【EVガラパゴスでいいと思ってる奴、聞け《Part 1》】GMがEV開発などに4兆円近い投資へ

GM

アメリカのGMが2025年までの4年間において、電気自動車を中心とする次世代技術への投資額を、なんとさらに30%も増額することが決定しました。

EVなどの次世代技術に3兆円もの投資をすでに表明

まず今回のGMに関してですが、自動車大国であるアメリカ市場における最大の自動車メーカーとなっていて、

大衆車ブランドであるシボレーであったり、高級車ブランドであるキャデラック、

さらには、中国市場において50万円以下で発売されている超格安小型電気自動車で有名となっている、Hong Guang Mini EVを製造しているSGMWにも出資し、

中国のSAICとWulingとSGMWという合弁会社を設立

現在グローバルで700万台以上もの自動車を販売している巨大企業となっているのですが、

そのGMに関しては、特に電気自動車に超積極的なバイデン政権へ政権交代することが濃厚となっていた2020年中に、その電動化への動きを急加速し、

まずは、電気自動車専用プラットフォームとなるUltium Batteryを披露し、その電気自動車としての質の飛躍的な向上を見込みながら、

最大電圧800V、最大200kWhものバッテリーを搭載可能

コンポーネントの共通化による、その量産コストの低減を図る姿勢を示し、

そして、その大統領選の決着がほぼ確定した11月中には、2025年までという4年間ちょいという短中期的なタイムラインにおいて、

電気自動車を中心として、自動運転技術などの次世代技術に対して270億ドル、日本円に換算してなんと3兆円もの大規模な投資を表明し、

そして特にGMに関しては、フルサイズピックアップトラックであったり、商用の大型トラックなどの販売割合が多い中においても、

そのGMが発売する全ての車両を2035年までに、完全な電気自動車を中心とするゼロエミッションカーにするという大方針も発表してきていたのです。

そしてその発表に続き、年間にして700万台以上という車両の大半を電気自動車にリプレイスしていくために、最も重要であるリチウムイオンバッテリーの内製化にコミットすることも表明し、

そのバッテリーを大量に生産するために、自社内においてそのバッテリー生産工場の建設に着手している最中であり、

すでに同時並行で、オハイオ州ローズタウンと、テネシー州スプリングヒルにそれぞれ、30GWh級というバッテリー生産工場を目下建設中ともなっていました。

EV開発などの投資額を30%も増額

そしてそのような電動化への爆速な動きとともに、今回新たに明らかになってきたことというのが、

そのGMがちょうど7ヶ月ほど前に発表してきていた、電動化を中心とする次世代技術への投資額をさらに積み増してきたということで、

先ほども説明したように、すでに2025年までという4年間の間に3兆円もの投資を行うことは表明されていましたが、

今回その額を合計して350億ドル、つまり日本円に換算して3兆8700億円規模の投資額にまで引き上げてきた格好であり、

たったの7ヶ月間の間で、今後4年間の電気自動車などへの投資額を1兆円近く増額してきたということは、そのGMの焦りにも似た、電動化への動くを感じることができますが、

やはりその背景にあるのが、政権交代を果たしたバイデン政権の存在であり、

すでに、電気自動車に対して1740億ドル、日本円にして20兆円に迫る超大規模な投資を表明し、

特にメーカー側にとっては、その電気自動車を中心とする次世代技術を生産する機材の導入や、工場の再整備などにかかるコストの30%分が税額控除されるという方針が、

その電動化を進める上で非常に大きいですので、この短中期的なタイムラインにおいて、その税制優遇の恩恵を最大限享受しようとする狙いがあるものとみられます。

バッテリー生産工場をさらに2つ追加で建設か

そしてさらにロイターの報道によれば、

このバイデン政権側の超強力な電動化への財政支援により、GM側が新たに2つものバッテリー生産工場の建設を計画しているのではないかと報道してきていて、

先ほども説明している通り、GMはすでに30GWhを超える規模のバッテリー生産工場を2つも同時に建設している最中ですが、

やはりその規模では今後の完全電動化時代に対応することはできませんので、

この大幅減税のタイミングで、さらにその生産体制を大幅拡充するという方針は至極当然な流れでもありますので、

From:Reuters

何れにしても、このアメリカ最大の自動車メーカーがあとたったの14年間で、

発売する全ての車両を、電気自動車を中心とするゼロエミッションカーにしてしまうという大方針を達成するために、その投資額を大幅アップしながら、

それと同時に、電気自動車を大量に量産していくために最も重要となるリチウムイオンバッテリーの内製化、

そしてその生産工場の建設にコミットしてきていることが、改めて明らかとなってきましたので、

いよいよそのGMの電気自動車専用プラットフォームであるUltium Batteryを採用した初の電気自動車であり、

今年である2021年の秋から発売がスタートする、GMC Hummer EVを皮切りに、来年である2022年の前半に発売されるCadillac LYRIQなど、

そのGM本気の電気自動車が一体どれほどアメリカ国民に受け入られるのかにも、その販売台数とともに注目していきたいと思います。(Part 2に続く)

From: GMReuters

Author: EVネイティブ