【アリア納車待ちユーザー完全終了】日産が全てのEVオーナーに向けて、専用ラウンジや飲食のクーポンを配布するが、、

アリア

日産が今後の電動化戦略の一環として、電気自動車オーナーのための新たな取り組みである、

充電待ちの際に利用可能なラウンジを新設しましたが、果たしてこの取り組みが、日産の電気自動車、そして日本の電気自動車普及という目的につながるのかを解説します。

全てのEVオーナーのための新たな取り組みとは?

まず、今回の発表に関してですが、

日産が直近に発表してきた、電気自動車オーナーに対する新たな取り組みのことであり、

すでにこの発表が行われる数日前から、

ツイッター上などで、電気自動車に乗る全ての方に向けた、新しい取り組みと題して予告していたのです。

そして、本メディアを継続的にご覧になっている方はお分かりの通り、

こちらの日産に関しては、いよいよ今月である2月中から、フラグシップクロスオーバーEVであるアリアの納車が迫っている状況であり、

その一方で、日産が2020年7月15日に開催した、そのアリアのワールドプレミアの際に、

2021年度末までに、大容量バッテリーを搭載している日産アリアを、より利便性高く運用することができるように、

日産アリアの最大充電許容出力である130kWを最大限発揮することが可能な、

150kW級の急速充電器を全国の公共性の高いエリアの設置できるように、パートナーと調整しているという趣旨のアナウンスを行なっていたわけであり、

しかしながら、その150kW級の公共の急速充電器が、いまだに全国に一台も存在していないという、

ある種のカオスな現状であったのです。

そしていよいよ、そのタイムリミットでもある、2021年度末、

つまり、2022年の3月が間近に迫ってきているという背景があり、

その上で、ついに日産から電気自動車オーナーに対する新たな取り組み、

しかも、電気自動車に乗る全ての方、ということからも、

まさに当初から予告されていた、

150kW級の公共性が担保された急速充電器の設置が、ついにスタートするのではないかという推測が成り立つわけであり、

したがって、今回の発表において、150kW級の急速充電器の設置がアナウンスされるのか、

その150kW級の急速充電器は、いったいどのような場所に配備が進められようとしているのか、

さらには、全てのEVオーナーとは言っても、ビジネスであるわけですので、

日産の電気自動車を所有しているオーナーには、どのような優遇措置を付与してくるのか、

特に、納車間近の日産アリアの購入をさらに推し進めるためにも、

その150kW級の急速充電器を、他社EVよりも割安に利用できるなどの、新たな充電料金体系などを発表してくるのか、

これらの点に、非常に期待することができていたのです。

EVオーナー専用のラウンジ&クーポン

それでは実際に、今回日産が発表してきた新たな取り組みの内容についてを一挙に紹介していきたいわけですが、

それがGREEN PASSと名付けられた取り組み内容であり、大きく2種類が存在し、

まず一つ目が、GREEN LOUNGEという、電気自動車オーナー専用の限定ラウンジを設置してきたということであり、

この電気自動車オーナーしか利用することのできない専用ラウンジというのは、

海老名サービスエリアの下りの、特に3つの充電器が設置されているすぐ近くに設置されているようで、

つまりこちらは、電気自動車を充電している間に、

休憩を取るためのラウンジである、というコンセプトとなるわけですが、

それとともに、現在電気自動車を所有している方で、その電気自動車のアプリなどを見せることができれば、ラウンジを利用することができる、

つまり、海老名サービスエリアにガソリン車で立ち寄ったとしても、

電気自動車を所有している方であれば利用できるということになりそうですから、

休息を取るためのラウンジというコンセプトよりかは、

ただ単純に、EVオーナーに対する価値提供という側面が強そうです。

From: Nissan

ちなみに、こちらの専用ラウンジにおいては、ダンボールやリサイクル可能素材で作られたイスが用意され、

スマートフォンをワイヤレス充電できる機能を備えながら、

何と言っても最大の目玉である、

ハンバーガーとドリンクが、無料で提供されるというインセンティブが存在し、

そのハンバーガーに関しては、気候変動の影響で生産量の減少が危惧されている素材を使用しながら、

ミシュランの1つ星を獲得しているシェフが監修して開発されたそうですので、

電気自動車オーナーの方は、一度足を運んで日産製新型ハンバーガーを食してみるのがいいのかもしれません。

また、もう一つのGREEN COUPONという取り組みについてですが、

こちらはその名の通り、東名と圏央道に位置する、合計して5つのSA/PAにおいて、電気自動車の車両連携アプリなどを提示すると、

その対象店舗において、一定の割引であったりなどの優遇を受けることができるという点であり、

特に優遇サービス対象店舗の多い海老名サービスエリアの下り線については、合計して12もの店舗が対象であり、

一定程度のお買い上げで、何かのサービスが付与されるということが多いですので、

ユーザーだけではなく、電気自動車オーナーが店舗にお金を落とすような、

ウィンウィンとなるようなサービスを目指そうというコンセプトであることは、推測することができそうです。

このように、GREEN PASSと呼ばれる、電気自動車オーナー向けのサービスというのは、

ラウンジとクーポンという2種類の限定サービスで構成され、

なおかつ、日産の電気自動車オーナーだけではなく、

全ての電気自動車オーナーに対して、等しくサービスを提供するということになりますので、

電気自動車オーナーについては、様々な意見をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、

この電気自動車オーナー向けのサービスを一度使ってみるのがいいとは感じます。

150kW級急速充電器はどうなった?

それでは、このGREEN PASSという取り組みはさておいて、

果たして我々が最も期待している、全ての電気自動車オーナーが期待している、

150kW級の急速充電器の設置計画などの、より詳細な情報についてを解説していきたかったわけですので、

日産のホームページやプレスリリースを、舐め回すように確認してみたものの、

なぜか私には、その150kW級の急速充電器に関する続報が、どうしても発見することができなかったのです。

つまりどういうことなのかといえば、

事前に日産がアナウンスしていた、全ての電気自動車オーナーに対する新たな取り組みというのは、

何も150kW級という、日産アリアをはじめとする、日産が今後発売していく新型電気自動車の充電性能を最大限発揮することができる、

そして何よりも、2022年に電気自動車オーナーが最も待望しているアナウンスは、何もしてこなかった、

ということなのです。

それでは、今回の日産の電気自動車に対する新たな取り組みについて、

果たして本メディアがどのような印象を抱いたのかに関してを詳しく解説していきたいわけですが、

まず結論から申し上げて、

今後電気自動車という観点で、日産に期待することはなくなった

ということであり、

まず、急速充電インフラ拡充に対する意見ではなく、

そもそものGREEN PASSに対して指摘したい点もいくつか存在すると思います。

日産アリアの「プレミアムさ」をどう保証するのか

まずは、なぜ日産の電気自動車オーナーだけではなく、

全ての電気自動車オーナーに対してラウンジ、およびクーポンを適用することになったのかという点であり、

確かに今回のGREEN PASSのコンセプトというのは、

いいじゃんEVオーナー、というハッシュタグに現れている通り、

まだ発展途上なEVを今所有している方に対する感謝的な意味合いも含まれているわけですし、

さらには、今回設置が進められているロケーションが高速道路上という、

公共性が担保されなければならない施設な訳ですから、

日産という特定企業の電気自動車オーナーのみに限定することは難しかったわけでもありそうですし、

何と言っても、実情としては、サステナブルという観点で活動を行なっていますよ、というような、

ある種のイメージ戦略の一環という側面が最も強いわけでしょうから、

別に全てのEVオーナーに解放する姿勢は当然なものの、

特に発売間近のアリアというのは、日産自らがプレミアムな電気自動車であると公言しているわけであり、

それであれば、今回の取り組みとは別に、

やはり充電時間などを、よりプレミアムに過ごせるような、

日産独自の、EVオーナー専用のラウンジなどを設置していくべきなのではないか、

この点を忘れてもらっては困る、

ということなのです。

所詮は日産のイメージアップ戦略?

次に指摘したい点というのが、

特に専用ラウンジの開設期間があまりにも短すぎるやしないかという点であり、

というのも、ハンバーガーが無償提供される専用ラウンジに関しては、

2月の17日から3月の16日までという、わずか一ヶ月という期間限定のラウンジであるわけで、

しかもその上、この施設は24時間利用することができるわけではなく、

朝の10時から18時までしか利用することができない、

つまり、日産製の新型ハンバーガに関しては、このビジネスアワー以外では食べることができない、

もっと言ってしまえば、別に無料の新型ハンバーガーを食べるわけでもなく、

すぐ横の急速充電器で充電を行なっている電気自動車オーナーは、その専用ラウンジで休憩することもできない、

こちらは本メディアが一貫して主張している、

いつどのような時間に訪れても、充電器を使用できるという安心感、という概念と全く同様に、

専用ラウンジで休憩したいと思っても休憩することができない可能性がある、

まさにこの点からも、日産がEVオーナーのためを考えて設置したというよりかは、何か別の目的、

つまりは、企業のイメージアップを狙ったイメージ戦略であるとしか考えられない、ということなのです。

さらにだめ押しすると、

このような専用ラウンジを、本当に電気自動車オーナーが利用したいのかという、そもそも論すら存在すると考えていて、

というのも、今回の海老名サービスエリアの下り線というのは、

まさに日本でも屈指の集客力を誇る巨大サービスエリアなわけであり、

もちろん本メディア自身についても、1000kmチャレンジの際には必ず利用しているサービスエリアであるわけですが、

果たしてそのような様々な飲食施設などが集結している、サービスエリアの本体施設に行かずに、わざわざ専用ラウンジを利用するという、

その専用ラウンジに、本体施設を超えるほどの魅力があるのかといえば、それは厳しいとしか感じられない、

つまり、電気自動車オーナーが、日本市場におけるサービスエリアに専用ラウンジを求めているのかといえば、

やはりそれよりも、本メディアが開設当初から訴えている、

150kW級の急速充電器の拡充の方が、よっぽどニーズがあるのは間違いない

したがってこの点からも、EVオーナーのための取り組みと言いながら、

日産のイメージ戦略というマスターベーションに使われているだけ、

と感じてしまうのです。

From: 日本テレビ

全てのEVオーナーのためのサービス?

ちなみに、今回のEVオーナー専用ラウンジは、海老名サービスエリアの下り線のみですが、

確かに専用クーポンについては、期間が明示されていない、

つまりは、特段アナウンスがない限り、当面は使用し続けることができるものと推測することができますし、

さらにクーポンの対象は、東名と圏央道の、上下線合わせて、全部で5つのSA/PAということですので、

確かに、対象範囲を広げるという、より全てのEVオーナーのためという理念にマッチしているかのように感じます。

しかしながら、今回の対象SA/PAのマップを俯瞰してみると、

このように、神奈川県と静岡県の一部のエリアに限ってサービスを展開している、

もちろん日産というのは、横浜に本社を構えていたり、厚木に研究開発センターがあるなど、

何れにしても、彼らのビジネスの本拠地が近いところのみでサービスを提供しているのが実情であり、

さらに今回はNEXCO中日本とタッグを組んでサービスを展開していることもアナウンスされていますので、

まあしょうがないと感じる一方で、

それではなぜ、今回日産はすべてのEVオーナーのためのサービスなどという宣伝文句を使っているのか

流石にこの営業時間や対象期間の短さ、

そして何と言っても、ごく限られたエリアにおける活動ということを加味すると、

それは誇張しすぎとしか言いようがない、

この誇大表現を使用しながら、

自分たちの企業イメージアップのマスターベーションを行なっているとイメージしていただくと、

やはり首をかしげることしかできない、

少なくとも、電気自動車オーナーファーストと呼べるような活動ではない

と感じてしまったのは、私だけでしょうか?

インセンティブではEVを購入する動機には繋がらない

そして最後に、今回の取り組みについて最も納得できない部分であると考えているのが、

まさに日産製、新型ハンバーガーの是非であり、

特に私個人が問題視しているのが、

なぜこのハンバーガーを、無料で提供しようとするのかという、その姿勢が最も問題であると考えていて、

というのも、日産という企業というのは、世界初唱える本格量産電気自動車であるリーフを発売した際に、

無料とまではいかないものの、月額1000円で、日産ディーラーの急速充電器を無制限に使用できる、

ゼロエミッションサポートプログラム、通称ZESPを立ち上げながら、

そのあとに、月額2000円となるものの、全国の公共の急速充電器を無制限に利用できるZESP2を展開するなど、

電気自動車を購入してもらうために、破格のインセンティブを付与するというサービスを提供していたという過去があり、

実際問題として、私自身が所有している日産リーフに関しては、現在もZESP2のプログラムに参画していたりします。

つまり何がいいたいのかというと、

すでにZESP2という、ある種の出血大サービスプログラムというのは、

2019年末の、突如としたプログラム継続終了とともに限界を迎えていたことは明白であるわけで、

したがって、どちらかに大きな負担を強いるような歪な関係性では、いつまでたっても継続性が担保されないばかりか、

実際にZESP2という充電し放題プランを持ってしても、そのリーフの販売台数は増えていない、

要するに、今回の日産製、絶滅危惧食材ハンバーガーを無料で提供することによって、電気自動車を購入してよかった、

もしくは、このような取り組みを見て、今後電気自動車を購入してみたいと思えるような、

まさに今回日産が提唱しているハッシュタグの言葉である、

いいじゃんEVオーナー、というような感情に至るのかといえば、

少なくとも私個人としては、絶対にそんなことは思わないでしょうし、

この取り組みを、電気自動車の購入を検討している友達や知り合いに伝えたいかといえば、

絶対に伝えることはない

むしろこんな無料サービスを伝えたところで、

電気自動車を所有すれば、充電に時間はかかるけれど、無料ではハンバーガを食べられるようになるんだ、

EVの所有=やせ我慢のように捉えられてしまうことから、

まずこの日産の取り組みを広げるようなことはしないと思います。

日産アリア、キャンセルしました

そして、今回の一件から、本メディアが日産、そして電気自動車のマーケティングに関わる全ての方に伝えたいことというのは、

電気自動車は我慢を強いるものであるというマーケティング手法からは卒業しなければならないということであり、

例えば今回の日産の取り組みを例に挙げれば、

すぐ横にある、90kW級急速充電器が一台、40kW級急速充電器が2台という、

それこそ日産アリアの充電性能を全く発揮することができない充電器で充電しなければならないが、

その間は、無料で提供してくれるハンバーガーなどというインセンティブがあるので、

まあ、充電には時間がかかるが、無料なので我慢するか、

などという悪かろう・安かろうというマインドは、

新たなビジネスを進める上で、絶対にうまくいくことはあり得ません。

要するに、電気自動車オーナーに対して真に必要なサービスというのは、

今後発売されていく、より高性能な急速充電性能をしっかりと担保することのできる、高性能な急速充電器をしっかりと整備する、

しかしながら、より高性能な急速充電器ということから、これまでの急速充電料金体系、

特に30分で1650円などという、安すぎる料金体系は終了して、

従量課金制度を含めて、基本的には倍程度の料金設定を行うことによって、

設置者とユーザーがウィンウィンとなるような、安かろう悪かろうとは正反対の、

優れたUXを提供してくれるサービスに対して、しっかりと料金を支払うというマインドを醸成させる必要性がある、

ということなのです。

From: e-Mobility Power

このようにして、今回日産が新たな取り組みとして発表してきた、

全ての電気自動車オーナーに対する、専用ラウンジの開放、およびその中での無料のハンバーガーの提供であったり、

専用クーポンの発行などという、インセンティブを発表してきたわけですが、

残念ながら、インセンティブによって、既存の電気自動車オーナーの満足度を向上させたり、

ましてや、電気自動車オーナーの輪を広げることなど絶対にできないと思いますし、

何よりも、日産自身が過去に同様の取り組みを行って、実際に失敗したわけでもあり、

そして何と言っても、現在電気自動車オーナー、特に日産アリアオーナーが真に求めているサービスというのは、

無料ハンバーガーなどでもなんでもなく、

より高性能な急速充電器設置の続報であることは明白であり、

この程度のことも理解することができていない、

しかもそれが、電気自動車のパイオニアでもある日産ということに、

個人的にはショックしかない、と感じることしかできません。

何れにしても、日産の電気自動車オーナー、

特に本メディアを含めた、日産アリアを予約しているオーナーに正面から向き合って商売をしているとは、みじんも感じることができませんので、

残念ですが本メディアは今回をもって、日産アリアの予約を正式にキャンセルし、

今後日産から誠意のある取り組みが見られない限り、

日産アリアをはじめとする、今後の日産の電気自動車を購入することはない、

ここで、断言させていただきます。

From: Nissan

Author: EVネイティブ