テスラが間も無く納車をスタートさせる、フラグシップセダンであるモデルチェンジ後のモデルSに関して、そのカタログスペックにおける圧倒的なパフォーマンス性能が、やはり本物であることが明らかとなってきました。
車歴10年近いモデルSの販売台数は減少傾向
まず今回のテスラのモデルSに関してですが、すでに2012年から発売をスタートしているテスラのフラグシップセダンとなっていて、特に注目なのはその圧倒的なパフォーマンス性能であり、時速100kmまで加速するのにかかる時間が2.5秒、
また、よく北米市場において使われる指標である、4分の1マイル、おおよそ400メートル強走りきるのかかる時間、いわゆるゼロヨンタイムが10.5秒と、多くのスーパーカーを上回るようなパフォーマンス性能を兼ね備えていて、すでにこの時点においても、そのパフォーマンス性能をはじめとする様々な魅力に惹かれてこのモデルSが売れ続けていたのですが、
特に直近において、競合メーカーが本気の電気自動車を発売し始めていて、例えばヨーロッパ市場においては、高級自動車メーカーであるポルシェがスポーツセダンであるタイカンを発売し、記録的な販売台数を目下達成中であり、
中国市場に関しても、中国の自動車メーカーであるBYDのフラグシップセダンであるHanであったり、さらには電気自動車スタートアップであるXpengのフラグシップセダンであるP7など、競合車種が販売台数を伸ばしていることもあり、ここ数年のモデルSの販売台数は低迷の一途を辿ってもいたのです。
衝撃のモデルチェンジを果たしたモデルS
そしてそのような状況において、ついにテスラが今年である2021年に入ってからそのモデルSの大規模なモデルチェンジを敢行してきたということで、実際にそのモデルチェンジ後の特にパフォーマンス性能に関するスペックを見てみると、
まず今回のモデルチェンジによって、今までのロングレンジとパフォーマンスという2種類のラインナップから、ロングレンジ、Plaid、そしてPlaid+という3種類のラインナップに変更し、それぞれそのパフォーマンス性能をさらに引き上げてきていて、
まず、モデルSのエントリーグレードであるロングレンジグレードに関しては、最大出力を493kWにまで向上させ、それによってアメリカ市場で一般的に採用されている時速60マイル、おおよそ時速96kmに到達するまでにかかる時間が、それまでの3.6秒から3.1秒と、なんと0.5秒も縮めてきたということで、
エントリーグレードでさえ、多くのスーパーカーと張り合える加速性能に達してきた格好となるのです。
しかしながら、ここからはさらに狂った世界に突入し、今回のモデルチェンジによって新たに追加設定されたPlaidというグレードに関しては、通常前後に1つずつのモーターを搭載したデュアルモーター仕様に、さらに後輪側に1つモーターを追加したトライモーター仕様となっていて、
その3つのモーターによって、最大出力が驚異の750kWまで向上させ、それによって時速96kmまで加速するのにかかる時間が、なんと1.99秒と、2秒の大台を切るようなスペックを達成するとアナウンスしていて、このタイムはというと、現在地球上で発売されている市販車の中で最も早いタイムをたたき出すということになり、
さらにゼロヨンタイムも、9.23秒と、なんとこのタイムというのはハイパーカーとして圧倒的なパフォーマンス性能を誇り、超有名人が所有することで一般の方も名前は聞いたことがあるであろう、ブガッティシロンよりも早いというような、究極の加速性能を発揮するということになるのです。
ただしテスラの公開しているスペックには誤解を与える表現も
ちなみに、時速96kmまで加速するのにかかる時間が1.99秒という点についてですが、こちらは停止状態からのタイムではなく、いわゆるロールアウトを除いた数値となり、こちらに関するテクニカルな説明は、海外の有名な技術解説専門チャンネルであるEngineering Explainedをご覧いただきたいのですが、
結論から申し上げれば、0-60マイルの加速時間ではなく、おおよそ5マイルから60マイル、つまり時速8kmから96kmまで加速するのにかかった時間ということになりますので、
本当の0-60マイルの加速時間というのは、おそらく2.1秒程度(0-100km/h加速だと約2.3秒程度になりそう)になってしまい、
特にこの数値の発表の仕方に関しては、このEngineering Explainedも批判している通り、トップページ上にはそのことを示唆する但し書きが一切存在せず、より詳細な加速性能の説明欄にのみ、そのロールアウトに関する但し書きがあるという点に関しては、個人的には誤解を与える表現であるとは感じます。
購入画面には注意書きなし 細かく見ていくとようやく注意書き発見
Plaidの地球最速の称号は間も無くPlaid+へ
そして、テスラに関してはそのPlaidのスペックでは満足せずに、最上級グレードとしてPlaid+というグレードも追加設定し、このPlaid+については最大出力がなんと809kWという出力を達成しながら、
それによって時速60マイルまで加速する時間に関しては、先ほどのPlaidと同様に1.99秒程度になると見込まれてはいるものの、ゼロヨンタイムについては、衝撃の9秒と、さらにその加速性能を高めてくるともアナウンスされ、
こちらのPlaid+のみに関しては、搭載バッテリーのセルの種類を、4680セルと呼ばれるテスラが新開発した独自のバッテリーセルを採用し、このセルによって、既存の18650セルよりもさらにパワーを発揮することができると説明されているため、それによってPlaidよりもさらに強力な加速性能を発揮できる公算となっているのです。
ちなみに、その最上級グレードであるPlaid+について補足すると、満充電あたりの航続距離が高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルにおいて、837kmという、
ここまでくればいよいよ既存のガソリン車と比較しても遜色のないようなスペックを達成することができていますし、そしてこのような異次元のスペックを達成することができる要因に関しても、先ほどの4680セルの採用によるものであり、
さらにStructural Battery Packと呼ばれる、その4680セルを、既存のバッテリー搭載方法であるモジュールやバッテリーパックといった形式を一切採用しないで、車体に直接埋め込んでしまうという、いわゆるCell to Chassisのような技術も採用することによって、
そのモジュールやバッテリーパックという単位がない分だけ、より多くのバッテリーセルを搭載することが可能であり、これほどまでの航続距離を達成することができているのです。
また、そのStructural Battery Packによって、より重心点が低くなり、したがってただ単に時速100kmまで加速するのにかかる時間であったり、ゼロヨンタイムであったりという直線番長的なパフォーマンス性能だけではなく、
サーキットなどを走行する際などにおけるパフォーマンス性能においても、例えばコーナリング性能をはじめとして、今までとは別次元のパフォーマンス性能を発揮することが見込まれてもいるのです。
Jay Lenoとの共同企画でのリークにより信憑性は高そう
そして、今回新たに明らかになってきたことというのが、その間も無く納車がスタートするモデルSの中間グレードであるPlaidグレードの、実際の計測スピードがリークされたということで、
まず結論から申し上げて、ゼロヨンタイムが9.23秒と、まさにテスラがアナウンスしていた通りのスペックを達成することになり、そのゴール時のスピードに関してもおよそ244.88km/hと、驚異のスペックを達成することに成功しているそうなのです。
ただしこちらのリーク情報に関しては映像などは残されていませんし、実際の計測方法などについても明確とはなっていないのですが、実はこの計測は、テスラの関係者だけではなく、アメリカで有名な自動車関連の番組を行なっているJay Leno”s Garageという番組の企画の一環であったそうであり、
それであれば一定に信用できる検証方法である可能性が高いとは思います。
ちなみに、この加速性能がどれほどすごいのかというと、例えば先ほども取り上げた、現状の市販車で最速のタイムを記録している、ブガッティシロンのパフォーマンスグレードのゼロヨンタイムが9.4秒でありますので、もうこの時点でも、そのブガッティシロンのスペックを超えてしまっている、
つまり、現在地球上で発売されている全ての車両の中で最も速い自動車ということになりましたし、
そのブガッティシロンの車両価格は、3億円を超えてくるような狂った値段設定であるのに対して、モデルS Plaidであれば、日本市場の値段設定においても1500万円から購入することができる、
よって、ブガッティシロンよりも高い加速性能を秘めた車両をなんと30分の1程度の値段設定で購入することができてしまうと考えてみれば、地球上最高の加速性能を味わいたいという方は、ぜひモデルS Plaidの購入を検討されることをお勧めします。
アクティブリアスポイラー搭載か?
また、このモデルS Plaidの加速テストに関する動画が、そのJay Leno”s Garageから間も無く公開されるとも考えられますので、何れにしても、実際に間も無く納車がスタートするモデルSPlaidの実際のオーナーによる加速性能の検証動画、
さらには、このPlaidを超える正真正銘地球上最強の自動車の称号を獲得するであろうモデルS Plaid+の納車に関しても、来年である2022年中旬から開始されますので、その最新動向に関してもわかり次第情報をアップデートしていきたいと思います。
From:Drive Tesla Canada
Author:EVネイティブ