テスラの第二四半期における販売台数が速報され、ついに史上初の20万台オーバーという大台を突破することになりました。
生産台数は歴史上最高の20万台オーバー
まず、今回のテスラの販売台数や生産台数に関してですが、2012年から納車をスタートさせているフラグシップセダンのモデルS、
そして、フラグシップSUVであるモデルXもラインナップに追加され、年間10万台程度という高級電気自動車メーカーとして地位を確立していたのですが、
特に2017年の第四四半期から発売をスタートさせたミッドサイズセダンであり、より安価なモデルでもあるモデル3のおかげによって、
テスラ全体の販売台数が別次元に突入し、2019年度における年間販売台数が37万台弱、
そして新型コロナウイルスによる世界的な経済の落ち込みの影響をもろに食らってしまい、世界の名だたる自動車メーカーが、その販売台数を落としてしまっていた中においても、
テスラに関しては50万台弱と、なんと1.35倍という圧倒的な成長を見せつけ、
そして現在世界各国がパンデミックからの回復基調にある中において、そのテスラがどこまで販売台数を伸ばすことができるのかに大きな注目が集まっているわけなのです。
そして、そのような背景において今回新たに明らかになってきていることというのが、
そのテスラの第二四半期、つまり4月から6月度における生産台数と販売台数の速報値が公開されたということで、
まずそのグローバルにおける生産台数に関してですが、アメリカのフリーモント工場と、中国上海のギガファクトリー3の両方の生産台数を合計して20万6421台と、
ついにテスラの歴史上初めて、大台の20万台という生産台数を突破してきたということであり、
つまり、各四半期で20万台という数値を達成してきたということは、年間生産台数においてはその4倍は堅い、
よって、年間生産台数は80万台を突破してくることはほぼ間違いなく、
したがって、昨年である2020年度における生産台数50万台という数値と比較しても、1.6倍以上の成長を達成することができるという、
その成長率がさらに加速度をつけて工場しているということが一見明らかである、ということですね。
Q2は作れば作るだけ売れた状態
次に、実際の販売台数についてを見ていきたいと思いますが、
やはり注目なのが、現在圧倒的に売れ筋であるモデル3とモデルYの販売台数のシェアが圧倒的であり、
モデル3とYを合計して、19万9360台と、そのモデル3とモデルYそれぞれの販売台数はわからないものの、
全体の販売台数の合計である20万1250台のほとんどを占めていますが、
まず先ほどの生産台数を見れば明らかなように、やはり生産すればするだけ、その全てがほぼ売れている、
まさに作れば作るだけ、飛ぶように売れていく状況であると言って差し支えありませんので、
やはりこの数値だけを見ても、現在のテスラの人気の高さ、特にその発売をスタートしてから4年近くが経過しようとしているモデル3でさえ、
その人気に陰りが見えていないということがお分かりいただけると思います。
そして今回注目したいのが、その売れ筋のモデル3とモデルYではなく、ちょうど先月である6月中に、ついに納車がスタートしたフラグシップセダンである、
フェイスリフト後のモデルSの販売台数となっていて、その販売台数が1890台と、
先月である6月中のたった数週間だけで、ようやく生産ラインが立ち上がったばかりのモデルSが、一定の販売台数を達成することができていて、
この生産体制が拡充してくる、今四半期である第三四半期については月間にして4000-5000台、
つまり第三四半期で1万5000台程度の販売台数を見込むこともできそうですので、
果たしてフラグシップセダンであり、近年はその販売台数に陰りが見えていたモデルSが、
今回のフェイスリフトによって、どれほどの潜在的需要を獲得することができていたのかにも、その販売台数とともに注目していくべき点であるとは感じます。
また、そのモデルSとともに、テスラのフラグシップモデルの一角をなすモデルXに関してですが、
こちらは最新の納車時期がアップデートされ、なんと当初の5月中という納車のタイムラインから、
なんと来年である2022年の1月から2月と、その納車時期が圧倒的に遅延してしまう予定となっていますので、
こちらのモデルXの量産体制が整うのが、来年の4月以降、
つまり2022年の第二四半期以降の販売台数の数値が、現状のテスラの4車種の販売台数の真のポテンシャルが現れる数値とはなりそうです。
上海工場の近くにEV80万台分の電池工場新設か
そして、今回の第二四半期の記録的な販売台数というのは、テスラの快進撃の序章に過ぎないという点が、最も重要なポイントとなっていて、
というのも現在テスラについては、カリフォルニアのフリーモント工場と、中国上海のギガファクトリー3という、2つの車両生産工場のほかに、
ドイツベルリンのギガファクトリー4、さらにアメリカテキサスのギガファクトリー5を目下建設中であり、
現状そのどちらも2021年末から生産をスタートさせるとアナウンスしていますので、
おそらくその新たな工場で生産された車両を2021年度中に納車させるのは厳しい情勢とはなりそうですが、
特に2022年の第一四半期の生産台数と販売台数に関しては、今までの伸び率とは一線を画した、
まさに先ほどのモデル3の登場によって、テスラの販売台数を別次元に押し上げたような、テスラの販売台数がさらに新たなステージに突入するのではないか、
と推測することができる、ということなのです。
また、ここまで解説した短期的な販売台数の推移予測だけでなく、中長期的な販売台数の変遷についても、直近で非常に強力な好材料が明らかになってきてもいて、
それが、中国上海に位置するギガファクトリー3のすぐ近くに、
世界最大のバッテリーサプライヤーであり、現在モデル3のスタンダードレンジ+グレードというエントリーグレードにも採用されているCATLが、なんと80GWh級という、
仮に全ての車両に100kWhという大容量のバッテリーを搭載したとしても、なんと年間に電気自動車80万台分のバッテリーを生産可能な、
巨大なバッテリー生産工場の建設を計画していることが報道され、
もし仮にその報道が真実であった場合、こちらはほぼ間違いなく、テスラに対して中心的にバッテリーを供給する工場となることは間違いないですので、
そのギガファクトリー3については、今後さらに大規模な生産体制の拡充を進めるのではないかと、推測されている状況でもあるわけなのです。
テスラとCATLの提携関係が大幅延長
また、その報道がさらに信ぴょう性を増してきている追加のニュースとして、
テスラがそのCATLからのバッテリーの供給の契約を延長し、2025年の12月まで、CATLとテスラのパートナーシップが継続するという契約が成立したということで、
つまりテスラが、今後もCATL製のバッテリーセルを、長期間にわたって導入していく考えが明らかとなり、
こちらは今後増大するテスラ車の需要に対応するための契約延長であるのですが、その延長期間が2025年末ということは、やはりほぼ間違いなく、
現在世界で最も注目されている電気自動車であると言っても過言ではない、25000ドル、日本円にして260万円程度で購入することのできる、
通称モデル2に、今回のCATL製のバッテリーを搭載してくるのではないか、ということなのです。
やはり、このモデル2に関しては、とにかくコスト低減を追求しなければならないという点であり、
そのコスト低減を追求するためには、その電気自動車において最もコストを占める、搭載バッテリーをどれだけ安く仕入れることができるのかが重要であり、
今回の一連の報道から推測可能なことというのは、テスラは独自設計した次世代型のバッテリーセルである4680セルをCATLと共有し、
そしてその4680セルに、CATLの強みであり、すでにモデル3スタンダードレンジ+グレードにおいて、
しっかりと実績を残している、より安価なLFPバッテリーを採用してくるのではないか、
だからこそ、今回CATLとさらに長期的な契約を結んできたのではないか、と推測することができるのではないでしょうか?
内燃機関車へのチェックメイトEV「モデル2」の発売迫る
このように、今回速報された2021年第二四半期のテスラの販売台数というのは、テスラの歴史上最高の販売台数を達成したということであり、
しかしながらその中身については、今だにフェイスリフト後のモデルSとモデルXの生産体制が構築中であり、今後その販売台数の伸び代が十分であるということ、
しかもその上、直近において、中国上海の車両生産工場のすぐ近くに、
テスラのバッテリーサプライヤーであるCATLが新たな巨大なバッテリー生産工場の立ち上げを計画し、
しかもその布石なのか、そのCATLとの契約を2025年末までと、さらに延長してきているということもあり、
その内燃機関車へのチェックメイト的な車種でもある、260万円の電気自動車への水面下での動きなのではないかとも推測することができますので、
何れにしても、テスラの販売台数は、グローバルにみれば今後も上がる余地しかない、ということですね。
From: Tesla(Q2 Sales)、Global Times(extend contract)、Reuters(battery factory)
Author: EVネイティブ
コメント