日産のクロスオーバーEVであり、その予約開始が秒読み段階であるアリアの実際の走行動画が新たに公開され、
更に、アリアのチーフエンジニアなどがプレゼンターとなり、その紹介や質疑応答が可能となる特別イベントが、6月4日にも開催することが決定したという最新情報について、
日産の電気自動車としての進化にフォーカスしながら徹底的に解説します。
リーフにおける致命的な問題点
まず、今回の日産アリアに関してですが、日産が昨年である2020年の7月にワールドプレミアを開催した、新型電気自動車となっていて、
実は日産に関しては、すでに2010年の12月から世界初の本格量産電気自動車であるリーフを発売させ、現在までに、グローバルで累計して2番目に売れているという車種となり、
その電気自動車の黎明期のパイオニア的な意味としては、まさに成功を収めることができたと表現していいと思いますが、そのリーフに続く電気自動車が存在せず、
例えば、満充電あたりの航続距離が短いというような電気自動車としてのスペックは、複数回にもわたるモデルチェンジによって、
現在では、高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルという基準においても、364kmを達成し、
初代リーフに関しては、EPAサイクルにおいても117kmしか走行することができなかったことを考えると、かなりの改善を見せてはいるものの、
特にこのリーフに関して長年問題が指摘されていることというのが、バッテリーのアクティブな温度管理機構を搭載していないという点であり、
実はこの点が、現在電気自動車の購入を検討している方が、最も注視すべき電気自動車としての質であると、個人的には考えていて、
そもそも、電気自動車に搭載されているリチウムイオンバッテリーに関しては、みなさんが現在手に持ってこれを見ているであろうスマートフォンにも全く同様に搭載されていて、
例えば、まさに今私のメディアを長時間見ている方であったり、充電している方なんかですと、スマホがかなり熱くなっているかとは思いますが、
まさにこれは、搭載されているリチウムイオンバッテリーが充放電することで熱を発しているという原理であり、
この原理は電気自動車に搭載されているリチウムイオンバッテリーにも、全く同様に適用することができ、
電気自動車であれば、例えば時速100kmを超えるような高速走行時や、充電した際などに、バッテリーが発熱するのです。
そして、このバッテリーの発熱というのは様々な問題を引き起こし、例えば、真夏にスマートフォンで動画を視聴し続けたりすると、画面がブラックアウトし、
一時的にスマホを使用することができないという表示を見たことがある方もいるかもしれませんが、
リチウムイオンバッテリーについては、許容限度の温度を超えてしまうと、最悪の場合発火などのリスクがあるため、
スマホの場合で言えば、スマホ側がその温度を検知し、強制的に機能制限をかけることで、許容温度を超えないようなアルゴリズムが組まれ、
まさにこのような仕組みを、バッテリーマネージメントシステムと呼んでいるのですが、こちらは電気自動車においても全く同様であり、
その日産リーフに関しては、高速走行を何時間もぶっ通しで続けたり、特にバッテリー温度が上昇する急速充電を何回も繰り返すと、その温度の許容上限に達し、
したがってスマホと全く同様に、温度をこれ以上上昇させないように、例えば、急速充電の出力を車両側が意図的に落としたり、高速走行のスピードを制限したりと、
強制的に機能制限をかけるというバッテリーマネージメントシステムが備わっています。
しかしながら、このような、バッテリー温度が許容上限に達したら半強制的に制限をかけ、また温度が下がったら上限に達するまで温度が再上昇するというような、
いわゆるパッシブ、受身的なバッテリーマネージメントシステムというのは、そのバッテリーに想像以上の負荷を与えてしまうことにつながり、
特にリチウムイオンバッテリーの温度上昇によって問題となるのが、そのバッテリー寿命が極端に下がってしまうことであり、
例えば、6300台以上ものリーフのバッテリー劣化を集計したデータを見てみると、大体5、6年使用し続けると、納車時から、そのバッテリーが概ね20%ほど劣化してしまっていて、
つまり、その初代リーフのEPAサイクルの航続距離が117kmでしたので、5年間所有すると、満充電あたりも航続距離が、なんと93km程度にまで悪化してしまい、
したがって、この初代リーフのバッテリー劣化問題によって、特に我々日本市場における電気自動車のイメージは、バッテリーが劣化してしまうのでリセールバリューが悪かったり、
バッテリー交換に更に費用がかさむので、コスパも悪いばかりか、エコではない、というような批判が巻き起こってしまっていた、というわけなのです。
バッテリー劣化問題を解決したモデルS
しかしながら、この日産リーフのすぐ後である2012年から発売された、同じく電気自動車のパイオニアであるテスラのフラグシップセダンであるモデルSはどうなのかというと、
このモデルSに関しては、バッテリーパックの中に、液冷式の管が張り巡らされていて、
例えば高速走行時や、急速充電する際に、バッテリー温度がその許容上限に達する前に、アクティブに、バッテリー温度を最適にコントロールするという、
強制水冷機構というバッテリーマネージメントシステムが搭載されているため、リチウムイオンバッテリーの寿命を大幅に伸ばすことに成功しており、
実際問題として、そのモデルSとその後に発売された大型SUVであるモデルXのバッテリー劣化率を見てみると、
なんと25万km走行した車両であっても、そのバッテリーは91%の容量を残している、
つまり、25万km走行した後でも、バッテリー劣化率は10%以下という、先ほどの日産リーフと比較しても圧倒的にバッテリー劣化を抑制することに成功しており、
したがって、このことからも、電気自動車におけるリチウムイオンバッテリーにおいて、いかにその劣化を防ぐのかという最適な解決方法というのは、
そのバッテリーパックに強制水冷機構を採用し、その温度を適切に管理することであると、結論づけることができたのです。
2021年発売EVの多くは強制水冷採用
したがって、2021年現在に発売されている多くの電気自動車に関しては、このテスラが以前から採用している強制水冷機構を搭載していますので、
つまり、多くの電気自動車において、バッテリー劣化問題というのは特に気にする必要がなくなりつつあるという、目覚ましい進歩を遂げていることがお分かりいただけたと思います。
そして、今回フォーカスしたい、リーフに続き日産第二の電気自動車であるアリアに関しては、この強制水冷機構が搭載されていますので、
今までのリーフのように、バッテリー温度の上昇によって、そのバッテリーの劣化を大きく気にする必要性がなくなりますし、
特に長時間の高速走行や、連続して急速充電を行ったとしても、温度上昇を抑えることができ、
したがって、特に急速充電を連続して行ったとしても、リーフのような充電出力を車両側が意図的に制限するという挙動によって、充電に想定以上の時間がかかってしまうなんていうストレスがかからなくなるのです。
また、その強制水冷機構を搭載することによって、ただバッテリーの劣化を抑えるだけにとどまらず、更に多くの恩恵を受けることが可能であり、
まず最も大きいのが、急速充電の許容出力を今までとは桁違いに引き上げることが可能であり、
例えば、強制水冷機構を搭載していないリーフとを比較してみると、
そのリーフの場合、最新型のe+というモデルに関しては、最大70kW程度という最大充電出力を許容することができるのですが、
同じようなバッテリー容量を搭載したアリアに関しては、なんと倍近い、最大130kWという充電出力を許容することが可能であり、
特に急速充電というのは、バッテリーの発熱を引き起こす要因となりますので、バッテリー温度をアクティブに管理することによって、
今回のアリアのように、バッテリー温度をアクティブに管理しない車種よりも、圧倒的に早い充電スピードを期待することができるのです。
EVの大敵「冬」に対しても効果絶大
更に、冬場における充電性能に関しても同様であり、
リチウムイオンバッテリーの特性上、先ほどまで説明していた、バッテリーが高温の場合、その機能が制限されてしまうことと同様に、
バッテリー温度が極めて低い場合においても、その機能が制限されてしまい、高温時ほどではないにしても、急速充電性能が通常時と比較して悪化してしまうだけでなく、
それ以上に深刻なことが、リチウムイオンバッテリーを低音で急速充電をかけてしまうと、そのバッテリーに対する負荷が極めて高くなり、
したがって、最もバッテリー劣化を加速してしまう要因ともなりますが、
もちろんバッテリー温度を適切に管理することによって、そのような、外気温が氷点下を大きく下回る低温時であったとしても、バッテリーへの負担を最小限に留めることができますし、
更に、皆さんが持っているスマホにおいて、冬場、例えばスキー場なんかに行くと、そのバッテリーの持ちが、通常よりもかなり悪くなるという経験をされた方がいるかとは思いますが、
そもそも論として、その急速充電性能だけにか変わらず、低温時では、リチウムイオンバッテリーの働きが鈍くなりますので、電気自動車で言えば、バッテリーの消費量も増加してしまうのですが、
バッテリー温度管理機構によって、その消費量の増加を抑えることができるというメリットもありますので、
何れにしてもこのように、やはり大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載する電気自動車においては、そのバッテリー温度をアクティブに管理する、強制水冷機構の存在が極めて重要であり、
今後電気自動車の購入を真剣に検討している方に関しては、この強制水冷機構が搭載されているかどうかという点も、一つの購入の判断材料にしていただくことをお勧めします。
バッテリーへの研究によって劣化率は大幅に改善も
ちなみにですが、冒頭紹介した、強制水冷機構を搭載していないリーフのバッテリー劣化率の表において、気づいた方は非常に鋭いのですが、
そのモデルイヤーが最新になればなるほど、そのバッテリー劣化率はかなり押さえ込まれているということもまた事実であり、
特に、最新のデータである、2019年モデルのリーフの場合、そのバッテリー劣化率は、1年間で1%ほどと、初期のリーフとは比較にならないほどの劣化率の抑制の仕方であり、
こちらに関しては特に、フルモデルチェンジが行われ、私自身も所有している現行型のリーフからは、そのバッテリー劣化率が明らかに改善していて、
すでに複数のオーナーが走行距離10万km以上を走行していますが、そのバッテリー劣化率は概ね12%程度に押さえ込まれていていますので、
特に日本市場において小丹生可能な電気自動車として最も実績があり、かつ最も手頃であるリーフの購入を検討している方に関しては、
絶対に現行型のリーフの購入を検討されることをお勧めしますし、今回動画の結論とは相対することにはなるのですが、
実はバッテリーの強制水冷機構が搭載されていなかったとしても、実用的に運用することのできる電気自動車のセグメントは今後も存在すると考えていたりもしますので、
何れにしても、このバッテリー劣化率という観点において、フルモデルチェンジ後の現行型のリーフは、そこまでバッテリー劣化率を気にする必要のない電気自動車であるとも感じます。
モンテカルロのサーキットを爆走
そして、今までとは違った次元での電気自動車としての質を達成しているアリアについては、
直近において、モナコのモンテカルロにおいて実際の走行テストが行われたということで、
今回走行していたのが、エクステリアの配色がサンライズカッパーというフラグシップカラーであり、
こちらの動画を見た感想としては、正直申し上げて、そのルックスという意味においては間違いなく世界最高のデザインに仕上がっているのではないかとさえ個人的には感じていて、
これをいうと、また、お前は日産に肩入れしすぎだろと、一部のあるトンチンカンな界隈から揚げ足を取られるのですが、
もちろん個人の好みという点は大前提としても、特にその存在感は競合車種であるマスタングマックEやID.4、テスラのモデルYと比較しても圧倒的であり、
実際の走行シーンを見ても、モダンでありながらも、存在感が極まっているという点で、
今だに実際の走行シーンは見てはいないものの、日産のデザインチームには最大級の賞賛を送りたいとは感じます。
6月4日にオンライン特別限定イベント開催決定
そして、更に追加でアリアに関する最新情報として確定したことというのが、
そのアリアの特別イベントが、6月4日に開催されることが決定したということで、
まずこのイベントに関しては、オンラインで開催され、YouTube上においてもライブ配信されますので、どの方も視聴することが可能であり、
登壇者が、アリアの開発責任者である中嶋さんと、フェンシングで有名な太田選手が登壇し、
アリアの魅力とともの、おそらくですがプロダクション版のアリアの詳しい説明なども行われるのではないかと推測することができます。
また、そのYouTube上におけるライブ配信と同時に、Zoomにおいて先着限定300人が、双方向でコミュニケーションを図る機会も用意されているということで、
特に、質疑応答の時間などもセッティングされるそうでありますので、
もしもアリアに関して質問がある方などに関しては、そのZoom上での参加をお勧めしたいとは思います。
先行予約も同時スタートになるはず
そして、このアリアの特別イベントとともに、おそらく99.9%の確率でアナウンスされるのが、アリアの先行予約の案内となりそうであり、
今回の先行予約に関しては、アリアの通常モデルの予約はすることができず、Limitedという初回限定モデルのみの先行予約となりそうであり、
このLimitedに関しては、通常よりも100万円程度高額とはなりますが、
以前もアナウンスしている通り、先行予約に関しては、仮にキャンセルしたとしても、その手付金は全額バックされますので、
競合車種であるテスラのモデルYであったり、フォルクスワーゲンのID.4、ボルボのXC40 Recharge、更にはヒュンダイのIONIQ5などと迷われている方など、もし現時点でアリアの購入を少しでも検討されている方に関しては、
まずは先行予約をしてしまうことを、改めて強くお勧めしたいと思います。
From: Nissan
Author: EVネイティブ
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