【モデルYの大津波襲来】EV最先進国ノルウェーの8月度の電動化率が歴史上最高を更新
北欧のノルウェー市場における、最直近の8月度の電気自動車の販売台数が速報され、なんと歴史上最高の電動化率を更新し、
特に初登場のテスラモデルYの躍進とともに、日本市場と決定的に異なる電気自動車推進のキーポイントも明らかになってきました。
EV先進国ノルウェーが電動化率最高を更新
まず、今回のノルウェー市場に関してですが、
ヨーロッパ市場の中でも高緯度に位置する北欧諸国のため、特に冬場における寒さ、および豪雪のために、
特に電気自動車という観点で言えば、やはり普及に最も時間がかかる地域なのではないかと思っている方も多いかもしれませんが、
実はこのノルウェー市場こそ、世界の中で最も電気自動車のシェア率が高い、
いってみれば電気自動車最先進国であるということであり、
実際に、この直近である8月度を見てみると、
まず、本メディアにおける電気自動車の定義である、
日産リーフやテスラなどの、搭載された大容量のバッテリーに充電して貯められた電力のみで走行する完全な電気自動車と、
ガソリンエンジンも搭載し、電気とガソリンを両方併用して走行することができる、プラグインハイブリッド車との合計としての電気自動車の販売台数が、
14410台と、歴史上3番目の販売台数を達成することになったのです。
これを聞くと、所詮3番目なので、取り立てて特筆すべき記録ではないのではないかと思われた方もいるかもしれませんが、
今回最も注目すべきは、その新車販売全体に占める電気自動車の販売台数を示す電動化率となっていて、
その割合がなんと87.7%と、歴史上最高の電動化率を達成したのです。
したがって、このノルウェー市場で発売されている新車のうち、
10台に9台近くがすでに電気自動車となってしまっているとイメージしていただければ、
もはやノルウェー市場で新たに購入する車両で、ガソリン車やハイブリッド車を選択するユーザーというのは、
本当にごく一部であるということがお分かりになると思いますし、
さらに、プラグインハイブリッド車を除いた、リーフなどの完全な電気自動車のみの電動化率も71.9%と、
すでに新車販売全体のうち、10台に7台が完全電気自動車、リーフやテスラ車となってしまっていると想像してみれば、
その完全電気自動車の圧倒的な支配をイメージできるのではないでしょうか?
年末に向けて電動化率は9割を超えることは必至
そして、さらに注目すべき点であるのが、
この直近である8月度というのは、別に電気自動車の販売台数が急増するような月ではなかったということであり、
特にテスラ車の販売台数が伸びるのが、各四半期の最終月、
つまり今月である9月度こそ、テスラの販売台数が大きく伸びる、
つまり電気自動車全体の販売台数についても、9月度の方がより多くの販売台数を見込みことができますので、
その電動化率については、いよいよ人類未踏の90%に極めて近づいてくるのではないか、ということなのです。
また、さらに駄目押しで付け加えてしまうと、
年末にかけて、特に12月度というのは、テスラだけに関わらず多くの自動車メーカーが、その販売をプッシュしてくるシーズンでもあり、
実際問題として、今回の8月度の電動化率に次ぐ電動化率を記録していたのが、昨年である2020年の12月度の87.1%でもありましたので、
この12月度の電動化率は、90%を超えることは間違いなし、
下手をすると93%なんていう、驚愕の電動化率を叩き出しているかもしれません。
中国製EVがノルウェー市場にじわじわ侵食中
それでは、気になるノルウェー市場の、電気自動車の人気車種ランキングを見ていきたいと思いますが、
まずは、たったの61台を発売し、第39位にランクインしたのが、中国の自動車メーカーであるBYDの発売する、フラグシップSUVのTangとなっていて、
実はちょうどこの8月度から、BYDがいよいよヨーロッパ市場に参入してきたというわけで、まだ参入して間もないということ、
およびそのTangは高級SUVということもあり、
販売台数という観点ではそこまで多くを見込めないということを勘案すると、
確かに今回のTangだけを取り上げれば、そこまで脅威には見えないものの、
今後BYDに関しては、さらに魅力的な電気自動車たちである、フラグシップセダンであるHanであったり、
さらには直近で発売をスタートしている、コンパクトハッチバックのDolphinなど、
一気にそのラインナップを拡充してきた場合、実は中国勢で最も脅威的な存在に化ける可能性すら秘めている、というわけですね。
また、人気車種ランキングトップ20の顔ぶれを見て見ると、
何といっても、その内の15車種がSUVセグメントの電気自動車という結果になりましたので、
やはり今回のノルウェー市場だけに関わらず、SUVセグメントの人気が高いということが伺えますし、
もちろん電気自動車というカテゴリーにおいても、そのトレンドが続いているということが見て取れると思います。
モデルYが初登場でトップに君臨
そして、その中でも今回堂々の1位に君臨したのが、初登場となる、テスラのミッドサイズSUVであるモデルYとなっていて、
その納車台数を集中させた月でもありますが1308台と、多くの納車台数を達成し、
特にその質の高い電気自動車としての質や先進性、
そして独自の急速充電ネットワークであるスーパーチャージャーという付加価値によって、
今後も、特に年末に向けて、その販売台数が増えていくことは間違い無いと思います。
しかしながらテスラのように、その月によって販売台数の変動が少ない、
モデルYの競合車種であるマスタングマックEやID.4、IONIQ5、Q4 e-tronなども、コンスタントに販売台数を達成することができていますので、
したがって、特に今列挙したような、ミッドサイズSUVセグメントの電気自動車が、今後年末に向けて熾烈な争いを繰り広げていくのであろうと、推測することができますし、
逆に、このミッドサイズ電気自動車SUV戦争に、
日産アリアやトヨタBZ4Xが未だに参戦することができていないという状況を、非常に歯がゆく感じるのは私だけでしょうか?
Ford Mustang Mach E Nissan Ariya
そして、今回のノルウェー市場の人気車種ランキングから感じた、
我々日本市場との明確な違い、および電気自動車の販売台数を上昇させる唯一の方策というのは、
やはりその電気自動車の車種のラインナップの大幅拡充であり、
おそらく電気自動車に関心が少ない方にとっては、ほとんど聞いたことがないような電気自動車がトップ40を見てもほとんどでしょうし、
しかしながら、この電気自動車のバリエーションの豊富さによって、
より多くの方が電気自動車の購入を検討することができているわけですし、
逆にリーフとモデル3以外まともな選択肢がない日本市場の現状では、やはり電気自動車が普及することはないですので、
特にこの冬に納車がスタートするであろう日産アリア、そして今回ノルウェー市場においても納車がスタートしたテスラモデルYという、
日本市場においても人気のSUVセグメントの電気自動車たちに、是非とも日本の電動化を牽引してくれることを期待していきたいと思います。
Author: EVネイティブ