日産が日本市場において、日本最大級となる電気自動車用のバッテリー生産工場を建設することを公式に発表し、
アリアと軽自動車EVに続く、新型EV用のバッテリーの供給体制を確保する考えを示してきました。
日産はバッテリー調達に古くからコミット
まず今回の日産のバッテリー生産についてですが、
もともと2009年には、NECとの合弁会社であるAESCを立ち上げて、自社内においてバッテリーを生産し、
すでに神奈川の座間工場、イギリスのサンダーランド工場、そしてアメリカのテネシー工場において、
合計して7.5GWhという生産キャパシティを備えている状況となっています。
しかし、そのバッテリー事業を担当していた合弁会社であるAESCを、中国のエンビジョングループに売却し、
確かに今だにその株式の20%を取得し続け、一定の影響力を維持してはいるものの、
そのバッテリー生産については、第一線から退いた格好となっていたのです。
しかしながら、昨今の電気自動車の流れとともに、日産はその電気自動車の生産体制、特にその電気自動車におけるコアテクでもある、バッテリーの生産体制を強化する方針を示し、
すでに一足早く、イギリスのサンダーランド工場のすぐ隣に、エンビジョンAESCと協業して、
最大35GWh、リーフの搭載バッテリー容量に換算して87万5000台分ものバッテリーを生産する工場の建設を表明し、
しかもその上、そこで生産された最新型のバッテリーを搭載し、アリアの次のモデルである、新型クロスオーバーEVを生産することも表明してきているのです。
日本最大級の電池生産工場を茨城県に建設
そして、そのような背景において今回新たに明らかになってきたことというのが、
日産が、新たなバッテリー生産工場として、イギリスに続き、なんと我々である日本市場においても建設を表明してきたということで、
こちらに関しても先ほどのイギリス市場と全く同様に、エンビジョンAESCとタッグを組んで建設を進めるとし、
基本的には、日産向けにバッテリーを供給するという方針であり、
そのエンビジョンAESC側の投資額は、まずは500億円、さらには今後5年以内に、その投資額を1000億円にまで拡大し、
現状日産側からの公式のアナウンスはないものの、日産についてもその一部を拠出する格好となる公算ですので、
こちらもイギリスのサンダーランド工場と全く同様に、エンビジョンAESCと一蓮托生でバッテリー生産にコミットしていく考えが示唆されていると思います。
また、その生産キャパシティに関してですが、
量産開始直後は年産6GWhと、リーフに換算して15万台ほどの生産キャパシティとなりますが、
最終的には、最大で18GWh程度にまで、その生産体制を拡充しますので、
その場合、リーフ換算でなんと45万台分という、日本最大級の電気自動車用のバッテリー生産工場になる見込みともなっています。
そして、その実際の量産開始時期についてですが、2024年中の量産開始を予定し、実際の着工は、数ヶ月後である今年の10月からというタイムラインも発表されています。
ちなみにですが、こちらの茨城県に位置するバッテリー生産工場における、量産開始時期である2024年というタイムラインというのは、
以前の日産の決算発表において提示してきた電気自動車発売のタイムラインと、おおよそ合致するということで、
こちらのタイムラインというのは、左からアリア、そしてImkというコンセプトモデルをベースにした軽自動車EVとなりますが、
さらに記載されている新型電気自動車については、2023年度以降の発売を計画していることが示唆、
つまり、こちらの新型電気自動車に搭載するバッテリーから、今回の茨城県のバッテリー生産工場で生産された新型バッテリーセルを採用してくるのではないか、
そしてその新型車というのは、おそらくすでにイギリス市場で予告されていたクロスオーバーEVとなるのではないか、ということなのです。
日産のEV戦争逆襲なるか?
何れにしてもこのように、日産については元々のパートナーであるエンビジョンAESCとタッグを組んで、新たにバッテリー生産工場を立ち上げて、
今後の電気自動車時代に対応する考えを明らかにしていますので、
特にその生産される新型バッテリーの性能であったり、そのバッテリーを採用した新型電気自動車の最新情報、
もちろん間も無くアナウンスされる日産側からの、今回のバッテリー生産工場に関する詳細についても、
その日産の現状のバッテリー生産能力を海外勢と比較しながら、改めて徹底的にまとめていきたいと思います。
From: 茨城新聞
Author: EVネイティブ
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