つい直近で新型電気自動車であるF-150 Lightningを発表したフォードが、たったの48時間で、なんと44500台以上もの予約注文が入ったことが判明しました。
2021年最も注目に値するF-150 Lightning
まず、今回のフォードに関してですが、
つい直近において、全米のベストセラー車に何年も君臨し続けている、フルサイズピックアップトラックであるF-150の電気自動車バージョンである、F-150 Lightningのワールドプレミアを開催し、
その洗練された電気自動車としての質(EVとしての質の解説はこちら)に加えて、
例えば、市場最大級の大きさを確保したボンネット下の収納スペースであったり、
さらに、直近でテキサス州を襲ったブラックアウトの問題にも対処可能な、
車両に貯められてある電力を自宅に給電することができるという、いわゆる日産リーフなどにも採用されているV2Home機能が搭載されていたり、
しかも、今後の電気自動車においてはマストとなってくるであろう、車両性能の無線アップデート技術であるOTAアップデート機能も有したりという、その先進性もさることながら、
やはり最も賞賛すべきはその値段設定であり、
40000ドルを切りながら、アメリカ市場において適用可能な連邦政府からの7500ドルもの税額控除を適用して、日本円に換算すると、
おおよそ353万円程度から購入することができてしまうという、圧倒的なコストパフォーマンスを兼ね備えていますので、
直近の動画においても、私を始め、ほぼ全てのメディアが大絶賛する形となったのです。
全米ベストセラー車のEVモデルに予約殺到中
そして、今回新たに明らかになってきたことというのが、そのF-150 Lightningの予約注文がスタートしている中において、フォードのトップであるジムファーリーが、その最新の予約台数をアナウンスし、
なんとたったの48時間で、44500台を達成したということで、
やはり、そのアナリストたちの絶賛ぶりは、実際のユーザーにとっても全く同じ感触であったということが証明される形となりましたし、
やはりアメリカ市場にとって、ピックアップトラック、特にF-150という車種は極めて特別な存在でもあり、
今後の予約台数に関しても、さらにとてつもない台数に達するということは容易にイメージすることができると思います。
SKイノベーションとバッテリー生産合弁会社設立
そして、さらにフォードに関しては、このF-150 Lightningのワールドプレミアから程なくして、
そのF-150 Lightningにも搭載されているバッテリーセルのサプライヤーであるSKイノベーションとの合弁会社であるBlueOvalSKを設立し、
その合弁会社によって、新たなバッテリー生産工場を建設することを発表してきたということで、
実はフォードについては、すでに自社だけでもバッテリー生産体制を確立するために、バッテリー研究開発センター兼バッテリー生産工場を目下建設中ではあったのですが、
そのフォード曰く、2030年までに、アメリカ国内だけでも140GWh、そしてグローバルでは240GWhという大量のバッテリーが必要となり、
それに対応するためには、やはり自社だけでの供給は困難なため、
ただバッテリーサプライヤーから調達するのではなく、そのサプライヤーと合弁会社を設立してバッテリーを生産するという、
例えば現在テスラとパナソニックであったり、GMとLGエナジーソリューションであったりという、似たような形態をとってきた格好となります。
テスラ&パナソニック GM&LGエナジーソリューション
そして、その生産キャパシティに関してですが、最大60GWhという、こちらはかなり大規模な生産キャパシティを備えることになり、もちろんこれは最終的なキャパシティの数値とはなりますが、
例えばテスラがすでに建設したギガファクトリー1に関しては、現状40GWh弱程度という生産キャパシティとなりますので、
その1.5倍という規模感を目指すということになりますので、
何れにしても、間違いなくフォードが電気自動車を大量生産するために、完全に本気の姿勢となったことがお分りいただけると思います。
世界(日本以外)は”例外なく”バッテリー生産にコミットへ
何れにしても、今回のフォード側も指摘している通り、電気自動車を本気で生産すると決めた際、
そのバッテリーの供給体制を確保しなければ、その大量生産は不可能であり、
現実問題として、今からその生産工場を立ち上げたとしても、実際にその工場が立ち上がるのは、2020年中頃を見込んでもいますので、それだけ時間がかかるということでもあり、
さらにアメリカ市場については、バイデン政権の施策として、
アメリカ国内で生産されるバッテリーを使用しなければ、補助金などを含めた優遇措置を適用できなくなるという、
国内でのサプライチェーン構築という至上命題も課されていますので、
電動化に本気の姿勢を示しているメーカーに関しては、大規模なバッテリーの生産工場を立ち上げることも同時に表明していなければ、それは本気の姿勢ではないということが、透けて見えてくるのではないか、
よって、そのメーカーの電動化の姿勢を判断する際には、このバッテリー調達計画をご覧いただければ一目瞭然である、ということですね。
From: Ford, Jim Farley
Author: EVネイティブ
コメント