【2023年テスラ購入ガイド】2年で3台のテスラを購入したオーナーが語る、2023年テスラをオススメできる人、オススメグレードとは

テスラ

グローバルにおける電気自動車のリーダーであるテスラを日本で購入するにあたって、この2023年時点にどのような観点を考慮するべきなのか、具体的にどのグレードがおすすめであり、逆にお勧めできないのかについてを、

特に直近で新たに判明したEV性能の詳細、およびスーパーチャージャーの拡充具合なども含めて最新情報をアップデートします。

テスラの魅力は、やっぱり「EV性能」

テスラは、2022年には全世界で130万台以上の販売台数を記録し、スバルやマツダといった中堅の日本メーカーの販売台数を大きく超えました。2023年の第一四半期には、売れ筋のモデルYがトヨタのカローラを抜いて世界で最も売れた自動車となりました。

しかし、日本の消費者にとっては、テスラという名前すらまだなじみが薄く、テスラの電気自動車に触れたことすらない方が多いと思います。

実際、2023年の第一四半期の日本国内でのテスラの販売台数は、モデルS、モデルX、モデル3、そしてモデルYの4車種合計で1500台にも達していません。これに対し、欧州最大の自動車大国であるドイツでは、同じ期間にモデルYだけで15000台、モデル3も4000台以上が売れています。

つまり、少なくともドイツについては、日本の13倍以上もテスラが売れているということです。そしてドイツは、日本と同じように自国の自動車産業が発達している国であり、それだけ海外メーカー製の自動車、しかもアメリカ製の電気自動車が売れているのは、一種の異常事態とも言えるでしょう。

しかし、いずれにせよ、世界と比較して日本はテスラが全く売れていない、非常に特殊な自動車マーケットということになります。

テスラが日本でまだ普及していないという現状にもかかわらず、私はこの2年間で3台のテスラ車を購入しました。それは、モデル3スタンダードレンジ+、モデルY RWD、そしてモデルYパフォーマンスです。

日本でテスラを購入した大きな理由の一つは、日本全国に存在するテスラ信者の存在です。私が電気自動車について情報発信を開始したとき、テスラをまだ購入していない状態で電気自動車について語ることに対して、いわゆる「テスラ信者」から否定的なコメントが寄せられました。彼らの主張によれば、テスラを所有していない者がテスラや電気自動車について語ることは許されないというものでした。

私は、そのような見解に全く賛同できませんでしたが、一方で、テスラ信者からの批判を避けるためにモデル3を購入し、さらにモデルYも購入しました。モデルYについては、当時世界で最も売れている電気自動車だったことから、それを所有していない状態で電気自動車について語ることを批判する声を事前に封じるための措置でした。

また、モデルYパフォーマンスは、北海道遠征でテスラのAWD性能を評価するために購入しました。その時点ではロングレンジAWDグレードが販売されていなかったため、パフォーマンスモデルを選択しました。

結局のところ、私がテスラ車を所有することに意味があるのは、情報発信の公平性を保つためであり、その視点から見てテスラ車を所有することは重要だと考えています。

私がテスラを所有して発見した魅力の一つは、そのソフトウェアの完成度です。多くの人がテスラの定期的な無線アップデートの恩恵を語る一方で、私はソフトウェアの基本的な部分に魅力を感じました。

特に、電気自動車を運用する上で最も問題となるのが、実際にどれほどの電力を消費するのか、そして長距離を走行する際に途中でどこで、何分充電する必要があるのか、という問題です。多くのEV、例えば日産リーフや最近発売されたトヨタbZ4Xやスバルソルテラなどは、目的地を設定しても到着時の充電残量予測すら表示されません。

しかし、テスラはその予測を表示するだけでなく、その正確性も驚くほどです。制限速度+α程度で巡航する分には、到着時の予測値がほとんど変わらないのです。

この精度の高さは、現在の外気温や巡航速度はもちろん、目的地との標高差、エアコンの設定温度、風向き、車内のUSBポートの使用状況など、さまざまな変化要因を考慮に入れています。

さらに、ロングトリップをする場合には、多くのEVでは自分で途中の充電スポットを探さなければならないのですが、テスラでは目的地を設定すると自動的に最適な充電スポットを選んでくれます。これには通り道の近くの場所、充電器のスペック、必要な充電時間を自動計算してくれるといったことが含まれます。

このような機能は、電気自動車を運用する大半の人にとって重宝されるでしょう。私自身、この消費電力の予測や最適な充電計画の提案という機能を、EVの重要な性能指標の一つと考えています。そして、これがテスラを所有する理由の一つでもあります。

まだEVを所有したことがない方は、気軽にEVを運用するためには、これらの総合的なEV性能の完成度に注目するべきだと思います。私のチャンネルでは、実際のEVを使用して、その性能を検証しています。それが、私がテスラを所有し、それを使用して情報発信を行う理由の一つなのです。

モデル3・モデルYのおすすめグレードは?

それでは、テスラの電気自動車(EV)について、購入を検討する方へのアドバイスを述べたいと思います。まず、一番大切なことは、自宅に充電設備がない場合、どのEVもおすすめできないということです。一部では、テスラのスーパーチャージャーネットワークがあるからといって、充電設備がなくても大丈夫という意見もありますが、EVの真の利点は、自宅で車を駐車している間に充電できるという日常の利便性にあります。ですので、自宅での充電環境を整えられない方には、どのEVを選んでもおすすめできません。

次に、自宅での充電環境が整備できる方について考えてみましょう。テスラのミッドサイズセダンであるモデル3については、エントリーグレードのRWDをお勧めします。なぜなら、このRWDグレードは、EPA基準で438kmの航続距離を達成し、スーパーチャージャーで30分以内に80%まで充電可能であり、そして三つのグレードの中で最も電費が良いからです。

一方、ミッドサイズSUVであるモデルYについては、2023年4月から日本でも販売がスタートしたロングレンジグレードをお勧めします。SUVという性格上、より多くの人や荷物を積み込んで、より長い距離を走ることが予想されます。そのため、長い航続距離とAWDの性能が求められます。

しかし、この点に関して注意が必要です。最近の報告では、カナダ市場で販売されるモデルYの生産地がアメリカから中国に切り替わりました。この生産地変更により、最も信頼性の高いEPA基準の走行距離に変動が見られます。

ロングレンジでもEPA500kmには届きません

RWDグレードについても詳しく触れたいと思います。EPA基準に基づいて評価した場合、19インチのタイヤを装着したモデルY RWDの航続距離は、残念ながら400kmにも達していません。更に、20インチのタイヤを装着した場合、その航続距離はなんと364kmにまで下がります。これでは、SUVとしての基本的な要求を満たせていないと考えられます。

流石に364kmでは航続距離に不満が出てくると思います

また、本チャンネルでの検証からも、SUVという性質上、特に高速走行時の電力消費が大きいという問題が浮き彫りになっています。その結果、長距離を高速道路を中心に走行する際、その航続距離の不足感が更に強調されるかもしれません。

実際、私自身がモデルY RWDを所有していて、その航続距離の足りなさを実感しています。従って、モデルY RWDについては、ロングレンジAWDが登場した今、積極的に推奨することは難しいというのが、複数のモデルYを所有したユーザーからの私見です。

スーパーチャージャーの魅力は低下している?

最後に、テスラのスーパーチャージャーネットワークの最新情報についても触れておきたいと思います。過去数年間でその設置数が大幅に増加しているのは確かですが、一方で、まだまだ普及には時間がかかると感じています。

特に、新東名自動車道沿いには、現在浜松スーパーチャージャーしか設置されておらず、その設置台数もわずか4基に過ぎません。既に週末には充電の混雑が頻発している状態です。スーパーチャージャーの最大の強みは、いつでもどのような状況でも期待通りの充電性能を発揮できる点にありますが、新東名自動車道における充電設備は現状で見る限り、この強みを活かしきれていないと考えられます。

さらに付け加えると、残念な点としてスーパーチャージャーの稼働時間を挙げることもできます。例えば、最近オープンした埼玉与野スーパーチャージャーでは、国内最大級の8基が設置されましたが、駐車場への入庫時間が朝の9時から夜の20時に制限されてしまっています。おそらく日本全国でも、ここまで充電可能時間が制限されているのは与野だけでしょう。

スーパーチャージャーの最大の強みである「ここに行けば確実に充電できる」という安心感が、この与野スーパーチャージャーでは得られません。そのため、充電のために一日の行程を変更せざるを得ない状況が生じ、スーパーチャージャーの強みが薄れてしまっていると感じます。

ともあれ、2023年以降にテスラ車を購入する場合は、自宅に充電器を設置できるかどうかが最も重要な前提となります。その条件を満たせる場合、EVの実用性という観点からテスラは日本でもトップクラスと断言できます。

その中でも、モデル3ではRWDグレード、モデルYではロングレンジを特に推奨します。一方、スーパーチャージャーについては、高速道路から出なければならないことや、24時間365日稼働する場所が少なくなってきていること、そして浜松などでの充電混雑が頻発していることなどを考えると、その魅力は相対的に落ちてきていると感じます。

さらに、高速道路上でのなんちゃって200kW級急速充電器の普及が加速している状況を考慮に入れると、スーパーチャージャーの魅力は相対的に低下しているとも言えます。

これらの最新のテスラの動向を把握した上で、テスラが売れない日本でテスラを買うか、それとも他の電気自動車を購入するか、または購入しないか、それを決めていただくのが最善だと思います。

From: Tesla

Author: EVネイティブ