【最後に笑うのは果たして、、】頑なにEVに及び腰なトヨタvsガソリンエンジンと決別宣言のホンダ

トヨタ

日本トップの自動車メーカーであるトヨタが、2050年まではハイブリッド車の需要がまだまだ残り続けるという見解を主張しましたが、

一方で同じく日本のホンダについては、ガソリン車の部品工場の閉鎖を決定しながら、2040年までに全てのガソリン車の販売を完全終了するという、

両者のスタンスの違いが鮮明化したことについて、特にトヨタの電気自動車に対する懐疑論に対して反証を行いつつ、その中身を徹底的に解説します。

ミスリーディングなEV情報を発信するトヨタ

まず今回のトヨタに関してですが、日本トップの販売台数を誇る自動車メーカーでありながら、その株式市場においても日本トップの企業であり、

しかも我々日本市場だけでなく、グローバルにおいても世界最大級の自動車グループとして先頭に立ち、まさに名実ともに日本を代表とするメーカーであるのですが、

電気自動車という観点で見ると、2021年現時点においては、世界の自動車メーカーの中で最も動きの遅い、いわば電気自動車マーケットにおけるラガードのような存在となっていて、

今だに完全な電気自動車をほとんどまともにラインナップしていないばかりか、

ようやく直近で開催された上海オートショーにおいて、新型電気自動車であるBZ4Xのコンセプトモデルを発表してきたはいいものの、

その電気自動車としての質、さらには、その電気自動車としての総合点の半分を占めると考えている、充電インフラの設置プランなどについては一切明らかにしてこなかったのです。

しかもその上、このような一自動車メーカーが独自の判断において、電気自動車に慎重な態度を表明するということであれば、

それはまさに一企業の戦略でもありますから、別に好きにすればいいとは感じますが、

それと同時に、このトヨタに関しては、電気自動車に対してミスリーディングな情報を発信し続けながら、

それとともに、電気自動車の普及を阻害するようなロビー活動をグローバルで展開し続けているということで、

まず、昨年である2020年の12月中に、トヨタのトップである豊田社長が、日本市場においては、我々が電気自動車を製造すればするだけ、現状よりも多くのCO2が排出されてしまうと発言していますが、

こちらに関しては、すでに世界の95%の地域において、バッテリー製造時から見たトータルのCO2排出量は電気自動車の方が少ないという研究結果が出ていて、

この95%の地域には、もちろん我々日本市場も含まれていますので、すでに現時点においてでも、電気自動車を運用した方が、生涯におけるCO2排出量削減に役立つのです。

EV普及の真の目的を履き違えるな

また、こちらはトヨタ側の発言ではないのですが、ただ走行中にCO2を排出していないだけで、その電気を生成する際にCO2を排出しているだろうがー、という指摘は、

確かに的を得ているのですが、現在世界的になぜ各国が電気自動車に一気に舵を切り始めているのか、

それは電気自動車に搭載される大容量のリチウムイオンバッテリーを大量に生産し、そのコストを下げることが真の目的であり、

これによって、今まででは高コストゆえに、電気を貯めておくという蓄電技術のマーケットが発展して行かなかったのですが、

電気自動車の性能向上によって、2021年現時点においても多くの方にとって実用的なスペックに達し始めているということ、

それゆえに、バッテリーを大量に生産することが可能となり、コストの大幅低減が期待できるようになったということ、

そして、その蓄電技術の導入によって、現在世界的に加速しながら、

その発電安定性という側面において欠点を抱えていた再生可能エネルギーによる発電割合を、今までよりも格段に普及させることができるようになるのです。

風力発電 at 宗谷岬

そして、この再生可能エネルギーによる発電割合を増やすことによって、グリッドの再エネ率が向上する、

つまり、電気自動車に充電するための電気が再エネ由来の電気となる、

要するに、電気自動車を普及させればさせるほど、CO2を排出しない再生可能エネルギーによる発電割合が増え、

よって、電気自動車の生涯CO2排出量は、車を買った後でもさらに減り続けていくという、まさに好循環のサイクルができるという点であり、

逆にトヨタの得意なハイブリッド車をはじめとする全ての内燃機関車というのは、新車で購入した段階が最も燃費性能が高いものの、

その後は経年劣化によって、CO2排出量は少しずつ増加してしまう、

少なくとも電気自動車のように、車両を購入した後でもさらにCO2排出量が少なくなっていくというようなことはあり得ませんので、

そもそもこのように、世界的な脱炭素化の流れにおいて、電気自動車の秘めているポテンシャルは、既存の内燃機関車とは次元が違うということが、お分りいただけるのではないでしょうか?

EVバッテリーは25万km走行しても、劣化率は約8%

ちなみにこの経年劣化の話をすると、電気自動車はすぐにバッテリーが劣化するのでハイブリッド車の方がエコだろーがー、という類の反論に関してですが、

2021年現在発売される多くの電気自動車に関しては、搭載されているバッテリーに強制水冷機構という、バッテリー温度を最適に管理してくれる機構が搭載されていますので、

そのバッテリーの劣化率が著しく改善していて、例えばすでに強制水冷機構を採用していたテスラ車のデータを見ると、

概ね25万km走行した後においても、バッテリー劣化率は8%程度に留まっているという、驚きのデータがすでに出ていますし、

From: electrek

そもそもこちらのデータというのは、2012年から発売されている初期型のテスラ車も含まれていますし、

そのバッテリーマネージメント技術が向上している2021年現在であれば、この数値よりもさらに良い結果が得られると思いますので、

何れにしても、25万km走行した後でもバッテリー劣化率は8%程度、つまりバッテリー交換などする必要がないということと同義であり、

バッテリーがすぐに劣化するからエコじゃないだろーがー、という反論には当たらない、ということですね。

電気自動車はずっと高いままなのか?

さらにトヨタ側は、電気自動車は高いので一般ユーザーにとって実用的な車にはなり得ないという趣旨の発言をしていますが、

こちらに関しては、まずは先ほども解説したように、すでに電気自動車戦争が勃発しているヨーロッパ市場や中国市場においては、

すでにその電気自動車において最もコストのかさむリチウムイオンバッテリーの生産工場を、国レベルでバックアップしている最中であり、

その電気自動車需要の高まりとともに、より多くのバッテリーが生産される、

したがって、その量産コストが低下していき、電気自動車の量産コストもさらに低下していくのです。

ヨーロッパのバッテリー生産工場一覧

そして、すでに複数のシンクタンクが、そのバッテリーのコストが今後数年間で1kWhあたり100ドルを切ってくるという予測を出していて、

この100ドルという数値が、業界で言われる、電気自動車と既存の内燃機関車の値段設定がほぼ同じになっていく分水嶺的な価格なのですが、

そもそもこのたった10年間で、そのバッテリーコストは10分の1にまで低下していて、

そして、おそらく2024年ごろあたりには、そのバッテリー価格が1kWhあたり100ドルを切ってくると予測されているのです。

From: BNEF

さらに、アメリカのエネルギー省が公式に、今後電気自動車用のリチウムイオンバッテリーのコストは、

その100ドルという値を大きく下回り、概ね60ドル程度にまで下落していくのではないかという見解を発表してもいて、

何れにしても、中長期的な視野において、電気自動車が既存の内燃機関車よりもコスト面で勝るということは、世界的には常識のような見方でもありますので、

とにかくそのコストを少しでも下げるために、そして世界の脱炭素化を1日でも早く進めるために、

欧米、そして中国のメーカーは、揃って電気自動車、そしてリチウムイオンバッテリーの生産体制の構築に全力を挙げているのです。

したがって、トヨタ側の発言である、電気自動車は高いので、マス層には届かないという主張というのは、現状認識としては正しいものの、

すでに電気自動車の持つポテンシャルを世界の多くのメーカーが理解し、すでに電気自動車へと大きく舵を切っているという状況の中で、その内燃機関車に固執、

少なくとも今回の元々の発言でもある、2050年までハイブリッド車が売れ続けることなど、現状の最新のデータを見れば見るほど、ほぼあり得ない状況となってきているわけなのです。

そもそも2050年までにハイブリッド車を売れなくなります

ちなみにですが、個人的にはこれらの規制よりも早く、電気自動車しか売れなくなってしまう時代へと突入するとは推測していますが、

現在世界各国が、そのトヨタの得意としているハイブリッド車も含めた内燃機関車の販売を禁止する決定を下しているということで、

例えばノルウェー市場における2025年度までの内燃機関車の完全な販売禁止を皮切りに、

先進国の一角であるフランスに関しては、2040年までに、

イギリスについては、こちらの表では2035年までとなっているものの、最新の発表ではさらに前倒しし、2030年までの禁止を表明するなど、

そもそも一自動車メーカーが、今後もハイブリッド車をはじめとする内燃機関車を売り続けたいと思っていたとしても、世界がすでにその禁止の流れに進んでしまっているということを考えれば、

やはり電気自動車に舵を切っていかなければ、電気自動車開発、

特にその電気自動車としての質と量産コストを決定づけるバッテリーの生産体制を確立という観点で、世界から遅れを取ってしまい、

遅かれ早かれ、より早く電気自動車へと方針転換した自動車メーカーとは勝負がつかなくなっていくのです。

もともと2040年までだったイギリスは10年短縮
From: beautiful news daily

ハイブリッド車と決別宣言を行なったホンダ

そして、そのような電気自動車におけるラガードであるトヨタとは異なるスタンスを表明してきているのが、同じく日本のホンダとなっていて、

こちらも以前の動画において解説したように、なんと我々日本市場を含むグローバルにおいて発売する全ての車両を、完全な電気自動車、もしくは水素燃料電池車のみ、

つまりゼロエミッション車のみのするという大方針を示してきたということで、

こちらは今までホンダが得意としてきたハイブリッド車をも完全に捨て去るということを意味していますので、

この意味において、ついに日本メーカーから初めてグローバルスタンダードな電動化戦略が提示された格好となるのです。

そしてホンダに関しては、そのアグレッシブな電動化戦略を確実に実行していくために、

まずは、栃木県に位置する、主にエンジンや変速機を製造している工場を、2025年までに閉鎖することを発表してきたということで、

こちらは間違いなく、今後確実に縮小していくガソリンエンジンの部品製造部門を整理する狙いがあるとみられますし、

From: 朝日新聞デジタル

さらに追加で明らかになってきたことというのが、

そのホンダの国内でラインナップしていた、オデッセイとレジェンド、そしてクラリティの3車種が生産終了するという発表を行ってきたということで、

こちらに関しては、我らが埼玉県の狭山市に位置する工場の閉鎖に伴い、そこで生産されていた車種をそのまま廃止するという流れとなっていて、

こちらも同様に、着々と内燃機関車における車種整理を、進め始めたことを意味すると思いますが、

閉鎖が決まった狭山工場

特に注目なのは、プラグインハイブリッド車と水素燃料電池車をラインナップしている、クラリティの生産も終了するという点であり、

しかもこの動きは、アメリカ市場で生産されているクラリティについても全く同様であり、

このようにして、内燃機関車だけにとどまらず、プラグインハイブリッド車、さらには、ホンダ唯一の水素燃料電池車であったクラリティFCEVすらも、その生産を一旦終了するという、

やはりこのように、今後の電気自動車時代のために、ゼロベースでもって、

既存の部品工場の立ち位置であったり、車種のラインナップの再編成を行っている最中となっているのです。

From: 日本経済新聞

トヨタもホンダもグローバル電気自動車SUVを市場に投入

そしてホンダに関しては、来年である2022年の春にも、ついにグローバルに展開する初の完全な電気自動車となる、ミッドサイズSUVを発売すると発表してもいますので、

何れにしても、この新型電気自動車の、電気自動車としての質がどれほどを達成しているのか、

特に、すでに発売している電気自動車のHonda eにおいて問題が指摘されている脆弱な充電性能であったり、

そもそも今回の新型EVに、Honda eのように、電気自動車専用プラットフォームを採用してくるのか、という点に注目しなければなりませんし、

そして、そのホンダが完全に内燃機関車を捨て去った10年後においても、

まだその需要が残り続け、一定の販売台数を期待することができると考えている、電気自動車に及び腰なトヨタに関しても、

すでに来年である2022年の中旬にグローバルで発売がスタートするとアナウンスされている、BZ4Xの電気自動車としての質がどれほどを達成してくるのか、

本チャンネルをご覧いただいている皆さんであれば、その電気自動車としての質を競合車種と比較すれば、

そのメーカーがどれだけ電気自動車に対して本気なのかは、火を見るより明らかであることが、体感値ベースでお分りいただけいるとは思いますので、

これらの日本メーカーから発売される新型電気自動車の質についても、最新情報がわかり次第、情報をアップデートしていきたいと思います。

そして、是非とも日本最大の企業であるトヨタに対しては、

電気自動車はコストが高くつくから普及することはないと、電気自動車戦国時代が始まったばかりの状況において批判するのではなく、

トヨタが先陣を切ったハイブリッド車の普及の際に、その経営努力によってハイブリッド車の値段を下げ、

現在マス層に届いている、その世界最高レベルのハイブリッド車の開発の過去を思い出して、

前向きに、未来志向でもって、来たる電気自動車時代に対応していってほしいと感じるのは私だけでしょうか?

From: Bloomberg

Author: EVネイティブ

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