【EPAサイクル信用できない奴、聞け】モデル3の航続距離テストから分かるEPAサイクルの信頼性

テスラ

最新型のモデル3の航続距離について、実際の航続距離テストの結果が判明し、EPAサイクルにおける航続距離をほぼ達成することができました。

モデル3にはアメリカ製と中国製が混在

まず今回の検証実験に関してですが、グローバルにおける電気自動車YouTuberのパイオニアである、ノルウェー在住のBjorn氏による検証実験となっていて、

まず今回の実証実験の対象車種が、テスラのミッドサイズセダンであるモデル3であり、

特に今回は、最新モデルである2021年製のアメリカのフリーモント工場で生産されているロングレンジグレードとなり、

実は現在我々日本市場に導入されているロングレンジグレードに関しては、中国上海で製造され、

しかもその上、それに搭載されているバッテリーの種類が異なり、

我々日本市場用のロングレンジについては、韓国のLGエナジーソリューション製のバッテリーセルを採用しているのですが、

アメリカ製造の場合は、日本のパナソニック製のバッテリーセルを採用していますので、

そのバッテリーによる様々な性能の違いが微妙に存在するのではないかとも推測することができるのです。

日本市場に導入されているのは中国上海製

まずはじめに、その満充電あたりの航続距離を検証する航続距離テストについてですが、

Bjorn氏においては、時速90kmで巡航し続けるRange Testと、時速120kmで巡航し続けるHigh Speed Testの2種類を行い、

今回のアメリカ製のロングレンジにおいて、Range Testでは563kmという航続距離を達成しながら、

High Speed Testにおいても、422kmという航続距離を達成することになりました。

From: Bjorn Nyland

ちなみに、電気自動車にかかわらずすべての車両というのは、その車速が上がれば上がるほど、その燃費、電費性能は加速度的に悪化してしまいますので、

やはりそのスピードを抑えて走行した方が、特に航続距離が内燃機関車と比較して相対的に短い傾向がある電気自動車において、航続距離を最大化させることにつながります。

また、今回の実証実験における外気温は25度から27度、しかも路面は乾燥してもいましたので、

電気自動車の航続距離テストにおいては、考えられうるベストコンディションであったということを考慮すると、

今回得られた航続距離の数値は、ベストコンディションにおける数値ということにはなりそうです。

日本で時速100kmで巡航し続けることはできません

そして、今回のアメリカ製のモデル3ロングレンジのカタログスペックに関してですが、冒頭も解説したように、

高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、EPAサイクルにおいて568kmとなっていますが、

そのEPAサイクルの数値と比較すると、Bjorn氏の時速90kmで巡航し続けるRange Testの結果とほぼ同じ結果となり、

これではより高速域である時速100kmで巡航し続けた際は、よりその数値が悪化する、

つまりEPAサイクルの数値を達成できないのではないかと思われた方もいるかもしれません。

しかしながら、私がなぜ当初から一貫してEPAサイクルの説明を、高速道路を時速100kmで巡航し続けても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値すると説明しているのか、

それは、まずは我々日本市場において、数百キロにも及ぶ長距離を、時速100kmで巡航し続けるというシチュエーションがほぼ存在しないからで、

例えば東京大阪間を走行する際も、必ず一部区間において時速80km制限が存在し、

したがって、そもそも論として、我々日本市場において、時速100kmで数百キロを巡航し続けるケースがほぼ存在しないのです。

EPAサイクルが世界で最も信用できる基準です

よって、私の説明を丁寧に聞いてみれば、

「高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能である”というような”、実用使いにおいて最も信用に値する」

つまり私は、EPAサイクル=高速道路を時速100kmで巡航し続けても達成可能である、とは本チャンネルを通して一言も発言していない、

したがって厳密に表現すると、日本市場において、高速道路を時速100kmでクーラーをつけながら巡航し続けたとしても、達成することができるような数値をEPAサイクルと表現していますので、

今回のBjorn氏のテスト結果を見て、

やれ、お前がいつも説明しているEPAサイクルの説明と結果が違っているだろ、という主張は、

日本語を正確に把握することができていないトンチンカンなコメント、ということですね。

このように、現状最も電費性能の高い電気自動車の1つであるモデル3のロングレンジグレードに関しては、

時速90kmで巡航し続けたとしても、EPAサイクルの航続距離を達成することができているということ、

しかしながらそれと同時に、以前の動画でも解説している通り、

テスラ車以外の車種については、そのEPAサイクルの計測を行う際に、よりマージンを取った数値を公表しているため、

テスラ車よりもより厳しい数値が算出され、例えば、こちらのフォルクスワーゲンのID.4 GTXについては、

今回のBjorn氏のRange Testの結果が456kmであるのに対して、そのEPAサイクルにおける航続距離は401kmと、EPAサイクルの数値を余裕で超えてきている、

つまり、テスラ車以外の電気自動車に関しては、

日本市場のような、時速100kmで巡航し続けることが不可能なマーケットでなくても、時速100kmの巡航で達成可能な数値を達成できると推測できるのです。

何れにしても、特に我々日本市場においては、テスラ車であっても、EPAサイクルの数値が、

私の定義である、高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値する基準であることが判明しながら、

それとともに、テスラ車以外の電気自動車であれば、さらに余裕を持って達成することができる数値であることも理解することができたと思いますので、

今後もこのEPAサイクルの数値でもって、その電気自動車のスペックを定量的に比較検討していきたいと思います。

From: Bjorn Nyland

Author: EVネイティブ