フォードが全米のベストセラー車に君臨し続けている、F-150というピックアップトラックの電気自動車バージョンである、F-150 Lightningのワールドプレミアを開催しました。
電気自動車に舵を切ったフォード
まず今回のフォードに関してですが、アメリカを代表する自動車メーカーであり、
ちなみに、イーロンマスク曰く、アメリカの歴史上倒産したことのない自動車メーカーは、今回のフォードとテスラだけであり、
よって、その点から度々イーロンマスクはフォードのことを賞賛していたりするのですが、
特に直近である昨年の2020年の10月から、新しくトップに就任したジムファーリーは、
電気自動車に対し、超積極的な姿勢を見せ、
まずは、フォードの往年の名車であるマスタングの電気自動車バージョンである、マスタングマックEの発売をスタートさせ、
特に本チャンネルにおいては以前も解説している通り、その電気自動車としての質は非常に高く、実際にその販売台数は順調に推移している状況ともなっているのです。
EVの肝となるバッテリーの内製化にも着手
また、フォードに関しては、今後の電気自動車戦略の一環として、
やはりコアテクでもあるバッテリーの内製化にコミットするために、自社内においてバッテリー研究開発センター兼生産工場の建設をスタートさせ、そのバッテリーに対する研究開発をさらに加速させてきてもいました。
アメリカにとってF-150は象徴的な車
そして、今回新たに明らかとなってきたことというのが、
その電気自動車に舵を切ってきているフォードの新型電気自動車である、F-150 Lightningのワールドプレミアを開催してきたということで、
そもそもこのピックアップトラックというセグメントは、日本市場においてはほとんど売られていないのですが、特に北米市場やオーストラリアなどでは人気の車種であり、
そもそも車両サイズが大きければ大きいほど、クールであるというような価値観があると言われていますので、特にフルサイズセグメントのピックアップトラックが幅を利かせているのですが、
その中においても特に人気であり、実はアメリカ全土において、最も売れている車種でもあるのが、今回のフォードのF-150となっていますので、
裏を返せば、このF-150の電気自動車バージョンがラインナップされるということは、まさに、アメリカの電動化の象徴とも呼べる車種になるということで、
それもあってか、直近において、バイデン大統領が、直々にフォードの電気自動車の生産工場を訪れ、なんと、今回のF-150 Lightnigのプロトタイプにも自ら運転するというサプライズも見せ、
そのベタ踏みでの加速性能も披露するほどの、上機嫌ぶりともなっていました。
したがって、これを日本に当てはめてみれば、日本最大の企業であるトヨタの、現在日本で最も売れ筋の車種であるヤリスというコンパクトカーの電気自動車バージョンのワールドプレミアが開催される前日に、
菅総理がヤリスEVを自ら運転し、ベタ踏み全開加速を行う、
といったような一大イベントであり、
このようにイメージしていただければ、今回のF-150 Lightningの期待の大きさが、お分りいただけると思います。
気になるF-150 Lightningの電気自動車としての質とは
それでは今回発表され、そのアメリカの電動化の象徴とも呼べるF-150 Lightningの、特に電気自動車としての質について、競合車種でもあるテスラ のサイバートラックや、GMC ハマーEVなどと、簡単に比較していきたいと思います。
Ford F-150 Lightning Tesla Cybertruck GMC Hummer EV
まず初めにラインナップに関してですが、そのバッテリー容量によって2種類を選択可能であり、
スタンダードレンジグレードとExtended Rangeが設定され、その満充電あたりの航続距離に関しては、
高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルにおいて、483kmと、
2021年に発売する電気自動車としては一定のスペックを達成してきていますが、
特にテスラが今年である2021年中に生産にこぎつけるとアナウンスしているサイバートラックに関しては、最大805kmという航続距離を達成するとアナウンスしていますので、
このピックアップトラックとしての航続距離という指標で見れば、やや物足りないスペックであると感じる層もいるかもしれません。
バッテリーはSKイノベーション製
ただし、今回のF-150 Lightningに採用されているバッテリーセルに関しては、韓国のSK Innovation製のセルであり、
その種類が、NMC9 0.5 0.5と呼ばれるであろうバッテリーの種類であり、
こちらは、エネルギー密度を高めることができるニッケルの割合を9割にまで高め、既存の8割と比較しても、さらに最新型のセルの種類であり、
したがって、そのエネルギー密度が高まった分だけ、同じ航続距離を発揮するために必要なバッテリー容量が減らせる、
つまり、その分だけコストの抑制に期待することができるのです。
加速性能や収納スペースも最高スペック達成
また、そのバイデン大統領も楽しんだ加速性能についてですが、
時速96.5kmまで過疎臆するのにかかる時間が、およそ4.4秒ですので、まさにスポーツカー顔負けの加速性能ということになるのです。
ちなみに、ハマーEVとサイバートラックに関しては、最大3つのモーターを搭載したトライモーター仕様のグレードも存在し、
したがってその加速性能はさらに向上し、概ね3秒前半という加速性能を実現してもいますので、
もしかしたらフォードに関しても、今後はさらにモーターを追加したパフォーマンスグレードをラインナップしてきたりするのかもしれません。
また、その収納スペースに関しては、後ろの荷台も合わせて合計で1495Lという、さすがはフルサイズピックアップトラックというような収納スペースを確保しているですが、
極め付きは、そのボンネット下の収納スペースとなっていて、その容量が、なんと衝撃の400Lと、通常の車両と同じような収納スペースを兼ね備えていて、
しかも、この内部には複数のコンセントがついていたり、
マスタングマックEにも採用されている、排水可能なレイアウトによって、中を様々な用途としても使用できるような作りになっていますので、
まさにアウトドア最強のトラックということになりそうです。
日本市場待望!家に電力供給することも可能
また、北米市場では初となる、車両に充電しておいた電力を、電化製品だけでなく自宅に給電することも可能な機能、いわゆるVehicle 2 Home機能が採用されましたので、
特に昨今問題となっているアメリカ市場でのブラックアウト問題にも、今回のF-150 Lightningを所有するだけで対応可能という点は、
非常に訴求力があるのではないでしょうか?
テスラを凌ぐ圧倒的なコストパフォーマンス
そして、最も気になるその値段設定に関してですが、様々なメディアの事前予測では、概ね5、6万ドル程度からのスタートと考えられていましたが、
なんと、4万ドル以下で購入することができると発表され、
こちらに関しては、私が調べた限り、テスラに肩入れしている辛口電気自動車メディアでさえも絶賛しているほどですし、
実際に日本円に換算してみても、なんと435万円からのスタートであり、
しかもその上、この値段設定にはアメリカ政府からの7500ドルもの税額控除は含まれていない、
したがって、実質の購入金額というのは、日本円に換算して、なんと353万円からということになりますので、
これであれば、内燃機関車のF-150と比較しても、特にランニングコストを考えたら、Lightningの方が安く運用することができますので、
とてつもなく価格競争力が高いとイメージすることができるのではないでしょうか?
ただしこのエントリーグレードの値段設定というのは、基本的には商用として、例えば工事関係会社などの法人向けに発売されるグレードであり、
一般向けに関しては、この値段設定よりも高くなってしまうものの、
やはりそれでも予想を大きく超えてきたその値段設定の格安さ、そして、そもそもその法人向けのトラックとしても圧倒的シェアを獲得しているこのF-150の性格上、とてつもない人気になるのではないか、
したがって、まさにアメリカの電動化を象徴するような車種に化ける可能性があるのではないか、ということなのです。
発売開始の2022年はアメリカのEV元年
何れにしてもこのように、ついにアメリカンマッスルの象徴であるピックアップトラックであり、
アメリカのベストセラー車でもあるF-150の電気自動車バージョンが、来年である2022年の春から発売を開始することによって、
電気自動車発展途上国であったアメリカ市場の電動化が、いよいよ本格的に進み始めることに期待することができるのと同時に、
やはり同じく電気自動車発展途上国である日本についても同様に、今回のバイデン大統領が現地に赴いてアピールするなどというような、国を挙げて電動化戦略を強力にアピールするレベルでないと、
すでに国を挙げて電動化を進めている欧州や中国市場、そして今回のアメリカ市場には、とてもではないですが追いつく未来を描くことができませんし、
そろそろ、日本はハイブリッド車のガラパゴスでもいいのだー、というような勝ち抜けおじさんのような発言は終了し、
我々若者世代の未来を潰さないためにも、
早く電動化に本気にならないといけない、最終フェーズに突入しているのではないでしょうか?
From: Ford
Author: EVネイティブ
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