中国の電気自動車スタートアップであるXpengの、最直近である7月度の販売台数が速報され、Xpengの歴史上最高の販売台数を更新しながら、
特にフラグシップセダンの販売台数が急増し、
そして最新情報として、新たな車両生産工場の建設、および4車種目となる新型電気自動車SUVの最新動向も含めて、Xpengの最新情報を一挙に網羅します。
史上最高の販売台数を台数を2ヶ月連続で更新
まず今回のXpengに関してですが、2014年に設立された中国の電気自動車スタートアップとなっていて、
設立してからたったの4年後である2018年には、Xpeng初の量産車となるクロスオーバーEVのG3の発売をスタートし、その生産体制を着実に伸ばしてきていましたが、
中国市場を発端とする、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックの影響をもろに受けて、
特に2020年初頭から半年間近くは、その販売台数が完全に低迷してしまい、一時はかなり厳しい見通しすら聞こえていたのですが、
そのパンデミックによる需要の落ち込みをなんとか乗り越え、
2020年の後半からは、特にXpeng第二の新型電気自動車であり、フラグシップスポーツセダンとなるP7の納車もスタートさせ、
特にこのP7の成功の後押しを受けて、Xpeng全体の販売台数が急速に拡大している状況となっているのです。
そのような背景において、今回新たに明らかになってきたことというのが、最直近である7月度の販売台数が速報されたということで、
現在ラインナップしているG3とP7の販売台数の合計が、なんと8040台と、なんとXpengの歴史上最高の販売台数を2ヶ月連続で更新してきたということで、
しかも、先々月である6月度のオールタームレコードであった6500台程度という数値を大きく超えて、
いよいよ月間で8000台という販売台数を達成してきているということは、
もう間も無く年間10万台の販売台数を達成する勢いであるということになりますので、いよいよ電気自動車ベンチャーとしてのフェーズは完了を迎え、
一電気自動車メーカーとして、今後の中国の電気自動車市場を牽引するメーカーとなることを期待することができそうです、
そして、7月度の販売台数の内訳に関してですが、
まずは、クロスオーバーEVであるG3の販売台数が1986台と、この半年間ほどは、月間2000台程度の販売台数で落ち着きを見せてしまっていますので、
やはり、すでに発売をスタートさせてから3年ほども経過してしまっているということで、そのG3の魅力も含めて、翳りが見え始めているのではないかと考えられるのですが、
Xpengはつい直近で、そのG3のフェイスリフトを行なってきたということで、
そのフェイスリフト後のG3iという最新グレードに関しては、来月である9月中の納車スタートを見込んでいますので、
もしかしたらここ直近の販売台数の増減がないという状況というのは、
そのモデルチェンジ後のG3iの購入のための、買い控え的な動きによるものではないかと推測することができ、
むしろそのように考えてみると、今だに一定の販売台数を維持しているという状況は、
そのG3の一定の需要を維持することができているという、肯定的に捉えることもできるのではないでしょうか?
P7の販売台数が急増中
そして今回最も特筆すべきは、フラグシップスポーツセダンであるP7となっていて、その販売台数が6054台と、
なんと先々月である6月度に記録した、史上最高の販売台数の4730台という数値をさらに大きく超えて、大台の6000台を突破してきてしまったということで、
一般論で言えば、決算の関係上、その四半期の最終月に納車台数が多くなり、その翌月というのは、やや販売台数が落ち着く傾向がありますので、
まさにその最終月であった6月度の販売台数のレコードというのは、特に納得することができていたのですが、
四半期の最初の月である7月度においても、そのP7の販売台数がさらに加速度をつけて伸びているという点は、
間違いなくこのP7の人気が、さらに拍車がかかっている状況なのではないかと考えられるのです。
そして、そのP7の販売台数急増の理由に関してですが、
やはり一番可能性が高いのが、5月度に新たに追加設置されたエントリーグレードである、スタンダードレンジグレードの影響なのではないかと考えられ、
このスタンダードレンジに搭載されているバッテリーの種類というのが、LFPと呼ばれる、
そのほかのグレードで採用されている三元系のバッテリーセルよりも、より安価に調達可能なバッテリーセルの種類となっていて、
したがって、その1つ上の上位グレードであり、航続距離にして100km近く余分に走行することができるロングレンジグレードと比較しても、
その車両本体価格は全く同じく、日本円に換算して、おおよそ380万円程度である一方で、
その標準搭載されるオプションが異なり、特にXpilot2.5と呼ばれる、Xpengの自動運転支援技術を始め、
そのようなオプションが標準装備されているということを考慮すれば、
実はこの5月から追加設定されている、LFP搭載のスタンダードレンジグレードはかなり割安であり、
よって、そのP7全体の販売台数を押し上げているのではないかということなのです。
ちなみにですが、P7の上級グレードであり、最も航続距離が長いグレードであるSuper Long Rangeグレードに関しては、
中国で一般敵機に採用されているNEDCサイクルという基準において、706kmという圧倒的な航続距離を達成し、
高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルに変換してみても、
おおよそ618kmという圧倒的な航続距離を達成し、その電費性能という指標でみても、
競合車種であり、私自身も所有しているテスラモデル3のスタンダードレンジ+グレードと同等の電費性能、
しかも航続距離は、EPAサイクルにおいておよそ423kmを達成するモデル3よりも、P7の方が圧倒的に長いという、
この点だけを取ってみても、XpengのフラグシップセダンであるP7の、極めて洗練された質の高さを垣間見ることができたのではないでしょうか?
Xpeng史上最も売れるEVの発売も間近
そして、今回の絶好調であるXpengについては、今後さらに販売台数が加速度をつけて上昇していくことは、まず確定的であるということで、
というのも、来月である9月中までには、Xpeng第三の新型電気自動車として、ミッドサイズセダンのP5の発売をスタートさせながら、
10月以降の第四四半期までには、実際の納車をスタートさせるともアナウンスしてきていますので、
したがって、このP5の納車がスタートする第四四半期、特にその生産体制が拡充し始める年末あたりには、
P5の予約注文台数である1万台以上を捌くために、その量産体制を一気に拡充し、その販売台数も急上昇していることでしょうから、
先ほども取り上げた、クロスオーバーEVであるG3のモデルチェンジも含めて、
その月間販売台数で1万台を超えてくることは、ほぼほぼ間違いないと断言したいと思います。
新型EVはラージサイズ級のSUV
さらにその上、この直近においてリークされているのが、
そのP5に続くXpeng第四の新型車である、ラージサイズ級の電気自動車SUVが追加設定されるのではないかということで、
すでに中国国内において、プロトタイプのテスト走行の様子が目撃されており、
そのサイズ感に関してですが、左に駐車しているP7と、全幅については似たようなサイズ感、
少なくとも、全幅が1896ミリのP7よりも小さいというようなサイズ感には見えませんので、
こちらはミッドサイズ級というよりかは、例えばBMWのX5のような、ラージサイズ級のSUVになっているのではないかと推測することができそうです。
そして、そのXpeng第四のラージサイズ級電気自動車SUVの存在を確定させる資料も発見されており、
それが、Xpengが香港市場への重複上場に向けた公聴会において、実際に提出された目論見書となっていて、
まずそこには、Xpeng4車種目となる、先進自動運転システムなどを搭載したSUVを、2022年中に発売するという記載があり、
さらにそのタイムラインを示した表を見てみると、その4車種目のラージサイズSUVに関しては、2022年の中でも後半パート、
おそらく第三四半期の後半ごろからの納車スタートというタイムラインになるのではないかと推測することが可能ですが、
つまり、昨年中旬に発売されたP7に続いて、今年である2021年中にはミッドサイズセダンであるP5、
そして来年である2022年中には、ラージサイズSUVを納車してくる、
要するに、毎年1車種ずつ新型電気自動車をラインナップしてくる格好となりますので、
いよいよXpengの成長スピードが、加速度をつけて早まっているということが、この商品ラインナップの展開のスピード感からも感じることができるのではないでしょうか?
新型SUVはP7と同じプラットフォームを採用
ちなみに、その気になるラージサイズ級の新型電気自動車SUVに関して、現在までにわかっている情報をいくつか紹介しておくと、
まずその新型SUVに採用されるプラットフォームというのが、Edwardプラットフォームであるということで、
そもそも、現在Xpengは2つの電気自動車専用プラットフォームを開発していて、
まずはDavidプラットフォームと呼ばれる、
ホイールベースが2600ミリから2800ミリという、ミッドサイズ級の電気自動車用のプラットフォームであり、
現在は、クロスオーバーEVであるG3、そして間も無く正式な発売がスタートするP5に採用されています。
そしてもう一つが、Edwardプラットフォームを呼ばれる、
ホイールベースにして2800ミリから3100ミリという、ラージサイズセグメント級の電気自動車専用プラットフォームであり、
現在は、スポーツセダンであるP7に採用されていますが、
このEdwardプラットフォームを、今回の新型SUVにも採用する予定となっている、
つまり、この採用予定のプラットフォームからも、やはりミッドサイズ級というよりかは、ラージサイズ級のSUVとなる公算が高い、と推測することができるのです。
ちなみにXpengは今後、この2つのプラットフォームに続く、第三の電気自動車専用プラットフォームの開発も計画し、
特に、ミッドセグメントから、ハイエンドセグメントの車種に対応するプラットフォームを開発する計画であるとしていますが、
この書き方を見るに、おそらくこの後にラインナップされるはずである第5の新型電気自動車に関しては、
既存の2つのプラットフォームのどちらかを採用してくると推測することはできそうです。
新世代自動運転技術のXpilot4.0も搭載か
また、来年納車予定であるラージサイズ級の電気自動車SUVについては、
Xpengの自動運転技術であるXpilotの最新バージョンである、Xpilot4.0を初採用してくるということで、
こちらのXpilot4.0に関しては、間も無く発売がスタートするP5に搭載される、Xpliot3.5において使用可能になった、
高速道路上だけではない、郊外における、目的地をセットするだけで、追い越しなどを含めた自動運転支援を行ってくれるという機能をさらに進化させ、
おそらくより幅広い範囲において、その自動運転支援技術を適用することができるようになる公算であり、
その具体的なスペックについては、いまだに明らかにはされていませんが、
何れにしても、電気自動車としての質が高いP7と同じプラットフォームを採用しながら、
自動運転に社運をかけたXpengの最新自動運転技術であるXpilot4.0が搭載される、2022年後半に発売のラージサイズ級SUVについては、
最新情報がわかり次第情報をアップデートしていきたいとは思います。
車両生産工場をさらに3つも建設へ!
またXpengに関しては、その急増する需要に対応するために、現在唯一の車両生産工場であるZhaoqing(ザオチン)の工場に加えて、
現在Guangzhou(グアンジョウ)に、第二の車両生産工場を目下建設中であり、
こちらは2022年の第四四半期から実際の生産をスタートさせる計画となっています。
さらにその上、この直近である7月31日において、Xpengは第三の車両生産工場を、中国の内陸中央部であるWuhanに建設することを公式に発表してきたということで、
こちらのWuhan(ウーハン)の車両生産工場については、年産で10万台分の車両を生産することができるキャパシティを備えるとしていますが、
現時点では、その実際の生産開始時期などは明らかとはなっていません。
そして、Xpengは続けて、内陸の西側に位置するChengdu(チェンドゥ)においても、Xpeng第四の車両生産工場を建設するために、現在水面下で交渉が進められているというリーク情報があり、
おそらくこちらに関しても、そう遠くない時期に正式なアナウンスがあるとみられますが、
何れにしても、この車両生産工場の立地を見てみても、まさに中国全土に満遍なく立地を計画していることが見て取れますので、
今後Xpengについては、中国全土を網羅する体制を構築しようとしている意図もお分かりいただけると思います。
何れにしてもこのように、今回オールタイムレコードの販売台数を達成したXpengに関しては、
すでに年間で10万台という台数を販売できる生産体制を確立しているということになり、
今後のさらなる新型車の投入によって、その販売台数が急速に拡大していくことは間違いなく、
それとともに、その車両生産工場をさらに建設し、その供給体制もしっかりと確保することができそうですので、
この時点において、Xpengについては、いよいよ電気自動車ベンチャーというカテゴリーから、一電気自動車メーカーに昇華して、
今後さらに加速度をつけて拡大する中国、そして世界の電気自動車市場を牽引することになるでしょう。
From: Xpeng(July sales)、Xpeng(Hearing Information)、CNEV POST(4th model)
Author: EVネイティブ
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