中国の自動車メーカーが、49万円で購入することのできるHong Guang Mini EVに対抗する形で、同じような格安小型電気自動車の発売をスタートし、
いよいよ中国市場において、格安電気自動車の大津波が襲来する可能性が出てきました。
中国のEV販売台数が急上昇中
まず今回の中国市場に関してですが、現在電気自動車の販売台数が急増中であり、その販売台数はもちろんぶっちぎりで世界ナンバーワン、
もはやヨーロッパ全体における電気自動車の販売台数と、互角を競っているというレベルの販売台数を達成し、
その新車販売全体に占める電気自動車の販売台数の割合を示す電動化率はというと、直近の6月度において15%と、
つまり中国市場で発売されている新車のうち、10台に1台か2台程度は、すでに電気自動車となってしまっているとイメージしていただければ、
その電気自動車の人気ぶりがお分かりいただけると思いますし、
今年である2021年度の1月から6月度までの半年間における、電気自動車のトータルの販売台数はというと、
すでに大台の100万台を突破しているということで、昨年である2020年度と比較しても、それに迫るような販売台数、
つまり、やはり今年である2021年度というのは、今までにない異次元の成長率を達成しているということなのです。
そして、その中国市場における電気自動車の人気車種の内訳を見てみると、
この人気トップ20の中に、すでにいくつもランクインしているのが、小型車セグメントの電気自動車となっていて、
特に本チャンネルにおいては幾度となく取り上げてはいますが、
その中でも圧倒的に人気の車種であるのが、Hong Guang Mini EVという小型EVであり、
何よりもその値段設定が、衝撃の50万円以下で購入することができてしまうという、その圧倒的な安さによって、
その6月度においては月間3万台弱と、2位にランクインしているテスラモデル3よりも圧倒的に売れているという、
そのとてつもない人気の高さを伺うことができると思います。
あの50万円EVの競合車種が登場!?
そして、その中国製小型電気自動車の中でも、
今回特に注目していきたい車種というのが、18位にランクインしているMeimeiという小型電気自動車であり、
こちらは、中国語でPoccoという小型電気自動車専門ブランドから発売され、
こちらは、3ドアタイプの2人乗りの車種となり、そのエントリーグレードについては、9.2kWhというわずかなバッテリー容量しか搭載していないものの、
その航続距離は、中国市場で一般的に採用されているNEDCサイクルという基準において116kmを達成し、
しかもその上、そのエクステリア、およびインテリアの質感を見てみても、そのような小型車としては、見た目でさえしっかりと作り込まれているように見えますが、
最も重要であるのが、その値段設定であり、中国元にして29800元、
日本円に換算すると、なんと51万円程度から購入することができてしまうという、その圧倒的な価格競争力を達成していますので、
実際問題として、発売をスタートさせてからすぐに3658台という、
中国市場における電気自動車の人気車種ランキング上位に食い込んできてしまっているのです。
しかしながら、こちらはやはり2人乗りという制限があり、この販売台数がどこまで伸びるのかは不透明な状況であると思われますが、
そのPoccoが、ちょうどこの8月から正式な注文受付を開始しているのが、Duoduoと名付けられた、こちらも全く同じく小型車セグメントの電気自動車となっていて、
こちらに関しては、先ほどのMeimeiとは違い、4人乗りとなりますので、
例えば、Hong Guang Mini EVと同じセグメントに該当することになりますが、
なんとその値段設定というのが、Hong Guang Mini EVと全く同じような値段設定を達成してきたという衝撃的な内容となっていますので、
今回はそのHong Guang Mini EVと比較しながら、そのDuoduoの電気自動車としてのスペック、
および、どれほどの販売台数を達成することができるのかを徹底的に考察していきたいと思います。
Pocco Duoduo Hong Guang Mini EV
Hong Guang Mini EVと同じ航続距離を達成
まずはじめにラインナップに関してですが、
今回記載してあるエントリーグレードと、より搭載バッテリー容量を増やした上級グレードの2種類の他にも、
そのエントリーグレードにエアコンなどの機能を充実させた、中間グレードも含めて、合計3種類のグレードをラインナップしています。
また、その搭載バッテリー容量に関してですが、
10.3kWhというバッテリー容量と、14.5kWhという2種類のバッテリー容量を搭載し、
そして気になる満充電あたりの航続距離に関してですが、10.3kWhのグレードの方が、NEDCサイクルにおいて128km、
さらに14.5kWh搭載グレードの方が、170kmという航続距離を達成してはいますが、
こちらのNEDCサイクルという基準は、実用使いにおいて全く信用するに値しませんので、
高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルに変換してみると、
概算値とはなりますが、それぞれ75km程度から90km程度と、かなりその航続距離が落ちてしまい、
確かにこの数値だけをみると、実用的に使用することができないのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、
実はこの航続距離というのは、現在中国市場においてぶっちぎりの販売台数を達成している、
あのHong Guang Mini EVとほぼ同じようなスペックを達成することができていますので、
実はこの小型電気自動車セグメントという観点においては、中国市場の人々が考える、必要十分な航続距離を確保することができているわけなのです。
セカンドカーに急速充電はいらない
また、その充電性能に関してですが、
こちらは急速充電には対応せず、自宅やショッピングセンターなどの普通充電にしか対応していませんので、
その充電時間は、概ね6時間から8時間ほどを要してしまうのですが、
このような小型電気自動車というのは、ファーストカーとして長距離を使用するのではなく、
一日数十キロの通勤や買い物などの、日常使いの足としての使用用途が想定され、
したがってそもそも論として、急速充電機能を使用する必要がなく、
よって、そのような必要性のない機能を徹底的に排除してしまうことによって、コストの低減を図ろうとしていることが見て取れますし、
実際問題として、競合車種であるHong Guang Mini EVに関しても、急速充電機能を有していなくても、その圧倒的な人気を博しているわけなのです。
また、その搭載されているバッテリーの種類に関してですが、LFPと呼ばれるバッテリーセルの種類であり、
こちらは安全性や耐久性に優れながら、何よりも安価に調達することが可能なバッテリーセルの種類ですので、特に耐久性に優れていること、
および、急速充電性能を採用していないことによって、バッテリー温度を水冷式で管理する強制水冷機構を採用する必要がなく、その分コストを低減することができますし、
逆にLFPの弱点でもあるエネルギー密度の低さゆえの航続距離の短さについても、
そもそもこのようなセカンドカーとしての運用方法であれば、数百キロもの航続距離は必要ありませんので、
まさにLFPは、このような小型EVにとって最適なバッテリーの種類であるのです。
さらに車両サイズに関してですが、
今回のDuoduoは全長3325ミリと、競合車種のHong Guang Mini EVの全長2917ミリと比較してもやや大きいサイズ感となり、
したがって、その分車内スペースをより確保することができていて、
競合のHong Guang Mini EVの、後席を倒した場合の収納スペースが741Lを確保しているのに対して、
今回のDuoduoであれば987Lと、その後席スペースを広く確保することができていますので、
この意味において、実はHong Guang Mini EVよりもより実用的なスペックを達成している、ということですね。
真の意味でのHong Guang Mini EVキラーが爆誕
しかしながら、その車両サイズが大きくなった分だけ、より車両価格も上がってしまうのではないかと想像でき、
特にご存知の通りHong Guang Mini EVについては、なんと50万円以下で購入することができてしまうという、圧倒的なコストパフォーマンスを達成していますので、
流石にそのコスパには勝てないのではないかと思われた方がほとんどでしょうが、
今回のDuoduoに関しては、そのエントリーグレードにおいて28800元から、日本円に換算して衝撃の49万円程度と、
なんとHong Guang Mini EVと全く同じ値段設定を実現してきている、
つまり、現在中国市場においてテスラよりも圧倒的に売れてしまっている中国製格安小型電気自動車と全く同じ値段設定、
しかもほぼ同じ、むしろその航続距離でもわずかに優っているという電気自動車としての質を達成しながら、
さらにその最高出力や最大トルクをアップしたり、全体的なサイズ感アップも相まって、
もはやHong Guang Mini EVよりもコストパフォーマンスが高いと結論づけられるのではないでしょうか?
また、エアコンなどの機能を充実させた中間グレードに関しても、日本円にして56万円、
そして、EPAサイクルにおける航続距離にしておおよそ90km程度を達成することができる上級グレードについても、
日本円にして68万円程度と、そこまで大した差ではありませんので、
ただエントリーグレードだけが安いのではなく、
そのような自動車において欠かせない機能を装備したとしても、50万円台から買えてしまうとイメージしていただければ、
今回の、もともと小型電気自動車の販売においてリーディングカンパニーであったPoccoブランドのDuoduoという新型小型電気自動車の、
驚異的なコストパフォーマンスの高さを感じていただけると思いますし、
ついに真の意味でのHong Guang Mini EVキラーが爆誕したことになりますので、
すでに生産がスタートし、その実際の納車スタートも間も無く開始される、このDuoduoの販売台数の推移、
一体どこまでHong Guang Mini EVの販売台数に迫ることができるのかにも大いに期待していきたいと思います。
From: Pocco
Author: EVネイティブ
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