【電欠するまで走らせてみた】21車種ものEVが集結した、史上最大級のEV航続距離テストが開催

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合計して21車種もの電気自動車の航続距離テストを同時に行われ、カタログスペックよりも100km以上も走行できてしまう車種など、

カタログスペックだけでは判断することのできない、興味深い事実が明らかになってきました。

電気自動車最先進国ノルウェー

まず、今回の大規模な航続距離テストに関してですが、ノルウェーの自動車連盟が主催して行われた検証となっていて、

そもそもこのノルウェー市場というのは、現在世界で最も電気自動車のシェア率が高いマーケットであり、

新車販売に占める完全な電気自動車の販売割合が、すでに60%オーバー

つまり、ノルウェーで売れている自動車のうち、5台に3台以上は、すでに日産リーフやテスラなどの完全な電気自動車という、

我々日本のような電気自動車発展途上国にいると全くイメージすることのできないような世界線であり、

したがって、裏を返すと完全な電気自動車がすでにマジョリティとなっていることによって、

よりその電気自動車に対する情報を、その自動車メーカーごとではなく、より一般情報として発信していかなければならず、

よって今回、国規模の自動車連盟が主催して、電気自動車においてどうしても気になってしまう、満充電あたりの航続距離テストを実施した、という背景であるのです。

実用使いに即した計測方法

それでは実際に行われた、合計21車種もの完全な電気自動車の航続距離テストの結果を見ていきたいと思うのですが、

まず前提として、今回の検証方法については、

  • 外気温が20度から25度の間
  • 市街地、郊外、そして高速道路を、時速60kmから110kmの間で巡行し続ける
  • 途中で峠道も通過
  • クーラーを20度に設定しながら風量は最小設定
  • ガレージに置いて一晩で満充電にされた状態での出発

このように、いわゆる科学的な航続距離テストという類のものではなく、

より実用に近い航続距離の数値を算出するために、より実態に近い走行条件において計測されています。

本当に電欠するまで走行テストを実施

ただし、今回の計測に関しては、その車両がバッテリー残量を完全に使い果たし、完全に走行不能になるまで走行し続け、通常であればそれよりも前に充電することになり、

この意味においては、実用に即した数値であるとも言えないとは思いますので、

この点も念頭に入れて、同様の環境下で実施された、大規模な航続距離テストの結果を参考にするのが、いいかと思います。

それでは、特に注目すべき車種をピックアップしていくと、

まず私自身も所有している、テスラモデル3のスタンダードレンジ+の結果が、454.4kmと、

そのノルウェー市場をはじめとする欧州市場で一般的に採用されている欧州WLTCモードのカタログスペックである448kmと、ほぼ同様の数値を達成することになりました。

次に、そのモデル3スタンダードレンジ+とほぼ同じ結果を達成してきたのが、

我々日本市場においても発売がスタートしている、メルセデスのコンパクトSUVであるEQAとなっていて、

その結果が、451kmと、欧州WLTCモードである417kmという数値を上回る結果を達成することになりました。

また、日本市場ですでに購入することができ、私自身も独自に航続距離テストを実施していた、ホンダのコンパクトカーであるHonda eに関しては、

232.6kmと、こちらも欧州WLTCモードの210kmという数値を超えるようなスペックを達成してきています。

次に、その日本市場でも今年である2021年中に納車が予定されている、アウディのフラグシップスポーツセダンであるe-tron GTに関しては、

528kmと、こちらも欧州WLTCモードの468kmという数値を大きく超えてくる結果を達成しています。

また、その電気自動車としての完成度が極めて高く、いよいよ納車が秒読み段階に突入している、韓国ヒュンダイのクロスオーバーEVであるIONIQ5に関してですが、

502kmと、大台の500kmを超えてくる結果を達成し、

こちらも欧州WLTCモードの460kmというカタログスペックを40km以上も更新してきている結果となっています。

そして、今回の航続距離テストにおいて最長の距離を達成したのが、テスラモデル3のロングレンジAWDグレードとなっていて、

その航続距離が654.9kmという素晴らしい電費性能を証明し、

欧州WLTCモードにおけるカタログスペックである614kmと比較しても、さらに長い航続距離を達成することができています。

0%になっても走行できる車種の数値には注意

ただし、テスラ車に関しては一点補足しなければならない点として、

実は今回の実験において、メーター表示においてバッテリー残量が0%になった段階で、その航続距離は、いまだに600kmには到達しておらず、

その0%表示になった段階から、なんとさらに60.1kmも走行し続けることができているという結果となり、

つまり0%という、通常ではほぼバッテリー残量が残っていない状態であるはずなのに、さらに、かなりの距離を走行できてしまうという、バッファーを余分に採用し、

こちらはそのほかの第三者機関の結果からも同様ですので、

おそらく意図的にその表示を厳しめに設定することによって、バッテリーに余計な負荷をかけないようにしているという、テスラ側の戦略なのではないかとは推測しています。

何れにしても、このテスラ車は顕著にしても、そのほかの車種に関しても、バッテリー残量が0%と表示されたとしても、その多くで、さらに余分に走行することは可能ですので、

実際にEVを運用する際は、電欠しないように、カタログスペックよりも厳しめに考えておく必要がありそうです。

個人的に賞賛したいEVトップ2

そして、個人的に驚いた車種というのが、BMWのキッドサイズSUVであるiX3となっていて、

その結果が、556.2kmと、なんとカタログスペックである欧州WLTCモードの450kmという数値を、100km以上も上回るという結果となり、

こちらは競合車種であるその他のミッドサイズSUVセグメントと比較しても、2番目に航続距離の長い車種になりますので、

その内燃機関車とプラットフォームを共用することによる、電気自動車としての質の妥協という懸念を一切感じさせない、

非常に過小評価されている電気自動車と言えるのではないでしょうか?

そして最後に、そのiX3を抑えてミッドサイズSUVセグメントトップの航続距離を達成しながら、モデル3とともに、600kmの大台を突破してきたのが、

フォードのマスタングマックE、後輪駆動グレードとなっていて、その結果が、617.9kmと、欧州WLTCモードである610kmという数値をわずかに超えた結果となり、

確かに全体としてはテスラの後塵を拝してはいるものの、

そもそもマスタングマックEはSUVセグメントとなりますので、構造上、空力性能で勝るセダンタイプのモデル3と比較するのはあまり意味がありませんし、

そのモデル3でさえ654.9kmと、その差は37km程度ですので、

もしかしたら、真の競合車種となるテスラ のミッドサイズセダンであるモデルYとを比較したら、ほぼ同じような航続距離、

もしかしたらマスタングマックEの方が、より長い数値を達成することができてしまうかもしれません。

やっぱりEPAサイクルを信用しましょう

何れにしてもこのように、より実態に近い環境下での航続距離テストの結果を見ていきましたが、

欧州WLTCモードの航続距離を、ほとんどの車種が達成できているのですが、

やはりそもそも論として、このような500kmを超えるような長距離走行時においては、ほとんどの場合、高速道路を使用して運用すると考えられますので、

やはり、今回の検証実験であったり、欧州WLTCモードよりもさらに厳しい条件下であり、

高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいて最も信用に値するEPAサイクルを信用して、

ご自身のライフスタイルも鑑みながら、電気自動車の購入検討をしていただくことを強くお勧めしたいと思います。

From: NAF

Author: EVネイティブ

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