【2023年4月速報】日本のEV市場急成長! アリア躍進も韓国ヒョンデ・テスラ販売失速 国内最新EV販売動向解説

EV普及動向

日本国内における最直近の4月度のEV販売台数が速報され、前年比で2.5倍以上という圧倒的な成長を見せながら、日産アリアの販売台数が急速な回復を見せたことによって販売再開に大きな期待が集まるとともに、その値上げの動きにも注目が集まる、

他方で韓国ヒョンデのEV販売台数が大きく落ちこむなど、日本の最新EV動向を一挙に解説します。

日本市場におけるこれまでのEV販売動向は以下のようになっています。

  1. 欧州や中国市場と比較して、日本市場では爆発的なEV普及には至っていませんでしたが、2022年中旬から軽自動車セグメントで日産サクラと三菱ekクロスEVが登場し、EV販売台数が急激に拡大しました。
  2. 2022年中には、日産アリア、トヨタbZ4X、メルセデスEQB、EQE、EQS、BMW i4、i7、アウディQ4 e-tron、ヒョンデIONIQ5など、新型EVが国内外のメーカーから一気に発売されました。さらに、2023年初頭には、BMW iX1、BYD Atto 3なども発売され、2023年シーズンには納車が一気に進むと見られています。

日本市場における直近の4月度のEV販売動向は以下のようになっています。

  1. 電動化率(バッテリーEVとPHEVの販売割合)は3.51%を記録し、着実に上昇しています。ただし、2017年シーズンの電動化率3.4%に戻っただけで、大きな成長はしていないとも捉えられます。
  2. 2023年4月度のバッテリーEVとプラグインハイブリッド車の販売台数合計は、1万台を超えました。前年同月の約4000台と比較して、EV販売台数は前年比で2.5倍以上の成長を遂げました。
  3. 2023年4月までの合計EV販売台数は約5万台で、4ヶ月間で2021年シーズンのEV販売台数を超えており、台数ベースでEVが普及していることが分かります。
  4. PHEVを除いたバッテリーEVのみの販売台数は6212台で、PHEVの4000台弱と比較して1.5倍の比率を示しており、日本国内ではバッテリーEVが人気であることがわかります。バッテリーEVの販売シェア率は2.15%を達成しています。
  5. 先月の4月度において、日本の新車販売全体のうち50台に1台以上がバッテリーEVであったことが分かります。

しかし、世界と比較すると、日本はバッテリーEVの普及で圧倒的に遅れています。

  1. 中国市場とドイツ市場では、急速にバッテリーEVのシェア率が高まっています。2023年3月度では、ドイツは15%、中国は24%のバッテリーEV販売比率を示しています。
  2. 一方、日本では50台に1台というバッテリーEV比率に留まっており、主要先進国と比較して遅れていることが分かります。

以上の情報から、日本市場におけるEV販売は確実に伸びているものの、世界の先進国と比較すると遅れていることが分かります。

日本市場のバッテリーEV普及動向について、新興国との比較では、タイ市場の4月度バッテリーEV比率が6%と、日本の3倍のレベルに達していることから、日本は新興国にも遅れを取っています。日本では、軽自動車セグメントのEVが50%近くを占めており、サクラやekクロスEVの人気が高まっています。

一方、日本市場で苦戦しているのがテスラジャパンで、2023年第一四半期の販売台数は半減し、グローバル市場と比較して販売台数が低い状況です。2022年第四四半期からモデルYの納車が始まっているにもかかわらず、販売は低迷しており、第二四半期以降の販売も厳しいと見られます。

モデルYロングレンジが追加されたことで、5月以降の販売台数がどれほど伸びるかが注目されますが、もし伸び悩む場合、2023年後半はバックオーダーがない状態となり、テスラジャパンにとって冬の時代が訪れることになります。

輸入車メーカーのバッテリーEV販売台数は、累計で4000台を突破し、2022年以降に販売が開始されたメルセデスEQB、アウディQ4 e-tron、BMW iX1などのプレミアムセグメントの電動SUVが好調です。特にドイツ御三家がプレミアムセグメントでEVシェアを拡大していくと見られます。

日産アリアはプレミアムセグメントで圧倒的な販売シェアトップを達成し、販売台数は1102台で安定しています。日本国内での販売台数が一時期急落していたが、これは海外マーケット向けの車両生産を優先していたためと推測されます。最近は欧州、北米、日本向けの販売台数が概ね1000台程度で安定しており、日産アリアの生産体制が安定してきていると見られます。ただし、日本国内での販売価格は約50万円程度の値上げが予想されます。

一方、韓国ヒョンデのIONIQ5は、2022年5月から販売が開始されたものの、最近の販売台数はわずか20台で、認知度の低さや最初のユーザーが購入し切ってしまった後の販売台数が続かない状況です。これからはIONIQ5以外の新型EVの登場が求められると言えます。

ヒョンデは2023年中に、IONIQ5よりもコンパクトなSUVのKona Electricを販売する予定です。値段設定がKona Electricの成功を左右し、韓国ヒョンデの2023年から2024年の成功にも影響を与えるでしょう。すでに競合として存在するBYD Atto3との比較で、適切な値付けが重要です。

Kona Electric

2023年4月度の日本国内のEV販売動向から、EVシフトが着実に進んでいることが確認できます。軽自動車セグメントのEV販売台数が想定通りに進んでおり、今後トヨタとダイハツが共同開発する商用軽EVやホンダのN-VANのEVバージョンが加わることで、商用セグメントのEVシフトも期待できます。

日本国内では、日産のサクラ、リーフ、アリアという3車種が今後も支配的な地位を占めることが予想されます。一方で、テスラやヒョンデは販売が低迷しており、テスラはモデル3のモデルチェンジ、ヒョンデはKona Electricの追加でどこまで挽回できるかが注目されます。

また、BYDに関しては、8月中に販売予定のコンパクトハッチバックのドルフィンが、日本市場でどれだけ受け入れられるかが重要です。

2023年後半にかけて、これらの動向に注目していくことが重要でしょう。

From: JADAJAIA全軽自協

Author: EVネイティブ