【緊急事態発生】 メルセデスが2030年から電気自動車しか販売しないという衝撃の発表
メルセデスベンツが、2030年から発売する全ての車両を完全な電気自動車のみにするという衝撃の計画を発表し、
さらに今後の電動化のロードマップ、特に実用的な航続距離の数値にして、これまた衝撃の1000km以上を達成するコンセプトモデルを、来年である2022年中に発表するという、
とにかく現在の電動化戦略を大幅に前倒しし、電気自動車へと全振りする方針について、今後ラインナップされる新型電気自動車の最新情報とともに徹底的に解説します。
プレミアムメーカーはどこもEV全振りへ
まず始めにメルセデスベンツに関してですが、ドイツの高級車メーカーであり、
同じくドイツのアウディ、そしてBMWとともにドイツ御三家と称され、主にプレミアムセグメントの車種をラインナップしているのですが、
そのドイツ市場を中心とする、人口5億人弱を有する巨大自動車マーケットであるヨーロッパ市場については、現在電気自動車の販売台数が急速に増加している状況となっていて、
したがって、特にヨーロッパ市場を中心に展開する自動車メーカーの多くが、電気自動車に一気に舵を切っている状況ともなっているのです。
実際問題として、今回のメルセデスと同じくドイツ御三家の一角をなすアウディに関しては、
なんと5年後である2026年からは、新型車として内燃機関車をラインナップすることを完全終了し、
2033年からは、基本的には完全に内燃機関車の販売を終了するという方針を発表していたり、
また同じくプレミアムセグメントの競合メーカーであるボルボに関しても、
2030年までに、発売する全ての新車を完全な電気自動車のみにするという大方針も表明していたりと、
何れにしても、直近でEU市場の2035年までの内燃機関車の販売禁止という大方針を受けて、
この電気自動車への流れがさらに加速することは避けられない情勢となっているわけなのです。
EVの急速なラインナップを進めるメルセデス
よって、今回のメルセデスに関しても、ここにきて急速に新型電気自動車をラインナップしてきていて、
すでにEQCというミッドサイズSUVセグメントの電気自動車を発売してはいたのですが、
今年である2021年に入ってからというもの、まずはEQAというクロスオーバーセグメントの電気自動車のワールドプレミアが開催され、
お膝元であるヨーロッパ市場において、すでに一定の販売台数を達成しながら、
さらに、4月中にワールドプレミアが開催されたのが、メルセデスのフラグシップモデルであるSクラスの電気自動車バージョンであるEQSとなっていて、
こちらに関してはすでに発売をスタートし、8月中には、お膝元であるヨーロッパ市場からの納車をスタートさせながら、
このEQSに加えて、クロスオーバーEVであるEQAに関しても同様に、我々日本市場においても発売が決定していて、
EQAに関してはすでに順次納車がスタートしているという、
とにかくこのように、欧米市場の話などではなく、メルセデスが発売してくる電気自動車が軒並み、我々日本市場でも購入することができるようになりますので、
まずは、その実際の走行インプレッションなどをはじめとして、
特に我々である日本市場における電気自動車としてのスペックについても、わかり次第情報をアップデートしていきたいとは思います。
また、日本市場における導入は現時点ではないものの、
メルセデスに関しては、特に日本市場においては大人気のセグメントである、3列目シートを搭載したミニバンタイプのEQVもラインナップしていたり、
さらに中国市場、および北米市場においてのみラインナップされる、Bクラスの電気自動車バージョンとなるEQBのワールドプレミアも開催され、
2021年中には実際の納車がスタートしますし、
しかもその上、これまたミニバンセグメントであり、EQVよりもひとまわり小さいサイズ感である、EQTのコンセプトモデルも発表され、
おそらく来年である2022年中には、市販車バージョンとしてワールドプレミアが開催されるという見通しともなっていますので、
このメルセデスの電気自動車ブランドであるEQシリーズが、ここにきてまさに爆速のタイムラインでラインナップを揃えてきているのです。
2030年までに完全電気自動車のみの販売へ
そして、そのような電動化の流れの中において、今回新たに明らかとなってきていることというのが、
中長期的な新たな電動化戦略を発表してきたということで、
実はメルセデスに関しては、すでに中長期的な電動化戦略を発表していて、
それが、2039年までに発売する全ての車両を完全な電気自動車のみへと移行するという方針であり、
そもそも以前から、完全電気自動車へと完全移行する方針を示してはいたのですが、
今回その電動化のタイムラインを大幅に短縮し、なんと2020年代の終わりまでに、
つまり2030年までには、既存のガソリン車をはじめとして、ディーゼル車、ハイブリッド車、
さらには現在のメルセデスの販売台数を支えているプラグインハイブリッド車すらも完全には販売を終了し、
日産リーフやテスラなどの、搭載された大容量のバッテリーに充電して貯められた電力のみで走行する、完全な電気自動車に完全に移行するという電動化戦略を表明してきたのです。
ただし、今回の電動化のタイムラインにおいて一点注意しなければならないのが、メルセデス側が注釈をつけてきたということで、
マーケットの状況がそれを許した場合、
つまり、その国ごとの電動化に対するインフラ整備であったりをはじめとして、ユーザーが完全電気自動車を許容できる市場のみに適用されるという趣旨であり、
要するに、電気自動車発展途上国家のようなマーケットに関しては、2030年以降も、内燃機関車の販売を継続する用意もあるということが示唆されていると思いますので、
それでもおそらく、先進諸国の集まる欧米や中国という主要マーケットでは、ほぼ完全に電気自動車のみの販売にシフトするとは思いますが、
例えば我々のような電気自動車だけにとどまらず、全ての面で没落することが確定している発展途上国家の日本に関しては、
もしかしたら2030年以降も、一部の内燃機関車の販売は継続される可能性が残されている、ということになるかと思います。
EV200万台分のバッテリーを自社生産へ
そして、あと9年後に完全電気自動車時代を達成するために、来年である2022年から2030年までの間に、
完全電気自動車の研究開発への投資として400億ユーロ以上、日本円に換算して5兆2000億円以上もの大規模投資を表明しながら、
その電気自動車においてコアテクでもある、大容量のリチウムイオンバッテリーの大量生産にもコミットし、
そのバッテリーを生産するための工場であるギガファクトリーを、お膝元でもあるヨーロッパ市場だけで4つ、さらには北米と中国市場にもそれぞれ建設し、
なんと全世界に8つもギガファクトリーを建設するという方針も表明しています。
また、そのバッテリーの生産量の合計が、グローバルで200GWh以上ということで、
例えば現在メルセデスが発売し始めたフラグシップセダンであるEQSの搭載バッテリー容量が107.8kWhであり、
それ以外の車種は、このバッテリーサイズよりも小さいということを考慮すると、少なくとも一台当たり100kWh程度のバッテリーサイズとなり、
なんとその電気自動車200万台分もの生産キャパシティを有することになりますが、
例えばメルセデスが昨年である2020年に、グローバルにおいて発売した車両は全部で216万台程度でしたので、
まさに今回発表されたバッテリーの生産キャパシティである200GWhという数値というのは、
今後メルセデスの新車販売の全てが電気自動車にリプレイスされたとしても、その大量生産に必要なバッテリー生産量を確保することができているということになりますので、
本チャンネルにおいて一貫して主張している、
その自動車メーカーの電気自動車に対する本気度を示す指標は、そのコアテクであるバッテリーの大量生産体制の数値に現れるというポイントにおいて、
まさにメルセデスが完全に電気自動車にシフトしようとしていることがお分かりいただけたのではないでしょうか?
中国のFarasisがメインパートナーとなる可能性
ちなみに、そのバッテリー生産工場であったり、今後開発されるメルセデス独自のバッテリーセルに関しては、様々なパートナー企業とタッグを組んで開発に着手するとし、
現状そのパートナー企業についてはアナウンスされてはいないものの、
その中心的なパートナーシップを締結することになるのは、おそらく中国のバッテリーサプライヤーであるFarasisになりそうであるということで、
すでに昨年である2020年の7月には、メルセデスとFarasisが自社の株式を持ち合うという契約を締結し、
今後のバッテリー調達に関してパートナーシップを締結していて、
今後追加でラインナップされる予定のEQSの90kWhバージョンについては、
すでにラインナップされている107.8kWhバージョンにおいて採用されているCATL製のバッテリーセルではなく、今回のFarasis製のバッテリーセルであるとアナウンスされていますので、
今回のメルセデスのバッテリー生産工場に関しても、このFarasisを中心として、CATLなどともタッグを組んで建設されるのではないかと推測することができると思います。
次に、その完全電気自動車時代において、より質の高い電気自動車をラインナップするために、
2025年に、なんと3つもの電気自動車専用プラットフォームを開発し、
その2025年から発売する全ての電気自動車には、これらの電気自動車専用プラットフォームしか採用しない、
つまり4年後である2025年から発売する全ての電気自動車というのは、電気自動車専用プラットフォームを採用した本気のEVとなる、ということなのです。
というのも、メルセデスが現在発売しているEQA、EQB、EQC、EQVに関しては、全て電気自動車専用のプラットフォームではなく、
内燃機関車向けに設計されたプラットフォームを流用して開発されていて、やはり妥協のない本気の電気自動車を開発するためには、
EVAプラットフォームを採用した、ラグシップセダンであるEQSのように、
電気自動車専用プラットフォームを採用して1から開発しなければならず、
既存の内燃機関車のプラットフォームを流用してしまうと、その電気自動車としての質をはじめとして、必ず何かが犠牲となってしまうことがほとんどですので、
このような意味において、メルセデスがなぜ電気自動車専用プラットフォームのみを採用しようとしているのかがお分かりいただけると思います。
2025年からはEV専用プラットフォームのみを採用
ちなみに、その2025年から順次導入される3つの電気自動車専用プラットフォームに関してですが、
まずは、MB.EAプラットフォームと呼ばれる、ミッドサイズからフルサイズセグメントの乗用車を全てカバーすることができるプラットフォームと、
AMG.EAプラットフォームと呼ばれる、名前の通り、AMGラインを妥協することなく電気自動車にリプレイスするため、
よりパフォーマンス性能にフォーカスした、ハイパフォーマンスプラットフォーム、
そして、VAN.EAと名付けられた、バンタイプなどの商用車セグメントの車両に特化した、電気自動車専用プラットフォームという3つのプラットフォームを採用するとしています。
したがって裏を返すと、その2025年までに展開する電気自動車に関しては、
EQSで初採用された、EVAプラットフォームという電気自動車専用プラットフォームの採用を継続しながら、
既存の内燃機関車用のプラットフォームを流用して開発する電気自動車も存在するということになりますので、
メルセデスを所有し、今後電気自動車に乗り換える場合、より質の高い電気自動車でなければ満足することができないという方でしたら、
EQSを皮切りに、EVAプラットフォームの採用がアナウンスされているEQEであったり、
EQS SUV、もしくはEQE SUVの購入を検討するか、
もしくはいっそのこと、2025年以降に発売される電気自動車の発売まで待ち、その間にメルセデスの内燃機関車を乗り続けながら、
100年間続いた内燃機関車時代の終焉を堪能するのも、選択肢の一つであるのかもしれません。
プラグ&チャージ機能を全車標準設定へ
さらにメルセデスに関しては、電気自動車の所有における満足度に直結する、充電に関するユーザーエクスペリエンスを向上させるために、
プラグ&チャージ機能を、全車種に導入していく方針を示し、
電気自動車における充電方法というのは、基本的には、電気自動車に充電プラグを差し込んで、充電器側に設置されている認証機に、充電カードなどをかざすことによって、
ようやく充電が開始されるというような手法が一般的となってしまっているのですが、
例えばテスラ専用の急速充電器であるスーパーチャージャーを始め、今回のメルセデスのEQSであったり、
北米市場においては、北米最大の公共の急速充電ネットワークであるElectrify Americaの充電器を使用すると、
フォードのマスタングマックEやポルシェタイカン、さらにはLucidのAirなどは、
充電プラグを車両に接続すると、自動的に車両を識別して、すでに車両に紐づけてあるクレジットカードなどから、
充電料金が自動的に課金されていくという仕組みであるプラグ&チャージ機能が実装されているため、
電気自動車オーナーからしてみれば、いちいち充電カードで認証するという無駄な動作を挟まずに、充電プラグを差し込むだけで全てが完結するという、
まさに電気自動車において最も煩わしい、充電におけるユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させることができるのです。
メルセデス独自の充電ステーションも建設へ
しかもその上、メルセデスに関しては、現在欧州の自動車メーカーたちであるフォルクスワーゲングループやBMWグループ、さらにはヒョンデグループやフォードなどと合同で、
IONITYという充電器管理運営企業を発足し、欧州全土に350kW級超急速充電器を設置しているのですが、
今回の2030年までの完全電気自動車化に合わせて、メルセデスのプレミアム感をさらに向上させるために、メルセデス専用の急速充電ステーションの建設も表明し、
公共の急速充電器だけではなく、メルセデスオーナーだけが利用することのできるというプレミア感を付与することによって、
その車両の価値だけではない、充電に対する付加価値を期待することができると思われます。
航続距離1000km越えのAMGラインのEVも登場
そして、メルセデスは電気自動車の最新技術を結集した、Vision EQXXと名付けられた、フラグシップモデルのコンセプトモデルの存在もアナウンスし、
なんとこのVision EQXXに関しては、満充電あたりの航続距離が、衝撃の1000kmを超えてくるとアナウンスされているということで、
しかもこの航続距離の基準というのは、通常の高速道路上の巡行において達成可能な数値であるともアナウンスされているため、
基本的にはEPAサイクルにおける航続距離が1000km程度を達成してくると考えてもらって差し支えないとは考えられます。
ただし、こちらのVision EQXXに関して多くのメディアが誤解してしまっているのが、
こちらはコンセプトモデルであり、コンセプトモデルが来年である2022年にワールドプレミアが開催される、
つまり、EPAサイクルにおいて航続距離1000kmを達成した市販車が、来年までに発売されるということではないという点は、
押さえておかなければならないと思いますが、
このF1という過酷なレース環境下で培った技術力も組み込まれた、メルセデスのVision EQXXにおける電気自動車の最新技術を、
今後の電気自動車専用アーキテクチャーにおいて採用する可能性がある、
したがって、先ほど紹介したAMG.EAという、AMGラインの電気自動車バージョンに、この航続距離1000kmの達成をはじめとする、
様々な最新技術が搭載されるということになりますので、
何れにしても、2025年ごろには航続距離1000kmを達成しながら、さらにその加速性能も極めて高い、
メルセデスの威信をかけたAMGの電気自動車バージョンが発表されるのかもしれません。
今後も矢継ぎ早にEVのラインナップを拡充
このようにして、今回突如として発表された、ドイツ御三家の一角をなすメルセデスに関しては、
あとたったの9年後である2030年までには、ガソリン車やハイブリッド車、そしてプラグインハイブリッド車も含めて、
すべての内燃機関車の販売を完全終了し、完全な電気自動車のみの販売に移行するという大方針を発表し、
そのために、5兆円を大きく越える莫大な投資を表明しながら、バッテリー生産工場及び、パートナー企業とのバッテリー内製化を進め、
電気自動車専用プラットフォームを採用しながら、
プレミアムセグメントの電気自動車として、競合に劣らない電気自動車を開発する方針を明確にしてきましたので、
何れにしても、メルセデスの電気自動車に対する本気度を感じることができたのではないでしょうか?
ちなみに、メルセデスは今年である2021年の後半にも、Eクラスの電気自動車バージョンであり、
EQSと同様に電気自動車専用プラットフォームを採用する本気のEVとなる、EQEのワールドプレミアを控えながら、
来年である2022年中には、EQSのSUVバージョン、そしてEQEのSUVバージョンもラインナップしてきますので、
これらの電気自動車としての質、さらにはその販売台数の変遷にも期待していきたいと思います。
From: Mercedes Benz
Author: EVネイティブ