【日本でも2021年納車スタート】アウディ本気のe-tron GTがテスラ越えのスペックを達成

Audi e-tron GT
e-tron GT

アウディの新型電気自動車であるe-tron GTの、実際の充電テストや航続距離テストの結果が公開され、

そのテスラをも超える脅威的な電気自動車としての質が証明されました。

カタログスペックも上々のフラグシップセダン

まず、今回のe-tron GTに関してですが、ドイツの高級電気自動車メーカーであるアウディが、今年に入ってから発表してきた新型電気自動車であり、フラグシップセダンでもあるのですが、

そのe-tron GTの電気自動車としての質を簡単におさらいすると、

まず搭載バッテリー容量が93.4kWhと大容量のバッテリー容量を搭載しながら、

その満充電あたりの航続距離については、高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルにおいて、

最大383kmと、確かに東京名古屋間を途中充電なしで走破することができるような航続距離を達成してはいるものの、

それでも競合車種であるテスラ のフラグシップセダンであるモデルSの652kmと比較してしまうと、やはりそのスペックは見劣りしてしまうと思います。

Tesla Model S

ただし、その充電性能に関しては、最大270kWという超高出力を許容することができ、80%充電するまでにかかる時間も、20分から25分以内とアナウンスされていましたので、

こちらの充電時間に関しては、2021年に発売される電気自動車としても最速クラスの実力を備えています。

プラットフォームはPorsche Taycanと共通

実際の電費性能はモデルSにも肉薄

このようにして、その圧倒的なルックスとともに電気自動車としての質も一定程度備えた今回のe-tron GTが、ついに実際の納車がスタートし始めていて、

その実際のオーナーによる、そのスペックの検証実験が行われている最中ともなっているのですが、

今回新たに明らかになってきたことというのが、その実際の検証の結果が、アウディがアナウンスしていたカタログスペックを、かなり超えてきている結果が現れているという点であり、

まず、今回の検証を行ったのが、ノルウェーに在住している電気自動車YouTuberであるBjorn氏なのですが、

彼は満充電あたりの航続距離や充電スピード、そして1000km走行するのに、充電時間も込みでどれほどの時間で走破することができるのかという、様々な検証を行っていて、

まずはじめに、その航続距離テストの結果に関してですが、

時速90kmで走行し続けた場合、なんと490kmという航続距離を達成し、

さらに時速120kmというハイスピードで走行し続けた場合でも、378kmという結果となり、

基本的に、その車種のEPAサイクルとBjorn氏の時速90kmの航続距離テストの結果がおおよそマッチするというイメージですので、

それと比較すると、EPAサイクルの航続距離である383kmと比較しても、

なんと100kmも余分に走行することができていますので、

カタログスペックよりも圧倒的に電費性能が高いということが証明されたのです。

From: Bjorn Nyland

ちなみに、同じような外気温において同様に実験されたテスラのモデルSに関しては610kmと、

確かに今回のe-tron GTよりも多いバッテリーサイズを搭載することによって、より長い610kmという航続距離を達成してはいるものの、

そのEPAサイクルの数値と比較すると、実はそのスペックの差は大した差ではないということも見て取れると思います。

EPAサイクルよりもずっといい数値を達成

充電性能は現状世界最速クラス

次に充電性能に関してですが、なんとすでに圧倒的な充電性能であるカタログスペックを、さらに更新してきているということで、

こちらはBjorn氏が、e-tron GTの他に、ポルシェタイカン、モデル3、そしてフルサイズSUVであるe-tronという、4つの充電性能に定評がある電気自動車の充電スピードを比較した検証となっていて、

From: Bjorn Nyland

結論としては、今回のe-tron GTが充電残量80%に到達した段階が、その3車種と比較しても最も早く、

そのタイムが、なんと衝撃の19分ということで、つまり80%まで充電するのになんと20分もかかっていないという結果となりましたので、

こちらは現在発売されている電気自動車の中で最も早い充電スピードを達成した電気自動車の称号を獲得したことになりますし、

個人的にはモデル3よりも早いという結果に関しては、やはりとてつもないスペックを達成していると、改めて感じることができるのではないでしょうか?

1000kmチャレンジはモデルSの持つ史上最速記録を更新!

そして極め付きは、1000kmという距離を走りきるのにどれだけの時間がかかるかを計測する1000kmチャレンジとなっていて、

こちらの検証については、もちろん充電する時間も含まれますので、最初の航続距離がどれだけ長くても、その充電スピードが遅ければ結果が出ませんし、

逆に、いくら充電性能が高かろうと、その電費性能が悪ければ同様に結果を出すことができず、

例えば私が所有するモデル3スタンダードレンジが10時間30分と好タイムであったり、

ちなみに、つい直近で発売が開始され、個人的にはその電気自動車の質について否定的な評価を下していた、

メルセデスのコンパクトSUVであるEQAが、なんと10時間20分と素晴らしいタイムを達成していますので、

カタログスペックよりも、その電気自動車としての質が洗練されていることが、この結果からもお分かりいただけるとは思います。

EQAはすでに日本でも購入できます(2021年6月現在)

そして、この1000kmチャレンジにおいて、今回のe-tron GTは、なんと驚愕の9時間35分と、

なんとBjorn氏のテスト史上ぶっちぎりで最高のタイムを記録してきたということで、以前の記録トップであった、モデルSロングレンジのタイムをなんと15分も縮めてきてもいて、

先ほど説明していたように、確かにモデルSについては、満充電あたりの航続距離についてはe-tron GTよりも長いですが、

やはり充電性能では全く及ばず、したがってこのような総合的なスペックが重要となる1000kmチャレンジにおいては、その結果で下回っている、

つまり、その電気自動車としての完成度では、やはり今回のアウディe-tron GTの方が上回っている、ということになるのです。

From: Bjorn Nyland

ちなみに、今回の検証では外気温平均が10度と、モデルSの実験時であった14度と比較しても低温下であり、さらに、途中雨が降り始めてしまったということ、

さらには、その装着タイヤが、モデルSが19インチであるのに対して、21インチとより大きなタイヤサイズであったという、明らかにバッドコンディションでありましたので、

この条件をモデルSに合わせた場合は、このタイムはさらに10分程度され、9時間半の大台を切ってくると推測することができそうです。

e-tron GTの販売台数に要注目

このように、今回の実際の検証結果から、今回のe-tron GTがアナウンスされているカタログスペックの数値よりも、圧倒的に性能が高く、

特にその電気自動車としての質に関しては、競合車種であるテスラのフラグシップセダンであるモデルSと同等、

もはやその完成度においては頭一つ抜けているのではないかとさえ結論づけることができますので、

ちょうど納車がスタートしたばかりのこのe-tron GTが、どのような販売台数を達成することができるのか、

特にモデルチェンジを果たしたモデルSとの販売台数対決の行方にも、俄然注目していきたいと思います。

From: Bjorn Nyland

Author: EVネイティブ