【水素自動車よりEVの方が安全!?】トヨタミライの衝突安全性能が初公開

トヨタ

トヨタの水素燃料電池車である新型ミライの衝突安全テストの結果も公開され、

水素タンクを搭載していることによる、安全性がどの程度担保されているのかが実際に明らかとなってきました。

水素燃料電池車って安全なの?

まず、今回のトヨタミライに関してですが、

こちらはトヨタが昨年である2020年の12月から発売をスタートさせている水素燃料電池車となっていて、

本メディアにおいては以前にも、この水素燃料電池車の原理、およびメリットデメリットについてを取り上げてはいましたが、

やはり私を含めて、多くの方が疑問に感じていたであろう、

その安全性がいったいどれほど担保されているのかという点が、今回ようやく明らかになってきたということで、

というのも、その水素燃料電池車というのは、

今回のミライに限らず、水素を使用して走行するために、その水素を貯蔵する水素タンクを搭載しなければならず、

そもそも水素を保管するということは極めて難しいことであり、

よって、水素ステーションで水素を充填する際は、水素を超高圧で圧縮して、水素タンクに充填しなければなりませんので、

その分水素タンクも極めて頑丈でなければならないのです。

しかしながら、その危険な水素が貯蔵されている水素タンクを搭載した、

今回の水素燃料電池車が、仮に衝突事故などを起こしてしまった場合、

仮に水素タンクが破損してしまうと、その超高圧に圧縮された水素が一気に飛び出すという状況となってしまい、

例えば、すでに海外では複数の水素ステーションにおける爆発事故が発生してしまってもいて、

しかも問題であるのが、その爆発事故が発生してしまうと、やはり水素が飛散してしまいますから、

その周辺地帯が閉鎖されてしまうという、

何れにしても、取り扱いが難しい水素を搭載している水素燃料電池車に対して、

その実際の安全性に世間が注目していた、ということなのです。

ノルウェーの水素ステーションの事故では、周囲が立ち入り禁止に

新型ミライの衝突安全性は5つ星を獲得

そして、そのような背景において今回新たに明らかになってきたことというのが、

フルモデルチェンジを迎え、昨年末に発売された新型ミライの、Euro NCAPにおける車両安全性テストが実施されたということで、

こちらもまず結論から申し上げて、5つ星という最高評価を獲得するという快挙を達成し、

したがって、少なくとも危惧されていた、衝突事故による、水素タンクの破損などのようなクリティカルな問題点は発見されなかった、

ということになったのです。

それでは、そのテスト結果を詳しく見ていきたいと思いますが、

まずは、対デフォーマル・バリア、前面衝突試験に関してですが、

特に水素燃料電池車というのは、ボンネット下に様々なパーツが搭載されていますが、

車内に侵入し、乗員が怪我をするような状況は見受けられなかったものの、

より細かなテスト結果においてでは、特に運転手の胸部がやや圧迫され、marginalという結果となってしまってはいます。

ただし今回のテスト結果において、どうしても指摘しなければならない点というのが、

その横方向から衝突を想定した、対ムービング・バリア、側方衝突試験、およびサイドポールのテスト結果となっていて、

特にサイドポールのテストについては、車両が大きく損傷し、

そのポールによって、車体が大きく折れ曲がってしまっていますので、

状況によっては、やはり乗員の怪我は避けられないのではないかと、このテスト結果を見る限り見受けられると思います。

電気自動車は横からの衝突にめっぽう強い

それでは、完全な電気自動車である中国のES8はどうであったのかを見てみると、なんとその差は歴然であり、

ES8に関しては、ほとんど車両が折れ曲がることがないですし、

さらに、そのほかの電気自動車を見てみても、

現在世界で最も売れている完全電気自動車に君臨し、例えば私自身も所有しているテスラモデル3のサイドポールテストの結果を見てみても、

やはり車体がほとんど折れ曲がっていないという強固さを確認することができると思いますし、

やはりこちらに関しては、強固なバッテリーを搭載している電気自動車ならではの強みであり、

それこそ4年落ちの日産リーフの衝突安全性のポイントが93ポイントでありながら、

さらにテスラモデル3に関しては、さらに高い96ポイント

しかしながら、今回の新型ミライが88ポイントに留まった、ということを鑑みると、

この衝突安全性については、やはり電気自動車の方に分があるのではないか、ということなのです。

新型ミライは韓国製水素燃料電池車に安全性で劣っている?

ただし、水素燃料電池車の衝突安全性が電気自動車よりも劣るのかといえば、必ずしもそうではなく

実は欧州市場において、もう1車種発売している水素燃料電池車というのが、

韓国ヒョンデが発売している、NEXOというSUVタイプの水素燃料電池車であり、

こちらの衝突安全のスコアが、なんと94ポイントと、並み居る電気自動車と同等のスコアを達成してもいますので、

したがって、水素燃料電池車の衝突安全性が低いというよりかは、

韓国ヒョンデの発売している水素燃料電池車の方が安全性が高い

もしくは、世界に誇る日本のトヨタの開発した水素燃料電池車の方が安全性が低い

少なくとも、韓国製の水素燃料電池車よりも安全性が低い、ということですね。

また、その衝突安全性だけでなく、衝突そのものを回避する衝突回避能力に関してですが、

先ほど紹介したNIOのES8の92ポイントであったり、モデル3の94ポイントと比較すると、

やや低い82ポイントというスコアに留まってしまってはいるものの、

それでもほとんどの歩行者や自転車に対する緊急ブレーキは成功していますので、

2021年に発売されているプレミアムセグメントの車両としては、基本的には問題ない安全性を兼ね備えていると言って、問題ないのではないでしょうか?

水素燃料電池車の衝突安全性は問題なし

何れにしてもこのように、

トヨタの水素燃料電池車である未来について、特に気になっていた、その車両安全性テストの結果を見ていきましたが、

特に最も懸念されていた、クリティカルな衝突によって、

搭載されている水素タンクが損傷してしまい、爆発が起こってしまうなんていうことは全く発生せず乗員を保護することに成功していますので、

水素という取り扱いの難しいエネルギーを扱いながら、うまく安全も両立することができている、ということですね。

From: Euro NCAP

Author: EVネイティブ