事を見ているであろうスマートフォンについても、

基本的には満充電状態にするのではなく、80-90%程度まで充電した方が、長期的なバッテリー劣化率を抑制することが可能であり、

こちらはもちろん電気自動車に関しても全く例外ではありません。

しかしながら、今回のLFPバッテリー搭載車に関してテスラ側は、禁じ手であるはずの100%満充電状態をむしろ推奨し、

もはや可能な限り満充電状態にしておくことが、バッテリーの長持ちにつながるとさえ説明しているくらいですが、

つまりこちらのLFPバッテリーという種類というのは、その特性上、満充電状態であっても、リチウムイオンバッテリーの弱点であったバッテリーの劣化が進行することがほぼないですので、

したがって、自宅に充電環境を設置することができ、かつセカンドカーを所有する必要のある家庭、おそらく我らが大都会埼玉県なんかはその典型であると考えられますが、

何れにしても、家充電環境を整えられる方にとって、このLFPバッテリー搭載の電気自動車というのは極めて相性がいいということになりますので、

今回の日産と三菱の軽自動車EVに、もし仮にコバルトフリーバッテリー、特にLFPバッテリーが採用された場合、

まさに、コストパフォーマンス最強の電気自動車として爆誕する可能性がある、というわけなのです。

航続距離はEPA150kmで”必要十分”

次に、その航続距離に関してですが、

日本経済新聞による取材によれば、概ね200km程度という航続距離を確保できているとしていますが、

こちらは日本市場で採用されている日本WLTCモードという、ガバガバ基準による数値である可能性が極めて高く、

したがって、高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルに変換してみると、

おおよそ150kmという航続距離に留まってしまうと推測することができると思います。

しかし先ほどから説明している通り、この軽自動車EVに関してはファーストカーとしてではなく、セカンドカーとして所有することのできる層にターゲットを絞ってくることは間違いなく、

我々日本市場においては、そのセカンドカーとして、一日数十キロのみの運用を行なっている方は極めて多いですので、

まさに今回のEPAサイクルで150kmという航続距離に留まってしまったとしても、そもそも長距離を走行する場合は、

ファーストカーで運用すると割り切ってしまえば、この航続距離の数値が全く問題とならないわけなのです。

また、充電性能に関しても全く同様に、確かにファーストカーとして1日500kmを超えるような長距離を運用する場合は、

その充電性能に関しても一定程度の性能が必要ですし、

そうすると、冷却性能の向上など様々な機能を実装することによって、価格に上昇につながってしまうことが予測されるのですが、

もし仮に自宅充電中心のセカンドカーとしてであれば、

もはやバッテリーの温度管理機能も、低温時のみ起動するバッテリーヒーターのみ搭載し、アクティブに温度管理を行わないリーフと同じ温度管理機構を採用したとしても、

LFPバッテリーのバッテリー劣化率の低さも相まって、バッテリー劣化も最小限にとどめることも期待できるのです。

ちなみに、バッテリーの温度管理機構を搭載しない現行型のリーフに関しては、

17万7000km走行した後においても、今だにバッテリー劣化率は85%以上を余裕でキープしていますので、

急速充電の機会が極めて少なくなる今回の軽自動車EVであれば、このバッテリー劣化の問題も、ほぼ気にする必要がなくなることでしょうし、

この点も、すでにリーフを10年以上発売してきた日産の経験が活きてくる分野、

逆に後発の自動車メーカーとのバッテリー劣化率の比較なんかも、今後比較してみたいとは思います。

現行型リーフのバッテリー劣化率は大きく改善

価格は補助金込みで100万円台

そして今回最も気になっているであろう、その値段設定に関してですが、

こちらもすでに解説している通り、日本経済新聞の調査によれば、補助金を含めて実質200万円を切ってくる

つまり、本体価格は210万円から220万円程度となるのではないかと推測することができ、

したがって、すでに100万円台後半が一般的である、ガソリンモデルの軽自動車と比較しても、

非常に競争力のある値段設定を実現することができそうである、ということですね。

そしてこの現状までに報道されている日産と三菱が、来年である2022年の6月ごろまでに発売をスタートさせる軽自動車EVについての私の個人的見解に関してですが、

こちらはまさに今、我々日本市場において最も重要な電気自動車なのではないかと考えていて、

例えば以前のホンダの三部社長に対するインタビューにおいても、

日本の電動化の鍵は軽自動車EVが握っていると言っても過言ではないとも発言しているくらいであり、

繰り返しとはなりますが、郊外においては二台持ちは一般的であり、

さらに田舎に行けば、軽自動車バンやトラックとして、農作業などの必須アイテムと化していますので、

今回はまずは軽自動車EVという4人乗りの乗用車セグメントとはなりますが、

今後この軽自動車EVの派生形として、商用車セグメントのバンタイプの小型配送トラックであったり、

軽トラックEVなどにも派生することができるように、冗長性のあるプラットフォームをうまく作り込むことができていれば、

実は今回の日産と三菱の軽自動車EVというのは、みなさんが想像している以上に、日本市場の電動化の火付け役となる可能性すら考えられるというわけなのです。

軽EVとアリアの相乗効果に期待大

ちなみにですが、冒頭説明したように、今回の軽自動車EVについては2022年の6月ごろには発売がスタートしているものと考えられますが、

このタイムラインの場合、もはや日産が昨年である2020年の7月中にワールドプレミアを開催した、

フラグシップクロスオーバーEVであるアリアの、多くのグレードよりも早い発売開始、および納車開始ということになる公算が高まったということで、

もちろん大前提として、今回の軽自動車EVはプレミアムセグメントのアリアとは全くターゲットが違うものの、

むしろ逆に、このアリアと軽自動車EVの発売が、意図的か偶然かは差し置いても、ほぼ同じような時期となるということは、

例えばアリアの試乗目当てでディーラーに向かい、その電気自動車の面白さを体感したところで、

ファーストカーとしては、インフラの問題でまだ手を出せないが、

セカンドカーとしての軽自動車EVがもう買えるのであれば、この際電気自動車を導入してみるか、などという相乗効果を期待する可能性すら考えられますので、

このように、特に来年である2022年の中旬というのは、

世界初の本格量産電気自動車であるリーフが発売されて以降の、電気自動車の大きな盛り上がりを期待することができそうです。

アリアのB6以外のグレードは2022年夏以降の納車スタートを予定

また、日産の決算発表において、内田社長からは、今年である2021年の秋には、日産の今後の長期的な電動化戦略を発表する場を設けるとも公式にアナウンスされ、

おそらくホンダの2040年までの内燃エンジンからの決別宣言のような、何か大きなビジョンを提示してくるものと思われますが、

もしかしたらその電動化戦略の発表に合わせて、その前後で今回の軽EVのワールドプレミアを開催する可能性が、個人的には非常に濃厚なのではないかと踏んでいますので、

何れにしても、この電気自動車ガラパゴス国家である日本市場を変える切り札ともなり得る軽自動車EVの、より詳細なスペック、

そのワールドプレミアの開催時期などについても、詳細がわかり次第、爆速でアップデートしていきたいと思います。

From: Nissan

Author: EVネイティブ