電動化対応に追われるスバル
日本のスバルがついに初めての電気自動車である「ソルテラ」を、来年である2022年に発売することを公式にアナウンスし、そのスペックに大きな注目が集まっています。
まず今回のスバルに関してですが、日本の自動車メーカーであり、実はそのメーカー別の販売台数という意味においては一定のシェアを確立していて、日本勢のみをピックアップしてみると、トヨタ自動車を筆頭としてそのあとはホンダと日産が続いていくのですが、次にスズキ、マツダ、そして今回のスバルがランクインし、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響をほぼ受けていない2019年度における販売台数では、グローバルで100万台越えと、18位にランクインしていたりもしますので、やはり日本メーカーとしてグローバルに見ても、一定のプレゼンスを発揮しているということが見て取れるとは思います。
しかしながら電気自動車という観点においてはいまだに1車種もラインナップしていない状況であり、正直申し上げて年産100万台規模程度の自動車メーカーが今から電気自動車を一から研究開発していくのには、時すでに遅し感がありますので、現在中国やヨーロッパ市場を震源地に世界各地に浸透し始めている、この電動化の巨大地震に対してどのように対応していくのかに注目が集まっていたのですが、そのスバルのアンサーとしては、他社と協業することでその電動化戦略を推し進めていこうということで、そのパートナーに設定したのが世界最大級の自動車グループであるトヨタであり、
そもそもその質の高い電気自動車を開発していく上で欠かせず、実際に現在電気自動車を強力に推進している自動車メーカーのほとんどが独自開発している電気自動車専用のプラットフォームを、すでにトヨタグループを始め、マツダや日野、ヤマハ、そして今回のスバルなど、日本の様々な企業がタッグを組んで、E-TNGAという電気自動車専用プラットフォームをすでに開発してもいるのです。
スバルの新型SUV「ソルテラ」は2022年中旬発売スタート
そして今回新たに明らかになってきたことというのが、そのスバルがトヨタとタッグを組んで共同開発を続けてきた新型電気自動車がついに公式に公開されたということで、それが、SOLTERRA(ソルテラ)と名付けられたミッドサイズ級のSUVというセグメントに該当しますので、まずはスバルの得意のSUVセグメントで初めての電気自動車をぶつけてきた格好になるかとは思いますが、
やはり比較せずにはいられないのが、その共同開発でパートナーシップを締結しているトヨタが先月である4月中に一足先にワールドプレミアを開催していた、こちらもミッドサイズSUVセグメントに該当するBZ4Xであり、こちらは先ほど説明した、日本企業が合同で開発した電気自動車専用プラットフォームであるE-TNGAプラットフォームを採用しているということもあり、いまだにコンセプトモデル止まりではあったものの、来年である2022年中には中国市場を始め、欧米市場においても発売していくともアナウンスされていましたので、おそらく今年である2021年中にも明かされる可能性の高い、その電気自動車としての質などについてもまずは注視していかなければならないかとは思います。
そして今回のスバルのミッドサイズ電気自動車SUVであるソルテラに話を戻すと、実は以前の動画において今回の新型電気自動車SUVの名称はエボルティスとなるのではないかと解説していましたが、それはコンセプトモデルにおける名称であったということで、今回公式に発表されたプロダクションバージョンの名称ではソルテラという名称となったということだそうで、
ちなみにこちらのソルテラという名称の語源についてですが、ラテン語で太陽を表す「ソル」、そして同じくラテン語で大地や地球という意味を示す「テラ」という2つのワードを組み合わせた造語ということでもあり、スバル曰く、優れた操縦安定性や高い走破性を誇るAWD性能を備え、行く先を選ばない「安心と愉しさ」を提供する、SUBARUらしいSUVという特長を持つこのクルマで、お客様と共に、自然をもっと愉しみ、自然との共生をより一層深めていきたいとの想いから、この命名に至ったそうです。
トヨタのBZ4Xと共に日産アリアを迎え撃つ
そして今回のソルテラに関しては、その電気自動車専用プラットフォームが採用されているのですが、スバル側の発表では、このプラットフォームはe-SUBARU Global Platformと呼ばれるプラットフォームとなってはいますが、おそらくこちらは、トヨタが発表していたE-TNGAプラットフォームと同じであり、単純に使用するメーカーによってこのプラットフォームの名称を変更しているだけであると思われます。
そしてこのソルテラに関しては、ただ単に電気自動車専用プラットフォームを共用しているのではなく、商品企画、設計、性能評価などの多岐に渡ってトヨタと共同で開発を行っており、特にSUBARUが長年培ってきたAWD技術と、トヨタの持つ優れた電動化技術を活用しながら両社がそれぞれの強みを持ち寄ることで、EVならではの魅力を持つ新しいSUVとなっているということで、この点に関して個人的に最も注目しているポイントというのが、おそらくそのAWD技術に強みを持っているスバル側が主導して開発してきていると推測される、新たな4輪制御技術である、DIRECT 4という制御技術となっていて、こちらは4輪それぞれを独立して緻密に電子制御することによって、今までのガソリン車をはじめとする内燃機関車のAWD制御とは別次元の走行安定性を発揮することができると説明されていて、
実はこの4輪制御技術に関しては、日産が今年である2021年中にも発売をスタートし、おそらく今回のソルテラであったり、トヨタのBZ4Xとガチンコの競合車種となってくる日産のクロスオーバーEVであるアリアに採用されている、E-4ORCEという4輪制御技術と非常に似通った制御技術となっていそうですので、果たしてAWD技術に強みを持つスバルの4輪制御技術が勝るのか、それとも10年以上の電気自動車の販売実績を持ち、電子制御技術に強みを持つ日産の4輪制御技術が上回るのか、こちらは非常に見応えのある戦いとなりそうですので、実際に両車種が発売されてからその性能を比較していきたいと思います。
ソルテラが売れる鍵は、ズバリ充電インフラ網の整備
何れにしてもこのように、今回その発売が公式にアナウンスされたスバルの新型電気自動車SUVであるソルテラに関しては、トヨタをはじめとする日本企業が一堂に会して開発した電気自動車専用プラットフォームを採用し、特に今回のソルテラにおいては電動化技術に強みを持つトヨタとタッグを組んで開発され、一足先に発表されていた、同じくミッドサイズ級のSUVであるトヨタのBZ4Xとの兄弟車であると言って差し支えありませんので、そのトヨタスバル連合が来年である2022年中旬に発売をスタートする予定である新型電気自動車SUVの、電気自動車としての質であったり、特に本チャンネルにおいては注目したい、中国市場や欧米市場における充電インフラ整備をどのように行なっていくのか、自社で独自に整備を進めていくのか、それともすでに欧州メーカーが出資して設置を進めている超急速充電網に乗っかるのか、
Europe Ionity US Electrify America
さらに今回のスバルから発売されるソルテラの方に関しては、なんと我々日本市場においても発売されることが確定しましたので、我々日本市場における充電インフラ整備をどのように展開していくのかは非常に注目でありますし、スバルをはじめ、トヨタのディーラーには急速充電器はほぼ設置されていませんので、その来年の発売に向けて、我々電気自動車発展途上国である日本市場における充電インフラ整備に関する続報についても、特に最新情報がわかり次第アップデートしていきたいと思います。
Author:EVネイティブ
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