【テスラ敗北】モデル3のスペックを凌駕した最強EVヒュンダイ《IONIQ5》と徹底比較

IONIQ5

EV専用プラットフォームを採用したヒュンダイ初の本気EV

韓国のヒュンダイが間も無く納車を開始するクロスオーバーEVであるIONIQ5と、その電気自動車としての質が極めて高いテスラのモデル3の充電性能を徹底比較し、なんとIONIQ5がモデル3を圧倒するという驚愕の結果が判明したことについて、

電気自動車においてよく言われる充電性能というスペックを、どのように判断すればいいのかという見極め方についてを徹底的に解説していきたいと思います。

まず今回のヒュンダイのIONIQ5に関してですが、ヒュンダイの3車種目の電気自動車となっていて、すでにヒュンダイに関してはKonaというコンパクトSUVと、IONIQというハッチバックの2車種の電気自動車を発売してはいたのですが、

この2車種と今回紹介するIONIQ5との決定的な違いというのは、電気自動車として1から設計開発されているかどうかという点であり、そのKonaとIONIQに関しては、両方とも内燃機関車のプラットフォームを流用して開発されているため、その電気自動車としての性能を最大限生かすことが難しいのですが、

対するIONIQ5については、ヒュンダイグループが独自に開発した電気自動車専用プラットフォームであるE-GMPによって、電気自動車として最適化され、もちろん電気自動車としての質をはじめ、車内スペースなどの最大化も達成することができ、

例えばIONIQ5の全長は4635ミリと、ミッドサイズ級のセグメントに該当しますが、そのホイールベースがなんと3000ミリと、全長に対して圧倒的に長いホイールベースを確保することができている、

つまりそれだけ車内スペースを確保することができますので、前方の席をリクライニングすることができたり、センターコンソールを前後にずらすことができたりと、特に今回のIONIQ5の設計思想でもある、リビングルームのような車内を目指すという思想を体現するためにも、やはり電気自動車専用のプラットフォームが必須であった、というわけなのです。

モデル3は世界で最も完成度の高いEV

対するテスラのモデル3に関してですが、こちらは言わずと知れた現在世界で最も売れている電気自動車であり、私自身も所有しているのですが、

そのミッドサイズ級のセグメントであるモデル3については、やはり電気自動車としての完成度が極めて高いという点がポイントであり、例えば中間グレードであるロングレンジグレードについては、満充電あたりの航続距離が高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルにおいて、568kmを達成しているという、

東京を満充電で出発すれば、途中充電することなく大阪に余裕を持って走破することができるようなスペックであり、

さらにその充電性能に関しても、最大250kWという超高出力を許容することができ、80%充電するまでにかかる時間も概ね30分程度と、2021年に発売されている電気自動車と比較しても、極めて競争力のあるスペックを達成していますので、

なぜ現在世界で最も人気のある電気自動車であるのかが、このことだけでもお分かりいただけるのではないでしょうか?

私の所有するTesla Model 3

そして直近において、電気自動車専門メディアであるInsideEVsが、独自にその最新の2021年モデルである、モデル3ロングレンジの充電性能を検証し、0%から充電を開始して100%満充電までにかかった時間を計測したのですが、

まず前提条件として、外気温が32度と高温であり、さらにこの充電テストの前に、すでに時速112kmで数百キロ走行し続けた後でしたので、リチウムイオンバッテリーにおいて、その性能を最大限発揮することのできるバッテリー温度が、しっかりと温まっていたことは間違いなく、ベストに近いコンディションであったはずだと思います。

そして充電がスタートし、充電残量15%程度までその最大出力の上限である250kWという出力が持続しますが、その後は一気にその出力が低下していってしまっていて、この点が非常にポイントなのですが、多くの電気自動車というのは、充電残量が増えていけば増えていくほど、その搭載バッテリーを保護するために、それに反比例する形で、充電出力が低下していきますので、

よく電気自動車のスペックを比較する際に、この最大充電出力の数値だけを取り上げて、その充電性能を評価してしまっている方がいらっしゃるのですが、この見方は浅く、最も重要なポイントというのが、その最大充電出力を実際にどの程度維持することができるのかがポイントであり、

ただ単に、その最大充電出力が高かったとしても、それが持続しなければ、最終的に充電にかかる時間はむしろ遅かったなんてこともありますので、是非とも充電出力の数値とともに、その最大充電出力をどの程度維持することができるのか、そして実際に充電にかかる時間はどのくらいなのかという、複合的な視点で考察してみることをお勧めします。

そして今回のモデル3ロングレンジの、本チャンネルにおいて取り上げている充電残量10%から80%まで充電するのにかかった時間は、28分台、つまり30分弱という時間で持って、充電料70%という電力量を回復させることができている、

つまりEPAサイクルの航続距離に変換して、おおよそ390km分の航続距離を回復させることに成功している、

したがって、568km高速走行した後にさらに30分充電を挟むだけで、さらに400km近くも走破することができる、

というようにイメージしてもらえれば、電気自動車に対する価値観が少しづつ変わっていくのではないでしょうか?

最新型である2021年モデルよりも2019年モデルの方が速い From: InsideEVs

ちなみに今回検証されているのが、最新モデルである2021年モデルとなっているのですが、すでに以前の検証において、2019年モデルのロングレンジの充電性能も比較されていたのですが、その結果はというと、

なんと旧型の2019年モデルの充電性能の方が速いという結果となっていて、

実際に80%充電するまでにかかった時間は、2019年モデルの方が2-3分程度早かったという結果にもなっていますので、今回は詳しくは触れませんが、何れにしても、2019年モデルの方が充電時間は早い傾向にあるということです。

あらゆる指標において圧倒的な充電性能を発揮するIONIQ5

そして、それとは別に、以前の動画でも解説していますが、ヒュンダイのIONIQ5の充電性能の検証結果をヒュンダイ側が公開してきたということで、こちらはヒュンダイのE-GMPを採用しているおかげもあり、モデル3の実に倍程度の800Vという電圧に対応可能でありますが、

その最大充電出力については225kWと表示されてしまっていますので、この最大充電出力という指標においては、250kWというさらに高い出力を発揮しているモデル3が優っているということになるのです。

IONIQ5の充電残量と充電出力の相関関係

しかしながら先ほども解説したように、その最大充電出力が、果たしてどの程度持続するのか、そして、実際にその充電時間はどれほどを要するのかという指標も同時に見てみると、

確かに最初の20%後半程度までは、最大充電出力である225kWには達せず、概ね190kW程度という出力に留まってはいるものの、その後最大出力に達しながら、特に特筆すべきは、その225kWという出力が50%を超えても持続しているという点であり、

しかもその上、充電残量が80%近くなっても、いまだに150kW程度という圧倒的な充電出力をキープすることができてもいるのです。

IONIQ5の充電時間と充電残量の相関関係

そして特に気になる、80%充電するまでにかかった時間についてですが、なんと衝撃の18分という、

こちらはまさにヒュンダイ側がアナウンスしていたカタログスペック通りの数値を達成することになりましたので、やはりその充電性能は、先ほどのモデル3と同様に極めて高いということになるのです。

IONIQ5がほぼ全ての項目においてモデル3を圧倒

それでは、今回のモデル3とIONIQ5の、果たして一体どちらの充電性能が高いのかに関して、先ほどから説明している複数の充電性能を示す指標から考察していくと、

まず前提条件として、緑で示されているのがIONIQ5、黒で示されているのが2019年モデルのモデル3ロングレンジ、そして赤で示されているのが、2021年モデルのモデル3となっていますので、今回は特に緑と赤のラインに注目するべきということになります。

  • 最大充電出力自体の数値

冒頭説明したように、IONIQ5が225kWであるのに対して、モデル3が250kWという数値を達成していますので、モデル3に軍配があがるという形とはなります。

  • 充電出力をどれほど維持できるか

しかしながら、赤のモデル3については、その250kWという最大充電出力は20%に届かない段階で低下し、一気に150kW以下にまで低下していて、

その後も一定に下落しながら、充電残量80%の段階では、その出力が概ね50kW程度にまで低下しているということが見て取れると思います。

しかしながら、対するIONIQ5については、最初こそモデル3の充電出力に劣っているものの、充電残量20%程度からは逆転し、充電残量80%程度まで圧倒している形となりますので、その充電出力がどれほど持続できるのかという指標においては、IONIQ5に軍配があがると思います。

  • 10%から80%まで充電するのにかかる時間

さらに、実際に充電残量10%から80%まで充電するのにかかった時間も見てみると、赤のモデル3はおおよそ28分程度かかっているのに対して、IONIQ5においては18分ということになりますので、その差は実に10分と圧倒的であり、この80%充電するまでにかかる時間に関してもIONIQ5に軍配があがると思います。

  • 毎分あたりどれほどの航続距離を充電することができるか

しかしながら、今回の充電性能を表す最も重要な指標というのは、同じ充電時間の間に一体どの程度の航続距離を回復させることができるのかという指標であり、

例えばいくら充電スピードが早い電気自動車であったとしても、その満充電あたりの航続距離が短ければ、その充電あたりに回復させることのできる航続距離は対した事がない、ということになってしまうのです。

そして、今回のInsideEVsが表にしているのが、実際に充電経過時間1分あたり、どの程度の航続距離を回復することができているのかを示した表となっていて、InsideEVsについてはより一般の方の運用方法となるであろう、私が採用している10%という充電残量ではなく、もう少しマージンを持たせて充電残量20%からの充電スタートを想定していますが、

まず前提条件として、すでに公開されているスペックである欧州で一般的に採用されている欧州WLTCモードの航続距離は、モデル3ロングレンジAWDグレードが614kmであるのに対し、IONIQ5のAWDグレードが462kmとなっていて、

次に、20%から80%充電するのにかかった時間は、モデル3が26分であるのに対して、IONIQ5が15分であります。

そして、充電残量20%から80%、つまり電力量にして60%分を回復するということと同義ですので、その60%分の航続距離を充電時間で割り、InsideEVsの数値が多少間違っていますので修正を加えると、

充電時間1分あたり、モデル3の場合は14.2km分の航続距離を回復させることができるのに対して、IONIQ5に関しては、なんと18.5km分の航続距離を回復させることができ、

つまり1分あたり4.3km分多く充電することができる、故に、15分充電した場合、その差は60km以上もの差となりますので、このように考えてみると、実用使いにおいて最も考慮すべき、航続距離の回復時間という指標についても、IONIQ5がモデル3を凌駕している、ということになるのです。

IONIQ5の最長航続距離グレードではその差はさらに広がる

ちなみにIONIQ5に関しては、後輪側に1つのモーターのみを搭載した後輪駆動グレードも存在し、それであれば、欧州WLTCモードの航続距離が483kmにまで向上し、

したがって、充電時間1分あたり回復させることができる航続距離は、19.3kmにまでアップし、モデル3との差は毎分5kmを超えてもきますので、その充電性能の差はさらに圧倒的ともなります。

そもそもIONIQ5のライバルはモデルY

また、そもそも今回比較対象としているIONIQ5とモデル3というのは、クロスオーバーとセダンという異なるセグメントであり、本来IONIQ5と比較しなければならないのは、テスラ のミッドサイズSUVであるモデルYの方であり、

モデルYのロングレンジAWDグレードの、現状までに公開されている欧州WLTCモードの航続距離は505kmであり、したがって1分あたりの充電量というのは、毎分11.7kmと、モデル3よりも充電効率は悪化しますので、

このように比較してみれば、やはりIONIQ5の充電性能というのは、あのテスラ車よりも頭1つ抜けている、ということですね。

高い充電性能に加えて、質の高い充電インフラも独自整備へ

このように、韓国の自動車メーカーが発売をスタートし、特にお膝元でもある韓国市場においては間も無く納車がスタートされ、主戦場でもあり現在電気自動車戦争が勃発しているヨーロッパ市場に関しても、半導体不足による生産減少の影響を最小限に抑えることができれば、

現状のタイムラインである7月中の納車ということになる、威信をかけた本気の電気自動車のIONIQ5に関しては、電気自動車専用プラットフォームを採用したことによって、圧倒的な電気自動車としての質を達成し、

特に、今回比較した充電性能という指標に関しては、現在世界で最も売れている電気自動車であり、かつ電気自動車市場におけるベンチマーク的な車種であるテスラのモデル3すらも上回っているという、驚異的な性能を達成していますし、

そして、今回のヒュンダイに関しては、お膝元でもある韓国市場においてE-pitと名付けられた、ヒュンダイグループ独自の350kW級超急速充電器を韓国全土に設置を開始し、

さらに主戦場でもあるヨーロッパ市場に関しても、ドイツメーカーが中心となって出資している350kW級超急速充電網であるIONITYに、途中からしっかりと資本投入して参画するという、ただ単に質の高い電気自動車を投入するだけでなく、その充電性能に見合った質の高い急速充電網も同時に整備しているのです。

日本市場にも来襲する可能性?

よって、こちらは私がIONIQ5が好きだからという感情論などではなく、全方位的に見ても、史上最高峰の電気自動車ということが証明されつつありますので、今後も実際のオーナーによる充電性能の検証実験であったり、その満充電あたりの航続距離など、様々なシチュエーションにおいて、このIONIQ5の質を多角的に判断していきたいと思いますし、

すでにやんわりとアナウンスされてはいますが、今回のIONIQ5をはじめとするヒュンダイの電気自動車や水素燃料電池車に関しては、来年である2022年以降に、我々日本市場に導入されるとも発表されていますので、

是非ともこのIONIQ5を我々日本市場にも導入していただきたいとも思いますし、その暁には、私の電気自動車購入の第1候補として真剣に検討することになるでしょう。

From: InsideEVs

Author: EVネイティブ