【日本EVガラパゴス脱出の希望?】スーパーチャージャー、やっぱりテスラ以外のEVは使えなそう

e-Mobility Power

テスラの自社専用の急速充電インフラであるスーパーチャージャーに関して、なんとそのほかの電気自動車にも開放するよう政府が働きかける国が現れ始め、

今後世界中でこのスーパーチャージャーを、テスラ車以外が使用できるようになる可能性が浮上していますが、

我々日本市場においては、テスラ車以外の電気自動車がスーパーチャージャーを利用できる未来は訪れないという理由についてを徹底的に解説します。

第二四半期も世界で爆売れ中のテスラ

まず、今回取り上げたい我々日本市場におけるテスラに関してですが、

2月中旬に、テスラのエントリーモデルであるミッドサイズセダンのモデル3を、最大で150万円以上もの衝撃的な値下げを断行し、

その影響もあってか、今までとは次元の違う人数がそのモデル3を購入し、

実際に、その値下げ後の大幅な納車ラッシュの幕開けとなるこの直近の5月から6月にかけては、幾度となくそのモデル3の納車ラッシュが目撃されていますので、

以前から一貫して解説している、現状世界で最もコスパの高い電気自動車の1つであるという解説とともに、

何れにしても、その人気に拍車がかかっている状況であると、容易に推測することができます。

そして、この人気というのはグローバルにおいても同様であり、特にヨーロッパ市場においてその納車台数がさらに上昇中であり、

特にこの第二四半期の最終月である6月中までに、一台でも多くの車両を納車するよう、毎度恒例の、テスラの従業員宛にイーロンマスクからメールが届いているという圧力がかかっていますので、

まずは、この6月度のテスラ車の販売台数がどれほどを達成することができたのかに、注目していきたいと思います。

スーパーチャージャー、他社EVにも解放?

そして、そのテスラをはじめとして、電気自動車需要が急増するヨーロッパ市場において、今回新たに明らかになってきたことというのが、

そのテスラ車専用の急速充電ネットワークであるスーパーチャージャーを、そのほかの電気自動車に対しても開放する動きが出てくるのではないかということで、

というのも、そもそも今回のスーパーチャージャーというのは、テスラが2012年から、基本的には全て自社のみの資金でインフラ構築していますので、

いわゆる公共の充電器とは違い、テスラ車以外の電気自動車は使用することができず、

よってテスラ車というのは、公共の急速充電器の他にも、テスラ車専用のスーパーチャージャーも使用することができるという意味において、

そのほかの電気自動車と比較しても、その充電環境が優れているということができるのです。

しかしながら、今回ヨーロッパ最大の自動車大国であり、それと同時に、すでに新車販売に占める電気自動車の販売割合が25%程度、

つまり、新車のうち4台に1台が電気自動車となってしまっている、電気自動車大国であるドイツの、交通インフラを所管するトップである、

運輸大臣のAndreas Scheuerが、ドイツのメディアに対するインタビューにおいて、

そのテスラ専用のスーパーチャージャーを、そのほかの電気自動車に対しても開放するように、テスラ側と直接コンタクトを図っているという趣旨の発言をしているのです。

ただし、このスーパーチャージャーの解放に関しては、いくつかの技術的な制約も存在しているということで、

特にその充電課金システムをはじめとする一連の充電認証システムであり、

既存の公共の充電器と違って、スーパーチャージャーには充電カードなどのような認証システムは一切存在せず、

充電プラグに充電器を差し込むだけで、充電器側と車両がネットで接続され、自動でその車両を識別し、事前に車両と紐づけてあるクレジットカードから決済されるという仕組みですので、

このような、ユーザー側の充電における煩雑な作業を一切必要としない、

ユーザーエクスペリエンスの高い充電インフラであるスーパーチャージャーというのは、非常に満足度が高い一方で、

こちらはテスラ車専用だからこそ、その車両とひもづけることができるのであって、

それ以外の電気自動車であれば、そもそも車両側とスーパーチャージャー側が紐づいていませんので、何も簡単に解放すればいいという話でもない、ということなのです。

したがって、そのドイツの運輸大臣に関しても、この充電課金システムという技術的制約は認めながらも、

やはりドイツ国内において、どんな充電プロバイダーの充電ステーションであっても、どの電気自動車も気兼ねなく充電できなければならず、

そのために例えば、スマートフォンを介した充電課金アプリであったりなどのわかりやすいシステムが必要であり、

そして、電気自動車ユーザーが主体的にスマートフォンなどで充電ステーションを探すという、現状の状況は許されず、

車両側が自動的に充電器を探し、案内してくれるなどの、車両側と充電器、そしてそれをつなぐシステムも含めた、統合的なシステム体系の必要性を、改めて既存の自動車メーカーに求めてもいるのです。

スーパーチャージャーはすでに他社EVに解放の準備済み

ただし、イーロンマスクに関しては以前のツイートにおいて、

すでにテスラのスーパーチャージャーに関しては、競合他社の電気自動車が利用可能な冗長性を備えているとも説明していて、

実際問題として、昨年である2020年の9月中という一時期、

そのテスラ車専用であるはずのスーパーチャージャーを、それ以外の電気自動車も使用することができてしまっていたというバグが発生し、

こちらのバグに関してはすぐに修正され、もちろん現状ではテスラ車以外の電気自動車が充電することはできないのですが、

何れにしても、以前イーロンマスクが説明していたスーパーチャージャーの冗長性が、確かに本当であったことが証明されているのです。

日本市場においては、その可能性は限りなくゼロです

したがって、今後そのドイツ市場をはじめとして、長期的には様々な国において、

そのテスラ専用のスーパーチャージャーを、そのほかの電気自動車も利用することができるようになるのではないかと推測することができるのですが、

残念ながら我々日本市場については、その可能性は限りなくゼロに近いのではないか、ということで、

というのも、まずそもそも論として、スーパーチャージャーの充電規格と日本市場において一般的なチャデモ規格という充電規格が、

専用のアダプターを使用しなければ互換性がないということで、

From: チャデモ協議会

現状テスラ車が日本の公共の充電器を使用する際は、チャデモアダプターと呼ばれる変換アダプターを介してでしか充電することができず、

よって、その逆であるチャデモ規格の電気自動車でスーパーチャージャーを使用しようと思っても、その逆のスーパーチャージャーアダプターが必要となり、

もちろんそのようなアダプターは現状この世には存在しませんので、どこかのメーカーが新たに一から開発しなければならないという点

さらに、先ほどのドイツの例でも取り上げた、スーパーチャージャー使用の際の充電課金システムをどの電気自動車でも使えるように、

その合理性を貫くテスラと共同で構築することなど、少なくとも我々日本の自動車メーカーや充電器メーカーができるのかといえば、

こちらはまさに水と油の関係レベルに不可能な話であるとイメージできるという点、

この2点から、やはり日本市場においては、今回一部の国で持ち上がり始めた、テスラ独自の急速充電ネットワークであるスーパーチャージャーを、

そのほかの電気自動車が使用することは、長期的に見てもできないと結論づけられるのではないでしょうか?

テスラの充電器を使わないのはプライドの問題なのか?

ちなみにですが、なぜそのほかの電気自動車がスーパーチャージャーを利用することができないのかという理由に関して、

一点一部オーナーから指摘されているのが、

「日本メーカーはテスラに「チャージネットワークを共有しましょう」とは言わないから使えないだけ」というような、

つまり、日本メーカー側の一種のプライドのようなものが存在するという趣旨の発言となっていて、

大前提として、日本メーカー勢がこのようなプライドとして、他社のプラットフォームに乗っかりたがらないという意見も、確かに間違い無いとは思う一方で、

気になるのが、そのテスラのスーパーチャージャーを共有する際のインフラ負担額が、想定以上の負担を強いられるのではないかという点であり、

別にこれは日本メーカーだけでなく、欧米や中国のメーカーにも総じて言えることでもありますが、

例えば先ほどのスーパーチャージャーを一時期使用できてしまっていたヨーロッパ市場というのは、テスラ専用のスーパーチャージャーの充電規格を、テスラ側が自ら放棄し、

すでに欧州市場で一般的に普及しているCCSタイプ2という充電規格にスイッチし、

したがって、充電プラグの互換性という意味においては、共有は楽であるはずなのに、やはりそのような動きがないというところからも、

やはりテスラ側による、充電インフラ共有の際に求めている負担額が想像以上に重い、

よって、それであれば自社で設置を進めてしまった方が効率的であるという考えの結果なのではないかと考えられますので、

何れにしても、日本メーカーがただ単にチャージネットワークを共有しましょうと言わない、いわゆるプライドが邪魔をしている問題という単純な理由だけではないのではないか、ということですね。

近畿南部へさらに行きやすく「伊賀スーパーチャージャー」

ここまでは、テスラ専用の急速充電ネットワークであるスーパーチャージャーの、他社EVへの解放の動きについてを、特に日本市場におけるその実現性についてを考察してきましたが、

そのように状況においてテスラジャパン側が、そのスーパーチャージャーの新たな設置計画を更新してきてもいて、

特に、今回新たに4箇所がその設置計画場所の一覧に加わった格好となっていて、

こちらはすでに以前の動画においても最新動向をアップデートしてはいたのですが、いよいよその実際の運用開始時期が間近に迫っている状況なのです。

まずはじめに、伊賀スーパーチャージャーに関してですが、

こちらは三重県北西部に位置する伊賀市の、高速のインターにも程近い、ヒルホテルサンピア伊賀天然温泉芭蕉の湯という、温泉施設兼宿泊施設の駐車場内となる予定で、

こちらに関しては、温泉施設を利用したり、一泊するというような、比較的長時間の施設利用が想定されますので、

スーパーチャージャーは最低限の数にとどめ、逆に、目的地充電として、充電残量が空の状態からでも、概ね5〜6時間で満タンとなるデスティネーションチャージャーの設置を増やすことで、

維持費と稼働率のバランスを図るというのも、一つの手であると考えられ、そのような予測を以前にしていたところ、

なんと一部のタレコミによると、スーパーチャージャーが4基、そしてデスティネーションチャージャーも4基と、

まさに予測通り、完璧は配置を実践してきている格好となりそうですので、特に関西圏に住んでいる方にとってはかなりの朗報となるかと思いますし、

この温泉施設でオフ会などの開催はまさにもってこいかともイメージできますので、この伊賀スーパーチャージャーができたら、是非とも訪れたいとは感じます。

ちなみに、こちらの伊賀スーパーチャージャーの運用開始時期については、もともと6月までの運用スタートの見込みとなっていましたので、

もう間も無く運用スタートを見込めそうなイメージとはなりそうです。

金持ちオーナーのための「代官山スーパーチャージャー」

次に、代官山スーパーチャージャーに関してですが、

こちらは恵比寿や中目黒に隣接し、特にこの近辺に住んでいるマンション住みお金持ちオーナーが、基礎充電として充電することができそうな立地となっていて、

しかも、おそらく誰もが聞いたことがあるであろう、代官山蔦屋書店の駐車スペースに設置される見込みでしたが、

こちらに関しても一部のタレコミにおいて、その設置が順調に進んでいる可能性が高そうですので、

https://twitter.com/Poyo_tes/status/1405139466101026816

そしてその運用開始予定時期であった、2021年の第三四半期、つまり遅くとも9月ごろまでの運用スタートというタイムラインよりも少し早い運用開始となるのかもしれません。

ショッピングモール内の「松戸スーパーチャージャー」

次に、松戸スーパーチャージャーに関してですが、

こちらは、我らが大都会埼玉県に隣接する、郊外の千葉県松戸市内の、国道6号線沿いにあるテラスモール松戸というショッピングセンター内の、駐車場に設置される見込みとなっていて、

こちらは、近くに高速道路のインターはないものの、主要幹線道路上に設置されていますし、

何と言っても、ショッピングセンターに位置するということで、充電しながら休憩することができるという意味において、非常に利便性が高い立地であると言えますが、

こちらも一部のタレコミによって、順調に工事が進んでいるそうですので、

その運用開始予定時期であった第二四半期、つまり6月末、もしくはその前後あたりに実際に利用可能となるのかもしれません。

北の玄関口「函館スーパーチャージャー」

最後に、函館スーパーチャージャーに関してですが、テスラ史上初めての北海道地域への進出となり、

もちろん北海道民に取っても朗報であるのと同時に、個人的に北海道旅行に行く私にとっても朗報ということになりましたが、

その具体的な設置場所については、函館インターにほど近い、なおかつ国道5号線沿いの蔦屋書店の駐車場内ということで、

ただし、こちらのタレコミに関しては、今だに特定することができていませんので、

もしかしたらその運用開始予定時期であった第二四半期、つまり6月までの運用開始というタイムラインは厳しそうではあります。

日本で実用的に運用できるEVは「テスラだけ」

このように、間も無くその運用がスタートする見込みである、

函館、松戸、代官山、そして伊賀という4つのスーパーチャージャーによって明らかになってきている、日本メーカーにとっての厳しい事実というのは、

このような、テスラの独自、かつ、その高出力を許容することができる急速充電器が加速度的に増えていくことで、

今後発売される日本メーカーの電気自動車がその利便性で劣ることは明白であり、

もはや客観的に考えても、日本メーカーの電気自動車を積極的に購入する理由がなくなり始めている、ということなのです。

2022年末までに購入可能なのは、モデル3のみ

というのも、以前の動画でも解説している通り、こちらの日本市場における急速充電器の今後の設置ビジョンが提示されていて、

それによれば、200kWという出力を、6基程度の充電プラグでシェアをするというものであり、

しかもその1基あたりの最大充電出力についても、90kWに制限されるというものであり、こちらは明らかにグローバルで見ても質が低すぎるというばかりか、

この設置ビジョンというのは、今後10年間を見越した設置戦略である、

つまり、2021年現時点で見ても、グローバルと比較して明らかに次元が低いスペックである急速充電器の設置プランを、今後10年間続けようとしているということでありますので、

まさにこれを、ガラパゴス化と呼ばずに、なんと表現したらいいのでしょうか?

グッドデザイン賞を受賞している場合ではありません

EVにとって、充電インフラは「配点のデカい平常点」

何れにしても、日本の急速充電網を構築するe-mobility Powerによる充電インフラの大幅改善という期待が、明らかに下火となり、

それに対してテスラはというと、その増大する需要に合わせてその急速充電ネットワークの整備を加速させているわけであり、

よって、たたでさえ電気自動車としてのコスパが高いテスラ車と、その電気自動車とセットである急速充電インフラの拡充度合いも相まって、

もはや日本市場において、テスラ以外の電気自動車を、積極的にオススメすることができなくなってきているというのが、現状の個人的な見解となっています。

繰り返しとはなりますが、電気自動車において充電インフラとは、学生時代における平常点のような存在であり、

しかもその平常点の割合はほぼ半分を占める、

つまり、いくら質の高いスペックを達成している電気自動車を発売、

要するに、テストの点数が高かったとしても、それと同じ割合を占める平常点をしっかりと獲得することができなければ、総合的な点数は低い、

つまり、その電気自動車の総合的な評価は低いままである、ということになりますので、

そのような充電器管理運営企業だけでなく、

餅は餅屋、インフラ整備は国などに任せるといったような、平常点を自ら捨てる態度を自動車メーカーが示すのか、

それとも本当に電気自動車を売るために、その平常点の部分も獲得しようと、充電インフラ整備に自ら行動しようとするのか、

どちらのメーカーが今後のEV競争を勝ち抜くことができるのか、答えはすでに明白なのではないでしょうか?

From: ecomento.de

Author: EVネイティブ