【EVシフト敗北へ】日本メーカーの中国撤退のシナリオが現実になってきた、、三菱中国市場で生産停止のデカすぎるインパクトとは

EV普及動向

三菱が中国市場において生産を停止するという驚きのニュースが飛び出してきたという一件について、

一体中国市場で何が起きてしまっているのか、

ますます販売台数を落とす日経メーカー勢と、それに対して一段と販売台数を伸ばす中国現地メーカーとを比較しながら、そのEV先進国である中国のEVシフト最前線を外観します。

日本メーカーが中国市場から追い出され始めている?

中国市場では、電気自動車の販売台数が急上昇し、さらに2023年に入ってからテスラが大幅値下げを断行したことで、競合のEVメーカーも値下げに追随し、EVの魅力が増しています。また、2023年後半から新たな排ガス規制が施行されることから、既存メーカーは内燃機関車の在庫を一掃しようとしており、価格競争が激化しています。

その競争が激化する中国市場で、販売台数が伸びているメーカーと伸びていないメーカーがはっきりと分かれてきています。特に注目すべきは、バッテリーEVとPHEVのみの販売に完全シフトしているBYDの存在です。

2023年第一四半期の中国国内自動車販売台数をメーカー別に示すと、2022年シーズンの販売トップだったフォルクスワーゲンが、2023年シーズンでは中国のBYDに販売台数で抜かれてしまっています。BYDは前年同四半期と比較して販売伸び率が驚異の77%を記録しました。

この状況から、かつての絶対王者フォルクスワーゲンが、中国メーカーのBYDに敗北していることが明らかになります。今後の市場動向や各メーカーの戦略が、さらなる競争を引き起こすことでしょう。

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中国市場において、販売台数を落としているのが日本メーカー勢で、特にホンダと日産が厳しい状況に置かれています。一方で、BYDは販売台数を急激に伸ばしています。トヨタは販売台数をキープしているものの、ホンダと日産は明らかに販売台数が減少しており、特に日産はBYDの3分の1の販売台数にまで落ち込んでいます

また、日本メーカーにとって別の厳しい状況として、ハイブリッド車の販売が伸び悩んでいることが挙げられます。過去2年間のフルハイブリッド車の販売台数はあまり伸びておらず、約6万台程度に留まっています。一方で、バッテリーEVは月間60万台の大台に近づいており、現時点でフルハイブリッド車よりも10倍売れています。

このような状況下で、今後ハイブリッド車のシェアが大きくなる可能性は極めて低く、悲観的な見方が強いです。日本メーカー勢は、中国市場での競争力を維持・向上させるために、新たな戦略や取り組みが求められています。

日本メーカーの電気自動車販売において、厳しい状況が続いています。バッテリーEVの販売が伸びず、特にトヨタbZ4X、ホンダe:Nシリーズ、日産アリアの販売台数は低いままです。また、ドイツメーカー勢の電動SUV、アウディQ4 e-tronやフォルクスワーゲンID.4の販売台数も低水準に留まっており、テスラモデルYとの競争では勝負になっていません。

三菱が中国で車両生産を停止

このような厳しい状況下で、日本の三菱が中国市場での自動車生産を一時ストップするというニュースが飛び出しています。2020年末からの三菱の月間販売台数は、一時期は1万台を超えていましたが、急速に減少し、2月の販売台数はわずか330台まで落ち込んでいます。三菱は中国国内に車両生産工場がありますが、工場の稼働率が低く、中国ビジネスの継続危機に直面している状況です。

これらの状況を踏まえて、日本メーカーは中国市場での競争力を維持・向上させるために、新たな戦略や取り組みが求められています。今後も中国市場の動向に注目していく必要があります。

三菱は、中国市場での厳しい状況に対処するために、車両生産工場の操業を一時的に停止し、在庫車両の調整に入る方針を表明しました。現状では6月以降に生産を再開する見込みであり、部品の生産は継続するとしています。しかし、中国市場でのバッテリーEVの販売が低迷しており、特に三菱のエアトレックの販売台数は非常に低い水準に留まっています。

エアトレックの直近半年間の月間販売台数は、非常に低い状況が続いており、完全に不発に終わってしまっています。これは、現時点での販売が低迷しているだけでなく、今後のバッテリーEV戦争でも勝負にならない可能性が高いことを示唆しています。

中国市場で詰んでしまっている可能性があることを考慮し、三菱は今後の戦略や取り組みを見直す必要があるでしょう。バッテリーEVの競争力を向上させるために、技術開発やマーケティング戦略を強化することが求められます。また、中国市場のニーズやトレンドを把握し、適切な商品ラインナップやサービスを提供することも重要です。今後も中国市場の動向や、日本メーカーの対応に注目していく必要があります。

エアトレックは中国市場では勝負になっていません

確かに、三菱が発表した中期経営戦略「Challenge 2025」において、2030年ごろの電動化の見通しが明確でなく、主体が3つも存在することで混乱を招いているように感じられます。このような状況では、急速なEVシフトが進む中国市場での競争力確保が難しく、決断を下すことが困難であると感じるのは理解できます。

中国市場での厳しい販売状況が続く中、三菱だけでなく、他の日本メーカーも苦戦しています。日産のシルフィe-POWERやアリアの販売不振も危うい状況にあると指摘されています。このような状況が続くと、中国市場からの撤退が現実味を帯び始めることで、日本メーカーの販売シェアがさらに低下し、他の日本メーカーも撤退を余儀なくされる可能性があります。

ただし、日本メーカーも中国市場での競争力を取り戻すために、新しい戦略や技術開発に取り組むことが求められます。また、市場のニーズやトレンドに敏感に対応し、適切な商品ラインナップやサービスを提供することが重要です。

中国市場での苦戦が続く日本メーカーですが、今後の戦略や取り組みによっては、市場での立ち位置を回復し、競争力を向上させることができるかもしれません。今後の動向に注目していく必要があります。

From: 三菱

Author: EVネイティブ