【さようなら、ガソリン車】アウディが2026年までに内燃機関車の新規販売を完全終了の衝撃
ドイツの高級車メーカーであるアウディが、2026年から新たに市場に投入するモデルを完全な電気自動車のみにするという、衝撃の決断を下したことが報道されました。
電動化に舵を切った高級車メーカー
まず、今回のアウディに関してですが、ドイツの高級車メーカーとなっていて、同じくドイツのメルセデスとBMWを合わせてドイツ御三家と称されたりしますが、

実はアウディに関しては、世界最大級の自動車グループであるフォルクスワーゲングループの傘下に所属し、
本チャンネルにおいては幾度となく取り上げてはいますが、そのフォルクスワーゲングループというのは、電気自動車に対して最も舵を切っている既存メーカーであり、
そのグループ全体の意向を受けて、この数年で今回のアウディに関しても一気に電動化に舵を切り始めているという背景となっています。

実際に、アウディは初めての電気自動車である大型SUVのe-tronを発売し、その電気自動車としての質の高さ、特にその優れた充電性能によって、
お膝元でもあるヨーロッパ市場では、同セグメントのテスラモデルXなどの並み居る強豪を抑えて、圧倒的な販売台数を達成していますし、

また、今年である2021年に入ってからは、フラグシップセダンであるe-tron GTのワールドプレミアを開催して、すでにその納車がスタートさせながら、
さらに、Q4 e-tronというミッドサイズSUVセグメントの電気自動車のワールドプレミアも開催し、しかもこのQ4 e-tronの実際の納車も秒読み段階に入っているという状況であり、
e-tron GT Q4 e-tron
しかもその上、これらの車種は全て我々日本市場でも購入することができますので、
アウディが全世界的に、電動化戦略を進めているということがお分かりいただけると思います。
新規のガソリンエンジン開発は完全終了
そして、そのような電動化の流れの中で、数ヶ月前の3月に、アウディブランドのトップであるマルクス・ドゥスマンCEOが、海外の自動車メディアに対して答えたのが、
ついにアウディが、新規のガソリンエンジンの開発を完全に終了し、今後はその経営リソースを、モーターやバッテリーなどの電動化技術に集中させていくという、
アウディの歴史の中でも、最も大胆であり、そして最も重要な大方針を発表してきていたのです。

ただし、新規のガソリンエンジンの開発を終了するとは言っても、
現在までに開発されているガソリンエンジンを搭載したガソリン車をはじめとする、内燃機関車の発売は継続するという意味でしたし、
特にドゥスマンCEOも強調していた通り、やはり電気自動車の発売において絶対に欠かせない充電インフラの構築が脆弱な、特に我々日本市場のような発展途上の国々に関しては、
その内燃機関車の発売を当面続けていくとの方針も同時に示してきましたので、
開発は終了するが、その発売に関してはまだ継続していくという認識で良いかとは思います。

しかしながら、すでにフォルクスワーゲングループ全体の大方針として示されている、
2040年までに内燃機関車の発売を完全に終了し、電気自動車を中心とするゼロエミッションカーの発売のみにするという方針に照らし合わせると、
アウディに関しても、遅くとも2040年までには、全ての車種において内燃機関車の販売を完全終了しなければなりませんし、

さらに、フォルクスワーゲングループ全体におけるヨーロッパ市場の販売については、
2030年までに70%、そしてグローバルでは50%を完全な電気自動車にするという、とてつもなく高い目標を掲げてもいますので、
おそらくですが、特にヨーロッパ市場に関しては、2040年よりもずっと早い段階でもって、内燃機関車の販売を終了するのではないかとは推測できていました。
歴史上最後の内燃機関車の発売は2026年
そして、その内燃機関エンジンの開発を終了しているアウディについて今回追加で明らかになってきたことというのが、
新規の内燃機関車の市場投入を、なんとたったの5年後である2026年にも完全終了するという報道となっていて、
まず今回アウディが定義している内燃機関車というのは、もちろん既存のガソリン車やディーゼル車はもちろんのこと、
日本メーカーが頑なに電気自動車だと言い張っているハイブリッド車も含まれていますし、
さらにその上、一定程度のバッテリーとともにガソリンエンジンも搭載し、両方を併用して走行することができる、プラグインハイブリッド車すらも、内燃機関車の定義に内包していますので、
つまり、アウディが2026年以降に新たなモデルとして市場に投入することになるのは、
例外なく全て、搭載された大容量のバッテリーに、充電して貯められた電力のみで走行する完全な電気自動車、ということになるのです。

ちなみに、アウディについてはその2026年度において、アウディの歴史上最後の内燃機関車モデルを、SUVモデルのQモデルから発売する予定となっていて、
おそらくですがフラグシップSUVのQ8となるのではないかと考えられ、
ちなみにこのアウディの内燃機関車の歴史を締めくくる、新型Q8を2026年からラインナップした後、2030年程度まで発売を続けたいという意向も示していますので、
何れにしても、たったの5年後である2026年からアウディの内燃機関車を購入したいと思ったとしても、それは全て型落ちの車種ということになる、
故に、2026年以降アウディの新型車を購入したい場合は例外なく全て完全な電気自動車を購入するしかない、ということになりそうです。
最後の内燃機関車Q8にはEVモデルも設定されそう
ちなみにですが、そのアウディ最後の内燃機関モデルとなる時期型Q8の発売とともに、Q8 e-tronと名付けられる、電気自動車バージョンのフラグシップSUVの市場投入も計画され、
こちらに関しては、同じくフォルクスワーゲングループ傘下のポルシェと共同で開発されている、PPEプラットフォームという高級車用の電気自動車専用プラットフォームを採用して開発される予定だそうで、
こちらのPPEプラットフォームに関しては、まずは2023年中にも納車がスタートするとアナウンスされている、ポルシェのエントリーモデルであるマカンの電気自動車バージョンを皮切りに、

その兄弟車になる、Q6 e-tron、さらに同じく2023年度中の導入が予定されている、A6 e-tronなど、矢継ぎ早に採用されていきますが、
Q6 e-tron Concept A6 e-tron Concept
何れにしても、最後の内燃機関車となるであろうQ8についても、もはや電気自動車とセットにして販売される、
つまり、やはり電気自動車が中心的な存在としてスポットライトが当たることにもなりそうですので、このアウディの電動化に対する本気具合を感じることができるのではないでしょうか?
アウディの内燃機関車は2026年までに買っておけ!
このように、今回のアウディに関しては、たったの5年後である2026年には、アウディの内燃機関の歴史を締めくくる最後の内燃機関車を発売し、
その後は新規の内燃機関モデルの市場投入を完全終了しますので、
もしアウディの内燃機関車をどうしても所有しておきたいという方については、その2026年付近をめどに、なるべく最新の内燃機関モデルを購入しておくことをお勧めしますし、
そして、現在の売れ筋商品でもあるA4であったり、さらにコンパクトセグメントのA3などの電気自動車バージョンの続報についても、
期待しながら注目していきたいと思います。
From: electrive , via spiegel.de
Author: EVネイティブ