【お値段なんと105万円から!】中国Geely「Geometry EX3」が日本製EVを完全凌駕へ

EX3

中国の巨大自動車グループであるジーリーグループが、新型電気自動車SUVを発表し、

特に日産リーフやマツダMX-30などの、日本メーカー勢の電気自動車と同等のスペックを達成しながら、

日本円にして、驚愕の105万円から購入できるという圧倒的なコスパを達成してきたという、衝撃のニュースを解説します。

海外進出に積極的な「不気味なGeely」とは

まず、今回のジーリーグループに関してですが、

様々な巨大国有自動車メーカーが存在する中国において、巨大な民間自動車グループとして存在感を放っているわけで、

実はこのジーリーについては、中国企業としては珍しい、海外資本をうまく取り込むことにも成功しており、

特に、北欧の自動車グループであるボルボグループを傘下に収めてしまったり、

さらには、ドイツの高級車メーカーであるメルセデスを傘下に収めるダイムラーの筆頭株主でもあるなど、

こちらは現在の中国のトップである習近平国家主席と、ジーリーのトップである李書福が、非常に関係が深いことから、

その海外資本の獲得などに厳しい制約を有する中国企業の中でも、うまくグローバルに展開することができている、

やや異色の自動車メーカーということになります。

そして、そのジーリーに関しては、中核ブランドであるジーリーオートを筆頭に、

それ以外にも、高級スポーツカーを手がけるロータスであったり、

特に以前の動画でも詳細に取り上げていたように、高級電気自動車専門ブランドであるZeekrを立ち上げて、

そのZeekrブランドからは、いよいよ初となるプレミアムクロスオーバーEVの001の納車が、今月である10月中にもスタートし、

その中国製EVの中でも、最高の充電性能を発揮するために、

自らが主導して、超高性能の急速充電インフラを整備し始めています。

自動運転はBaiduと共同で開発

さらに、現在自動車産業を襲っている電気自動車という津波第1波の後に、

さらに巨大な大津波第2波として、自動運転が控えているわけですが、

今回のジーリーに関しては、中国の巨大テック企業であるバイドゥと提携して、

アポロ計画と名付けられた自動運転開発を共同で進めながら、

特に今年である2021年に入ってから、ジーリーとバイドゥは合弁会社を立ち上げ、

そこから、自動運転レベル4を達成した電気自動車を発売することもアナウンスし、

その自動運転機能搭載EVについては、ジーリーが独自に開発した電気自動車専用プラットフォームであるSEAプラットフォームを採用し、

実際の生産もジーリーが行うという、

何れにしてもこのように、中国のジーリーというのは、電気自動車や自動運転など、その大津波をに争うのではなく、

むしろうまく波に乗って、一気にそのシェアを拡大しようとしている、

ということなのです。

大衆ブランドGeometryから新型EV登場

そして、そのような背景において今回新たに明らかになってきたことというのが、

そのジーリー傘下の電気自動車専門ブランドの1つでもあるGeometryが、新型電気自動車を発表してきたということで、

それが、EX3と名付けられたコンパクトSUVセグメントであり、

こちらのGeometryブランドに関しては、先ほどの高級電気自動車ブランドであるZeekrとは異なり、大衆車セグメントを展開し、

より大きな市場を有する大衆セグメント向けに訴求することになりますので、

その販売台数にも相当な期待を寄せることができます。

そこで今回は、中国ジーリーの発売するGeometry EX3という電気自動車が、

なぜ本メディアにおいて非常に注目すべきと考えているのかを、容易に理解していただくために、

同じようなセグメントである、日本メーカーの大衆電気自動車と比較して、一体そのスペックでどの程度を達成してきているのか、

日本メーカーの電気自動車は、世界でどれほどの競争力があるのか、

そして今回のEX3が、中国、そして世界でどれほど売れることになるのかを、徹底的に考察していきたいと思います。

まずはじめに、今回比較対象としていきたいのが、

日本で圧倒的に売れている、つまり日本において最もバランスの取れている電気自動車である日産リーフ

そして、コンパクトSUVセグメントとして、マツダのMX-30を取り上げたいと思います。

コンパクトバッテリーでEPA200km程度を達成か

まず、その搭載バッテリー容量に関してですが、

今回のEX3に関しては37.23kWhと、比較的コンパクトなバッテリー容量を搭載し、

それに対して日産リーフやMX-30についても、それぞれ40kWh、35.5kWhと、

同じように、コンパクトなサイズ感のバッテリー容量を搭載していますが、

中国市場に関しては、さらにコンパクトな、概ね10-15kWh程度という少量のバッテリーを搭載した、

超格安小型電気自動車というセグメントも存在していますので、

今回のEX3は、そのような小型車セグメントとはまた違うセグメントで勝負を仕掛けてきている、ということになります。

そして、気になる満充電あたりの航続距離に関してですが、

中国で一般的に採用されているNEDCサイクルにおいて、

今回のEX3は322kmと、一定の航続距離を達成していますが、

こちらのNEDCサイクルという基準は、実用使いにおいては全く参考にすることのできない基準となりますので、

高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルに変換してみると、

現状の概算値とはなりますが、概ね200km弱程度という航続距離にまで落ち込んでしまいます。

ただし、日本メーカーの競合車種と比較してみると、

特にリーフの方は、若干多めにバッテリーが搭載されている分、やや航続距離が長いものの、そこまでの大差はありませんし、

特に、同じく電費性能という観点で分が悪いコンパクトSUVセグメントのMX-30よりかは、幾分航続距離を稼げてもいるわけですので、

この航続距離、そしてバッテリー容量と比較した電費性能という観点では、

特に大きな差はない、ということになります。

強制水冷機構搭載で充電性能も高い

しかしながら、電気自動車としての性能において大きく異なる部分というのが、その充電性能となっていて、

今回のEX3に関しては、最大充電許容出力が概ね70kW程度と、

確かに2021年現時点で発売されている世界の電気自動車と比較してしまうと、

その許容出力の数値自体は見劣りしてしまうように見えますが、

その充電時間については、80%まで充電するのに30分以内と、

それこそリーフやMX-30については、おおよそ40分程度かかってしまうということを考えれば、

少なくとも日本メーカー勢の電気自動車よりも、相当に質が高いということがお分かりいただけると思います。

そして、その高い充電性能を可能にしているのが、バッテリーの温度管理機構となっていて、

今回のEX3については、強制水冷機構という、

バッテリーパック内に液冷式の管を通して、バッテリー温度を最適に調整することができますので、

その充電によるバッテリーの温度上昇を気にする必要なく、

高い充電出力を、より長時間持続させることができるのです。

したがって、特に強制水冷機構を有していないリーフであったり、

強制水冷機構を有していながら、おそらくその質が低いことによって、

カタログスペックよりも充電性能が低くなってしまってすらいるMX-30よりも、

その充電性能が高い、ということなのです。

要するに、確かに先ほどの満充電あたりの航続距離という指標だけで言えば、200km程度と、

実用的に運用するのには、やや厳しいスペックのように感じてしまうものの、

今回のように充電性能が優れているのであれば、

基本的には街乗り中心でしか車を使わないが、年に何回かは遠乗りとして使用する場合もあるというような方にとっては、

無駄に大量のバッテリーを搭載しないことによる、電費性能の向上

つまり、より電気を節約することにも繋がるわけですし、

年に数回という長距離走行のためだけに、無理に搭載バッテリー容量の大きい、より高価な電気自動車を購入する必要もないという、

非常に合理的な選択のように捉えることもできる、ということなのです。

ラゲッジスペースはリーフよりも大きい

また、今回のEX3の車両サイズについては、

全長が4005ミリ、全幅が1760ミリ、そして全高が1575ミリと、

例えば日産が発売しているコンパクトSUVであるキックスと、

同じ全幅でありながら、全長はさらに少し短いようなイメージとなり、

このサイズ感であれば、全く問題なく我々日本市場でも走行できそうな、コンパクトなサイズ感に収めることができています。

しかしながらポイントであるのが、そのラゲッジスペースとなっていて、

今回のEX3については、なんと500Lというラゲッジスペースを確保しているということで、

それよりもセグメントが上であるMX-30が366Lであるということを鑑みると、

いかに今回のEX3が電気自動車として最適化されているのかがお分かりいただけると思いますし、

その最適化という観点で付け足せば、

その全長に占めるホイールベースの長さの比率が、リーフやMX-30よりも長い、

つまりそれだけ車内スペースを確保することにもつながり、

さらに、後席の足元部分に関してもフラット化することができている、

つまりセンタートンネルが必要のない電気自動車として、しっかりと最適化することができている、ということですね。

MX-30よりも高性能なEVを105万円から買える衝撃

そして最後に、みなさんが最も気になっているであろうその値段設定に関してですが、

今回比較対象としている日本メーカー勢の電気自動車というのは、

アメリカ市場における値段設定で、

リーフが311万円、そしてMX-30が380万円程度という値段設定な訳ですが、

今回のEX3については、中国市場において59700元

つまり日本円に換算して、驚愕の105万円程度から購入することができてしまうという、

まさに破格の値段設定を実現してきている、ということなのです。

ちなみに、今回のGeometryに関しては、その安全性についてを特に強調してきているということで、

強度の高い鉄素材をボディに使用していたり、二重構造のエアバッグを標準搭載し、

先ほど取り上げたバッテリーの強制水冷機構に関しても、

その高い充電出力を安全に許容するための装備であるわけですから、

何れにしても、中国の自動車が安いのは、安全対策を一切ないがしろにしているからだー、

というステレオタイプの見方をするのは、極めて危険な見方であると思います。

インテリアも105万円のEVとは思えない

中国製EVは危険?その価値観、古すぎです

実際に、中国の電気自動車であるNIOのフラグシップSUVであるES8が、

すでにヨーロッパ市場における安全性能を検証するテストであるEuro NCAPにおいて、

最高評価である5つ星という安全性能を獲得することもできてしまっているわけですので、

特に、今後行われる実際の第三者機関による衝突安全テストの結果などにも、引き続きウォッチしていきたいと思います。

このように、今回中国の巨大自動車グループであるジーリーが発売してきた、

Geometry EX3というコンパクトSUVセグメントの電気自動車に関しては、

日本勢の電気自動車と比較しても、非常に競争力のあるスペックを達成しながら、

やはり、105万円から購入できてしまうという、驚愕のコストパフォーマンスを達成してしまっているわけであり、

やはりジーリーグループ全体として、早くから電気自動車開発の能力が高かったということ、

もちろん世界最大のバッテリーサプライヤーであるCATLと、グループ全体でパートナーシップを締結していることによる、

そのバッテリーの調達コスト低減も相まって、

このEX3が、中国国内で売れることはもう間違いないと断言することができそうです。

EVはガソリン車より安くなります(定期)

そして、このEX3の登場とともに、

やはり電気自動車会議論者がそろそろ認識しなければならない、厳しい現実というのが、

やはり電気自動車は、内燃機関車よりも安くなっていてしまうということであり、

今回のEX3が目指しているのは、その搭載モーターの出力から見ても、

同セグメントの内燃機関車と同じレベルのスペックを達成していながら、

それでいて、内燃機関車よりも安価に購入することができるという、

すでに複数のシンクタンクによる調査結果からも明らかなように、

電気自動車に搭載されるバッテリーの価格はどんどん下がり、

その大量生産によるスケールメリットを最大限発揮することのできている、それこそ今回のCATL製のバッテリーなんかであれば、

2021年現時点においても、極めて安価であり、しかしながら同時に競争力のあるスペックを達成することもできているわけです。

バッテリーはCATL製・NMC532

したがって、今後数年で、さらに加速度的に拡大していく電気自動車マーケットに合わせて、

よりバッテリーの技術革新、および大量生産が進んでいくことで、より航続距離や充電性能、そして安全性を高めながら、

同時に、コストも下がっていく、

要するに、電気自動車が同セグメントの内燃機関車と比較して、

そのコストで追いつき、そして追い越す日が、どんどん近付き始めているということですので、

バッテリーコストの大幅低減を主張している世界のメーカー、

さらには日本のトヨタやパナソニックの主張を無視して、

電気自動車のバッテリーコストは、もうこれ以上下がることはないんだー、

だから電気自動車の価格が下がるなんて、EV原理主義者のまやかしなんだー、

と喚き散らかしたところで、

すでに世界は、電気自動車を安くするために爆速で行動しているのです。

105万円EVが海外にも進出決定!

ちなみにですが、今回のGeometry EX3に関しては、まずは中国国内で販売されるとしている一方で、

海外市場に対する輸出についても、やがて行うとし、

この2021年現時点で発売されている電気自動車の中でも、

極めてコストパフォーマンスの高い電気自動車SUVを、中国国外でも購入することができそうですし、

おそらくは、電気自動車戦争が勃発しているヨーロッパ市場、

さらに、ジーリーに関しては、Geometryブランドの電気自動車を、中東であるイスラエルにも出荷していたりしますので、

そのような中東地域にも展開していくのではないか、

おそらく我々である日本市場への導入はないとは思いますが、

このコスパ最強のEX3が、中国国内だけでなく、

グローバルで販売台数を伸ばしていくことも、まず間違いない、ということですね。

From: GeelyMIN NEWS(battery chemistry)

Author: EVネイティブ