【S660の次期型はEV!?】ホンダが電動スポーツカーを開発している可能性

ホンダ

ホンダが今後の電気自動車ラインナップとして、Honda eのプラットフォームを流用し、

Honda Sports EV Conceptという、コンパクトなスポーツカータイプの電気自動車の発売を計画している可能性が浮上してきました。

Honda eはコンプライアンスカー

まず、今回のホンダに関してですが、日本市場においてはトヨタに次いで日産と同等レベルの販売台数、

そしてグローバルに見ても、ホンダ一社で第8位にランクインしているという、日本を代表とする自動車メーカーであるのですが、

From: MONOist

電気自動車という観点で言えば、多くの競合メーカーと比較しても出遅れている感が否めず、

昨年である2020年の夏に、ようやくホンダの、中国市場以外での初の完全な電気自動車である、コンパクトカーサイズのHonda eの納車をヨーロッパ市場と日本市場でスタートさせましたが、

こちらのHonda eに関しては、開発責任者も認めているように、

その発売の主目的は、ヨーロッパ市場における排ガス規制をクリアするためという環境対策車、いわゆるコンプライアンスカーという位置付けであり、

実際問題として、やはりそのようなコンプライアンスカーでは、特に現在質の高い電気自動車が次々と市場に投入されているヨーロッパ市場においては、その販売台数を稼ぐことができず、

発売してからというもの、各国の電気自動車の人気車種ランキングにほとんどその名前が上がらないという、

もちろんたくさん販売するような車種として開発はされていないものの、それでも今回のHonda eに関しては、

そのような電気自動車のコンプライアンスカーを開発する際の常套手段である、既存の内燃機関車のプラットフォームを流用して開発しているのではなく、

Honda eのために、一から電気自動車専用のプラットフォームを開発し、それを採用していますので、

コンプライアンスカーとしては相当の開発費が、かかっているのではないかと推測することができると思います。

From: Honda

2022年春にも新型電気自動車SUVをグローバルに投入

したがって、このHonda e のために開発された電気自動車専用プラットフォームを、今回のHonda eだけで終わらせる可能性は限りなく低いと考えられ、

特に、すでにホンダ側が正式にアナウンスしている通り、ついにホンダが特定地域だけでなく、グローバルに展開する初の電気自動車として、

直近である4月に開催された上海オートショー内にて発表され、Honda SUV e:prototypeというミッドサイズ級のSUVセグメントのコンセプトモデルをベースにした電気自動車SUVを、

来年である2022年の春に発売開始することを表明していますので、

もしかしたらこの電気自動車SUVを皮切りとする、今後の電気自動車に対して、今回のHonda eの電気自動車専用プラットフォームを採用してくる可能性が十分考えられる、というわけですね。

Honda SUV e:prototype

ホンダが電動スポーツカーを開発中?

しかしながら、今回のHonda eで新開発された電気自動車専用プラットフォームに関しては、

基本的にはAセグメントやBセグメント級という、コンパクトカーサイズに対応するのが精一杯であり、

先ほど説明したようなミッドサイズSUVなどにはおそらく対応することができないと思われますので、

それでは一体、この一から開発され、その開発費用もかなりかかっているはずである電気自動車専用プラットフォームを、

ホンダがどのような車種に使ってくるのかに注目が集まっているのですが、

それが、2017年にホンダが公開してきていた、Honda Sports EV Conceptというスポーツカータイプの車種になるのではないかという推測となっていて、

こちらは4年前に開催された東京モーターショー内にて公開され、

実はこれと同時に、Honda Urban EV Conceptというコンパクトカータイプのコンセプトモデルも発表し、それの実際のプロダクションバージョンが、Honda eということですので、

左がスポーツタイプ、右がアーバンタイプ(後のHonda eの原型)

タイムラインとしては、別にHonda Sports EV Conceptを実際のプロダクションバージョンに落とし込んで、発売すると決断していても、なんら不思議ではないのです。

ホンダ製電動スポーツカーの懸念はEVとしての質

そして、直近において、いくつかのメディアや目撃情報から、そのコンパクトなスポーツカータイプの開発車両が公道テストを行っているという情報が頻発してもいて、

よって、そのコンパクトスポーツカータイプの電気自動車がホンダから発売される、

そしてそれには、Honda eで初採用された電気自動車専用プラットフォームと同じタイプを流用してくるのではないかと推測することが可能であり、

ちなみに、そのHonda eの電気自動車専用プラットフォームに関しては、後輪側にモーターを搭載した後輪駆動モデルであり、

重量バランスも、ほぼ50対50でありながら、床下に大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載していることによって、重心点が構造上低いという強みを持っているため、

まさにスポーツカーとしては最高のパッケージングであると言えるのですが、

やはり一点気になるのが、このプラットフォームですと、おそらくですがHonda eに搭載されているバッテリーサイズである35.5kWh程度のバッテリー容量、

仮にさらに搭載バッテリー容量を増やせたとしても、おそらく40kWh程度のバッテリー容量がマックスでしょうから、

その満充電あたりの航続距離が、スポーツカーとしてはかなり物足りないスペックに留まってしまうのではないかとも推測することができるのです。

スポーツカーとしての航続距離が足りなそう

実際に、すでに発売されているHonda eの満充電あたりの航続距離に関しては、欧州で一般的に採用されている欧州WLTCモードにおいて最大220kmという距離を達成してはいますが、

こちらの欧州WLTCモードというのは、高速道路を走行するような長距離走行時には参考にならない基準であり、

したがって、特にハイスピードライディングが想定される今回のスポーツカータイプのEVについては、

高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルという基準に変換してみると、

概算値とはなりますが、おおよそ最大で196km程度にまでに留まってしまい、

仮に今回のスポーツカータイプのEVにおいて、もう少し搭載バッテリー容量を増やしたとしても、

おそらくその航続距離は、EPAサイクルにおいて200km前半程度にとどまると考えられますので、

やはりスポーツカーとして、スポーティーにワインディングを走り抜けたいという希望には、やや物足りないスペックということにはなってしまうのではないでしょうか?

Honda eはリーフと同じく熱ダレ問題を抱えている?

また、その充電性能に関しても、こちらは私がHonda eを実際に試乗して検証しましたが、

やはりホンダ側がアナウンスしている充電性能と比較すると、やや見劣りしてる感が否めず、

特に、海外の電気自動車の検証実験なども参考にすると、今回のプラットフォームには強制水冷機構と呼ばれる、バッテリーパックを常に温度管理することができる機構を搭載しているのにも関わらず、

連続して急速充電を行うと、いわゆる熱ダレ問題と言われる、その期待される充電スピードを達成することができなくなってしまっている可能性も指摘されていますので、

まさに今回のスポーツEVに期待される、スポーティーに加減速をしながら走行した後に急速充電を行ったりした場合などに、

そのような熱ダレを起こしてしまえば、現状の街乗りコンパクトカーとしての用途であるHonda eよりも、かなり使い勝手が悪くなってしまう可能性すら想定されてしまうのです。

そして、その充電性能についてを、同じようなコンパクトカーセグメントの競合車種とを比較したグラフを見てみると、

こちらは充電時間1分あたり、欧州WLTCモードを基準にどれほどの航続距離を回復させることができているのかを示したグラフですが、

From: InsideEVs

赤色で示されているHonda eに関しては、その競合車種の中でも、最も航続距離の回復が遅い車種であることが示されていますので、

何れにしても、パナソニック製のバッテリーセルを採用したことによる高い充電性能を謳っている割には、

その充電性能は、競合車種と比較して劣ってしまっているということが、浮き彫りとはなってしまっています。

S660が電気自動車になって戻ってくるのか!?

いずれにしても、今回一部メディアから上がっている、ホンダのコンパクトスポーツカータイプの電気自動車が、

Honda eで採用された電気自動車専用用プラットフォームを流用して開発中なのではないかというニュースに関して、

もし仮に、その電動スポーツカーが発売された場合、どのような電気自動車としてのスペックとなってくるのかについてを、簡単に推測してみましたが、

そのスポーツカーとしてのパッケージングについては、非常に期待することができるのと同時に、

やはり電気自動車としてのスペックについては、やや物足りないスペックに留まってしまうのではないかという結論とはなりますが、

それでも、世界を見渡してみても、今だにコンパクトサイズの電動スポーツカーはほとんど存在せず、しかしながら、非常に人気の高いセグメントでもありますので、

特にホンダに関しては、コンパクトスポーツカーであり、非常に人気のあったS660の生産を完全に終了してしまいますので、

是非ともそのS660に続く小型スポーツカーとして、今回のHonda Sports EV Conceptをベースにした電気自動車が発売されることを期待していきたいと思います。

From: Car Sensors

Author: EVネイティブ