【アメリカ電動化急加速へ】全米で最も人気の自動車であるF-150がついにEVに

F-150 Lightning

フォードも電動化の波に抗えず

フォードが、北米市場において最も売れている人気車種であるF-150ピックアップトラックの電気自動車バージョンである、「F-150 Lightning」のワールドプレミアを、5月19日に開催することを表明してきました。

まず今回のフォードに関してですが、アメリカの自動車メーカーであり、年間生産台数にして500万台以上を売り続けているグローバルメーカーでもあるのですが、こちらのフォードの電気自動車に関する最新動向については、以前の動画で詳細にまとめたように、特にフォードの往年の名車であるマスタングの名を冠したマスタングマックEという新型電気自動車を北米市場やヨーロッパ市場においてもすでに納車を開始し、しかもその電気自動車としての質が、今まで本格的な電気自動車を発売してこなかったメーカーとは思えないほどの完成度であり、

Ford Mustang Mach E

さらに、今後のきたる電動化時代を見据えて、今までの方針を180度方針転換して電気自動車において最もコアテクともなるリチウムイオンバッテリーの内製化にコミットすることも表明し、そのためにFord Ion Parkと呼ばれるバッテリー生産工場兼研究開発センターを来年である2022年中に立ち上げるともアナウンスしていているのです。

そして、そんなフォードについて今回新たに明らかとなってきていることというのが、その本気の電気自動車第2段として、通常の乗用車セグメントの車種ではなく、この数十年間において常に圧倒的な人気を誇り、なんとアメリカ市場においてすべての自動車の販売台数で長年トップを走ってきているフルサイズピックアップトラックセグメントのF-150の電気自動車バージョンである、「F-150 Lighting」のワールドプレミアを、今月中である5月19日に開催することを予告してきたということで、

From: Ford

特に現時点においてはその電気自動車としてのスペックは何も明らかにはされていませんが、この予告に際してフォードのトップであるジム・ファーリー曰く、

F-150 Lightningは、停電時に、自宅に電気を供給することができたり、加速性能に関しても最高性能のパフォーマンス性能を約束し、そして無線アップデートによって、車両を購入した後でも継続的に性能がアップし続けるとアナウンスしていて、特にヒュンダイグループの電気自動車であるIONIQ5やEV6に採用されているV2L機能を今回のF-150 Lightningにも採用してくる可能性が高く、

さらにその上マスタングマックEには採用されていますが、現在テスラ車を始め一部のメーカーしか採用していない、車両性能の無線アップデート機能も採用することをほのめかしていますので、そのような電気自動車としての質以外の先進性という意味においても、非常に期待することができるスペックとなっているのではないでしょうか?

発売開始は2022年中旬

そして、今回のF-150 Lightningの発売時期に関してですが、こちらは2022年の中旬の発売開始をアナウンスし、ちなみにその搭載バッテリーに関しては、韓国のバッテリーサプライヤーであり、一時期同じく韓国のバッテリーサプライヤーであるLG化学と係争中で、もしかしたらバッテリー生産中止へと追いやられてしまっていたSKイノベーション製でもあり、結局その生産は問題なく行われることが確定しましたので、今回のF-150 Lightningの生産の進捗も問題なく行われる公算とはなりそうです。

フォードがマスタングもF-150をEVにする意味

このように、今回フォードがアナウンスしてきたアメリカ市場で最も売れている車両であり、アメリカンマッスルを象徴する大型ピックアップトラックのF-150の電気自動車バージョンというのは、冒頭紹介したマスタングマックEと全く同様に、往年の名車の名前を関する電気自動車を開発するということ自体に意味があり、もちろんマーケティング的なこともあることは大前提として、やはりフォードが今後電気自動車に対して本気でコミットしていこうとする姿勢を暗示しているのではないかと感じるのは、私だけでしょうか?

何れにしても、間も無くワールドプレミアが開催される今回のF-150 Lightningの、特に電気自動車としての質であったり、その競合車種となるであろうGMCハマーEVであったり、テスラのサイバートラックとのスペック比較、そして、それらの電気自動車ピックアップトラックによってアメリカ市場の電動化がさらに勢いをつけて進んでいくことにも期待していきたいと思います。