韓国ヒョンデのIONIQ5に関して、欧州市場において航続距離の大幅アップをはじめとして、
大きなアップデートが行われることが正式にアナウンスされました。
日本発売決定のIONIQ5が早くも大型モデルチェンジへ!
まず、今回のIONIQ5についてですが、
韓国最大の自動車メーカーであるヒュンでグループが発売中の、クロスオーバーセグメントの電気自動車であり、
すでに欧州と北米市場においては発売がスタートしていたわけですが、
直近も詳しく解説している通り、
ついに我々日本市場においても、再上陸することを決定しながら、
特に完全電気自動車などの次世代環境車のみにフォーカスして展開していくことを表明して、
実際に、すでに欧米で発売中のIONIQ5を、7月中にも納車をスタートすることができるように準備を進めていることも明らかとなった、
というニュースがありました。
そして、特に日本メーカーの発売する電気自動車として、2022年最も質の高い電気自動車の1台でもある、
日産のフラグシップクロスオーバーEVであるアリアとを比較しながら、
その電気自動車としてのスペックをはじめとして、
さらには、実際に日本市場で発売する際に、どれほど装備が充実しているのかという標準装備の内容の差、
そしてそれらを全て含めた、総合的なコストパフォーマンスの差を比較検討してみると、
そのほとんど全ての項目において、日本勢の日産アリアが、韓国勢のIONIQ5の後塵を拝してしまっているということが、
図らずも浮き彫りとなってしまっているということを解説し、
2022年に購入するべき電気自動車としても、
IONIQ5の方が競争力があるのではないかと結論づけていた、
という背景があったのです。
そして、そのような背景において今回新たに明らかになってきたことというのが、
そのIONIQ5のスペックが、さらに向上するという驚きのアップデート内容が公開されてしまったということであり、
それが、ヨーロッパ市場において、この春以降から受注を受け付ける予定の、いわゆる2023年モデルについて、
特に電気自動車としての質において重要な、満充電あたりの航続距離という指標であったり、
充電性能を最大化する、バッテリーのプレコンディショニング機能など、
スペックの改善を図ってきていますので、
まずは、この2023年モデルのIONIQ5のスペック向上の内容についてを、一挙に紹介していきたいと思います。
航続距離でも日産アリア越えが確定します
まずはじめに、電気自動車としての質で最も重要な指標の一つでもある、満充電あたりの航続距離についてですが、
そもそもの搭載バッテリー容量を増やしてきているということであり、
それが、ロングレンジバッテリーである72.6kWhというバッテリー容量からさらに増やした、
77.4kWhというバッテリー容量に変更してきたということなり、
したがって、その分航続距離も向上する格好となるのです。
実は、さらに容量を増やした77.4kWhバージョンというのは、
すでに北米市場においては最初からラインナップされているという点が重要であり、
よく多くのメディアで、北米市場向けに公開されているEPAサイクルを基準とした航続距離の数値を、
我々日本市場向けのIONIQ5のスペックにも当てはめて紹介している記事が散見されているわけですが、
実はそれは大きな間違いであり、
つまり、北米市場で発売されているIONIQ5については、すでに77.4kWhのバッテリーを搭載しているモデルであり、
一方で、我々日本市場で発売する予定のIONIQ5というのは、
欧州市場向けのグレードと全く同様の、72.6kWhのバッテリーサイズであるわけですので、
北米市場向けのEPAサイクルの数値を適用するべきではありません。
したがって、本メディアで紹介していたIONIQ5のEPA航続距離については、
北米市場で発表されているEPA航続距離の数値をそのまま適用するなどということはせずに、
IONIQ5のEPAサイクルにおける電費性能と、バッテリー容量が少し少なくなっている分を考慮に入れて計算し、
よって、日本市場向けの72.6kWhバッテリー搭載車両のEPA推定値を、最大で457km程度になるのではないかと推測して、
推定値を示す※を併記していた、ということですね。
それでは、今回のバッテリー容量の増量によって、具体的にどの程度航続距離が向上するのかに関してですが、
ようやくEPAサイクルの数値をそのまま適用することが可能となったわけで、
すると、77.4kWhバッテリーを搭載したロングレンジ後輪駆動グレードに関しては、
高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルにおいてでも、
488kmという航続距離を達成することが可能となり、
すると、満充電あたりの航続距離という指標においても、
競合する日産アリアの、最長483kmというスペックすらも超えてしまうことになるわけですから、
ただでさえ電費性能という点で優位に立つIONIQ5が、航続距離についても優位性を得てしまう、
ということなのです。
ちなみにですが、その欧州市場、および北米市場に関しては、
IONIQ5の充電性能というのは、日産アリアを遥かに凌駕しているわけであり、
その最大充電許容出力が、230kWオーバーを達成し、
充電残量80%まで回復するのにかかる時間も、驚愕の18分ということで、
対する日産アリアに関しては、80%充電するまでに35分から40分程度という時間がかかってしまうわけでもありますから、
それこそ500kmを大きく超えるようなロングトリップであったり、
本メディアが北海道遠征において実証したような、
満充電あたりの航続距離が、最も信用に値するEPAサイクルの数値よりも悪化してしまう、寒冷地帯の冬場などの状況では、
やはり充電性能の高さがより重要性を増すわけであり、
したがってこのような観点からも、
韓国製のIONIQ5の電気自動車としての完成度が上である、ということですね。
バッテリープレコンディショニングで”真の意味で”充電性能最強EVへ
次に注目したい、2023年モデルにおける改良点についてですが、
その圧倒的な充電性能にも直結してくる改良点となっていて、
それが、バッテリーのプレコンディショニング機能であるということであり、
というのも、こちらも北海道遠征における一連の動画において、連日解説していたことではありますが、
実際の充電性能というのは、その搭載バッテリーの温度によって大きく左右されてしまうという点であり、
したがって、実際に遠征の際に使用したテスラモデル3については、
公共の急速充電器ではバッテリー温度を充電器に到着する前に事前に温めておくという、
プレコンディショニング機能を使用することができなかったために、
充電にかかる時間が、とてつもなくかかってしまったという弱点が露呈してしまったのです。
そして、今回のIONIQ5に関しても、氷点下を大きく下回る状況で一晩放置し、
翌朝、すぐ近くの急速充電器で充電を行うなどの場合、
その充電出力が、最大230kW以上を発揮することができるはずなものの、
実際には、60kW台に留まってしまっていたという検証が報告されているわけで、
したがって、テスラ専用の急速充電器であるスーパーチャージャーに目的地をセッティングしておくと、
自動でプレコンディショニング機能が作動するテスラ車であったり、
それ以外にも、プレコンディショニング機能を搭載済みである、
アウディのe-tron GTであったりポルシェタイカン、およびメルセデスのEQSなどのように、
今回のIONIQ5についても、その世界最高性能を達成している充電性能を、どのような環境下においても発揮することができるように、
しっかりとプレコンディショニング機能を導入してきた格好となった、ということなのです。
ただし、こちらのプレコンディショニング機能というのは、
ソフトウェアの無線アップデートによって、2022年モデル以前の車両にも導入することは、理論的には可能であるわけですから、
果たして、ヒョンデ側が、このバッテリーのプレコンディショニング機能を、
すでに発売済みの車両も導入することができるのかは、今後の続報に注視する必要があると思います。
日本市場向けのIONIQ5もモデルチェンジが行われそう
したがって、この春から欧州市場で受注をスタートする2023年モデルのIONIQ5の改良を、
我々日本市場についても導入するのではないかという推測が成り立つわけであり、
特に現在IONIQ5というのは、欧州と北米、そしてお膝元である韓国国内でしか発売されていないわけであり、
特にその欧米市場については、すでに77.4kWhバッテリーにアップデートされてしまった、
よって、おそらく遅かれ早かれ、韓国国内、および我々日本市場についても、
最新の77.4kWhバッテリータイプのIONIQ5が導入されることになるのではないか、
つまり何が言いたいのかといえば、
この7月から納車がスタートする、IONIQ5の納車第一号になりたいという方は別として、
IONIQ5の購入を検討している方は、特に焦って購入を決断するというよりも、
今回のアップデート内容の続報を注視してみてもいいのではないか、ということなのです。
何れにしても、IONIQ5の購入を真剣に検討している本メディアについても独自に、
ヒョンデジャパン側に、今回のアップデート内容であったり、それ以外の気になる点についてを取材するつもりではありますので、
本メディアの続報にも注視しながら、IONIQ5の購入を検討してみるのがいいのかもしれません。
Author: EVネイティブ
コメント